ナースの日常では、いわゆる「魔の悪い」ことがよく起こります。笑って済ますことができるものは良いのですが、時に命がけ…ナースの仕事あるあるは、患者さんは知らないほうが、身のためかもしれません(笑)。
魔の悪いことはよく起こる
よく起こる間の悪いことは「マーフィーの法則」*、あるいはコミックの「ささくれーしょん」*に似たような状況とも言えます。
病棟では、ナースに魔の悪いことが、実によく起こる!ナースの仕事、あるある!と共感して大笑いして、ちょっと息抜きするのも、たまには良いでしょう?
命がけのあたりはずれ…医師の能力
これはなんといっても命がけ。笑って済ませてはいけないことなのですが、「よくもまあ、これだけ」と思うほど、よく起こる。
「死にそうな患者さんがいる時に限って、できの悪い研修医が当直」
「点滴の下手な医者しか病棟にいない時に限って、患者さんが点滴を抜きまくる」
「眼科医が当直の日は、患者さんに急変があいつぐ」
患者さんの信頼を失う「ささくれーしょん」
ちょっとしたことでも積み重なることで、患者さんや家族とナースの関係がこじれてしまいます。
「文句ばかり言う患者さんの食事に限って、間違っている」
「痛がり、怖がりの患者さんの血管は、たいてい細くて、1回で採血できない」
「急変が起こった時、酸素吸入のセットはすべて使用中」
「めったに来ない家族が来た時に限って、寝たきりの年寄りは失禁している」
それまで、自分の身をすり減らして、患者さんと関わってきていても、こうした魔の悪さがすべてをぶち壊し、信頼を失っていく…
ナースを辞めたい、と思ってしまう原因にもなりえます。
患者さん同士の人間関係
医師やナースとの関係だけでなく、患者さん同士にも「ささくれーしょん」は起こります。
「神経質な患者さんの隣のベッドの患者さんに限って、無遠慮でうるさい」
「暑がりの患者さんの隣には、たいてい寒がりの患者さんがいる」
「吐き気のある患者さんの横では、思い切り失禁する」
患者さんは皆、自分の事で手一杯です。なかなか他人への思いやり、気遣いまでは期待できません。患者さんの要望を受け入れ、時には転室に次ぐ転室で、看護師も精神的に、ボロ雑巾のように疲れきってしまいます。
ナースが一人でたえる魔の悪さ
「心を込めて患者さんの身体を拭いた後に限って、溜まりに溜まった便がでる」
「ご飯も食べずに出勤した夜勤では、忙しくて朝まで休憩が取れない」
「死亡宣告の時になると、お腹が鳴り始める」
などなど、ナースに魔の悪いことばかり。数え上げたらきりがない。
針刺しのあるある
「『あなたがやって』と採血や点滴の針刺しを頼まれた時に限って、1度で入らない」
研修医が点滴になれるまで約半年かかります。ところがいつまでたってもうまくならない医師もいる。針を指すのが下手なナースも、患者さんから嫌がられる。そこで代わりに頼まれるわけですが…
優しい患者さんの顔も3度まで
常連(笑)の患者さんになると、若い研修医や、新人ナースが点滴や採血が上手に出来なくても、励ましてくれたりしますが、いつまでも上手にならないと、流石にシビアになります。
何年たってもうまくならない医師が点滴の担当だと…常連さんたちの姿が、ベッドから消える。それを察してそこにいる患者さんだけに針を刺してもらって、お帰りいただくと、皆さんが現れる。
「あの先生、へただからねえ。あなたが代わりにやってよ。さもなきゃ他の先生を呼んで」と。
点滴は医師の仕事、だけれど…
点滴は医師の仕事ですが、看護師がしても法律には触れません。実際採血したあと、そこに点滴の薬剤をつないでしまえば、「採血のついでに点滴しました」でOKです。
それやこれやで、こっそり点滴をすることもあるのですが、そういう時に限って一度で入らず、2度刺ししてしまうと、なんだかねえ。点滴や採血って、患者さんの状態も有りますが、こちらのその日の調子によるものも。
まとめ
マーフィーの法則を、もっと身近な出来事に置き換えたような、魔の悪い事、「ささくれーしょん」ナースの仕事あるある。
実際の現場では、笑って見過ごす事はできませんが、どこも同じようなことを抱えているんだなあ、と思うと、ちょっと息をつけるのでは。
マーフィーの法則
"If anything can go wrong, it will."(「失敗する可能性のあるものは、失敗する。」)[1]に代表される「経験則」や、「法則」の形式で表明したユーモアである。
「失敗する余地があるなら、失敗する」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」をはじめとする、先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかも哀愁に富む経験則をまとめたものである(それが事実かどうかは別)。多くはユーモアの類で笑えるものであるが、中には重要な教訓を含むものもある。出典Wikipedia
画像出典:「ささくれーしょん」竹書房 2000年4月 堀田 かつひこ (著)
*夕刊フジに連載されていた堀田かつひこさんの4コマまんが。現在はコミック化されています。
「びみょーな心のささくれ」とサブタイトルが付いていて、描かれているのは、日頃よく起こる魔の悪い出来事。実にうまく描かれていて、思わずあるある!
「トーストを落とすと、必ずバターを塗った面が下になる。」という「マーフィーの法則」に感覚が近い気もしますが、より日常生活に密接した出来事が題材となっているので、つい引きこまれてしまうのでしょう。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ