健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

ボケ防止にデュアルタスク~MCIのための認知機能回復運動

年をとるに連れて記憶力は衰えていくもの、と考えられていましたが最近、MCI(認知症予備軍)の人でも、運動で記憶力の改善が見られることがわかってきました。回復を目指せるように様々な運動プログラムが研究されているので、いくつかご紹介します。

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MCI(認知症予備軍)とは

認知症の大きな原因となるアルツハイマー病は、アミロイドβたんぱくとタウたんぱくが長い時間をかけてたまることで、認知機能に障害を起こし、日常生活に支障をきたすようになって認知症を発症します。

その少し前の段階、認知機能障害が出始めている状態を、MCIと呼びます。いわば、認知症の予備軍、記憶力の低下など、年相応より少し認知機能の低下が見られます。

例えば物忘れが有っても、一人暮らしはまだ続けていける、と言った状態です。

 

MCIの将来は3つに別れる

MCIは日本全国でおよそ800万人、65歳以上の8人に一人と言われています*。

MCIの人は認知症を発症する場合も多いのですが、必ずしも発症するわけではありません。MCIの将来は

  • 発症する
  • そのままの状態を維持
  • 健康な状態に回復

の3つに分かれます。

*参考:厚生労働省研究班 都市部における認知症有病率と認知度の生活機能障害への対応 2013年

 

認知症になりにくいライフスタイル

3つの将来がどのような違いで起きるのか、現在のところまだわかっていません。しかし認知症になりにくいライフスタイルはわかってきています。

昨日のエントリー「ライフスタイルで病気を防ぐ~認知症予防のコツ」で認知症予防のライフスタイルをまとめていますので、参考にされてください。

中でも運動にはアルツハイマー病の抑制効果があると言われていますので、こまめに体を動かすことがオススメです。

また、MCIの段階から衰えてくる、デュアルタスクの能力を鍛えることが大切です。

 

認知症発症までの経過

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発症した時を0として、

  • アミロイドβたんぱくがたまり始めるのがおよそ30年前(-30)
  • タウたんぱくがたまり始めるのがおよそ10年前(-10)
  • 認知機能が障がいされ始めた時期から発症までをMCIと呼ぶ

 

デュアルタスク

デュアルタスクとは、2つの課題を同時に行うことです。運動を行うと、神経回路の形成や発達に重要な栄養素(BDNF)が脳内に大量に分泌されます。

その時、脳も使いながら運動を行うと、より多くのBDNFが分泌され、記憶力の向上に役立つと考えられます。

デュアルタスクの能力は、MCIの段階から衰えてくるので、体と脳の双方に負担をかける運動で鍛えましょう。

 

記憶力を回復する運動の効果

健康な人の場合、運動で記憶力は改善できることがわかっていました。

最近、認知機能は少し衰えているけれど、発症には至っていないMCI(認知症予備軍)の人でも、運動により記憶力の改善が見られることがわかってきました。

MCIの人たちの将来は「発症する」、「そのままの状態を維持」、「健康な状態に回復」の3つの可能性があります。すべての人が回復を目指せるように、様々な運動プログラムが研究されています。

からだと脳の双方に負荷をかけ、デュアルタスク能力を鍛え記憶力の回復を目指す運動プログラムです。

自治体などで行っている場合もあるので、近くの地域包括支援センターに問い合わせすると良いでしょう。

参考: 全国の地域包括支援センター 一覧 

地域包括ケアシステム |厚生労働省

(各都道府県のホームページ)厚生労働省、地域包括ケアシステムのページから検索できます。

 

デュアルタスク~体と脳の双方に負荷をかける

ウオーキングは良い運動ですが、思考力を働かせながら歩くと、さらに記憶力の回復に効果があることがわかってきました。簡単にできる方法を3つご紹介します。

歩きながら引き算やしりとりをしたり、ラダートレーニングなどが行われています。それぞれの実施方法は以下にまとめました。

目安として1日合計30分程度、1週間に3日以上行うと良いでしょう。

 

歩きながら引き算

歩きながら引き算をします。例えば、100から4を引き続ける方法。交通量の多い道路などで行うと危険です。

安全な場所で歩くようにすることも重要です。引き算に気を取られがちですが、歩行にも意識をきちんと向けます。

 

ポイント: 通常の速度 歩幅は大きめ

加齢とともに歩幅が狭くなるので、意識して歩幅を広げるとより効果的です。

何回か繰り返していると、数字を覚えてしまい脳に負荷がかかりにくくなります。引き算の難易度を少しずつ上げていきましょう。

 

踏み台昇降でしりとり

踏み台を使って登ったりおりたりする踏み台昇降運動に、特別なしりとりを組み合わせてデュアルタスクにします。

普通のしりとりと違うのは、3人で行い、前の二人が行ったことばを繰り返し、1人が3つのことばを言います。

  • 一人目: りんご
  • 二人目: りんご ゴリラ
  • 三人目: りんご ゴリラ ラッパ
  • 一人目: ゴリラ ラッパ パスタ
  • 二人目: ラッパ パスタ たばこ

というように繰り返していきます。ことばが思いつかなくても足を止めず、踏み台昇降を続けることが大切です。

難しい場合は、すぐ前の人が行ったことばを繰り返す方法でも良いでしょう。

 

一人の場合

数を数え一定の数字、例えば3の倍数になったら数を言う代わりに手を叩く。食べ物の名前シリーズ、いから始まることばシリーズなどを思いつく限り言うなど、シリーズ課題も良いでしょう。

踏み台がない場合は、階段や段差を利用しても良いですが、壁やテーブルなど必ず捕まるものがある位置にたち、万が一の転倒を予防しましょう。しりとりは、歩きながらでも行なえます。

 

ラダートレーニング

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ジムなどで筋力強化に取り入れている場合もありますが、はしご状の道具を使った運動です。

床に縄梯子のようなラダーを起き、ステップを踏む運動。単にステップを踏むだけでなく、足の運びを複雑にして脳にも負担をかけていきます。

床にテープで印を付けても良いですね。

基本は8ステップで1つの単位です。2つの数字に該当するステップの時に、ハシゴの枠外に足を踏み出します。

他の人に1~8までの数字の内2つの数字を言ってもらい、その数字の時は足をラダーの外側に踏み出します。

慣れてきたら数字を変えたり、枠外に踏み出す数字を増やすなど、常に頭を使いながら行うことが大切。

例:ラダーの手前にたち、2歩目と5歩目で足を枠の外で踏みます。

 

必要以上に恐れない

認知症は必要以上に恐れないことも大切。心配し過ぎるとそれがストレスになってしまいます。あまり心配しない、人と交わり楽しくコミュニケーションを取るほうが良いです。

認知症を発症したり、家族の勧めが有った場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。

認知症の兆しが見られても、本人に自覚が無いことも多いので、家族や周りの人が気をくばり、早めに症状に気づきMCIの段階で発症を防ぐことが大切です。

介護のお役立ちブログ、きらっ子ノート「加齢に負けない健康づくりの参考に!身体機能の維持や認知症予防に関する記事特集」(1月12日)に、当記事が掲載されました。 

 

まとめ~デュアルタスクでボケ防止

運動は大勢でワイワイガヤガヤ楽しむことも大切。ゲーム感覚でデュアルタスクを楽しんでみましょう。

運動そのものの効果もありますが、集団で行うことで笑いが生まれたり、励まし合ったり。他者との交流が生まれ脳の活性化につながります。

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