昨夜の水素水の薬機法違反容疑、今朝のヤフーショッピングのステマ疑惑、グーグルに過去最大の制裁金、と広告に関する報道が続いています。検索結果について、これらのニュースから考えてみましょう。
検索力、情報を選ぶ力の必要性
自分に必要な情報を得るためには、検索力と情報を選ぶ力が必要であることは、前回のケーキガイドのご紹介記事でもお伝えしました。
検索したときに表示される結果が、意図的に操作されていたり、内容が誇大広告であったりすることが少なくありません。
昨今では、そういった問題に対する厳しい批判が相次ぎ、改善はされてきているようですが、まだまだまかり通っている広告ありき、の情報もあります。
広告に関して昨日、今日と気になるニュースが3つも飛び込んできましたので、過去の報道も合わせてご紹介します。
ステマ疑惑に独禁法違反
【水素水】
水素水(商品自体には問題なし)を売るために店舗独自のポップを作って表示していた首都圏のスーパーの部長ら3人、及び法人としての会社が薬機法(医薬品医療機器等法)違反の疑いで書類送検された。
医薬品の承認を受けていない水素水を、売上を伸ばすために「ガンや動脈硬化に効く」「悪玉活性酸素を排出」など医薬品のようにポップ(広告)を出して販売。
NHKニュース2017.6.27より
【化粧品広告】
JARO(日本広告審査機構)などがインターネット広告やウェブサイトを調べた結果、化粧品広告の85%が効果・効能、安全性などを強調するような表示があり、薬機法(旧薬事法)の基底に基づき、粧工連(日本化粧品工業連合会)が定めた基準に抵触していたことがわかったと報道されています。
日本経済新聞、2016.10.24より
検索結果への意図的な操作
これらは情報そのものが薬機法などに抵触するケースですが、以下は、検索サービスを提供する側での、検索結果への意図的な操作を指摘されたものです。
いずれも朝日新聞2017.6.28朝刊より
【ヤフーショッピング】
1面・6面:ヤフー通販サイトが広告料を多く払う商品をおすすめ順の上位にくるように優遇し、広告と表示していないことがわかった。
出展者が販売価格の1~30%を広告料としてヤフー側に支払い。すると商品の元の評価に点数を上乗せし、広告料を多く払うほどこの上乗せ幅が大きくなり、おすすめ順の検索結果の上位に表示されやすくなる仕組み(PRオプション)。
お金でおすすめ順位が上がるのでは、消費者は何を信用したら良いのかわからなくなる。宣伝であることを隠すステマ(捨てるるマーケティング)に当たると指摘する弁護士もいる。
「ヤフーはサイト全体が広告なのでステマではない。が、おすすめ順の内容がわかりやすく説明できていないので、見直さないといけない」と述べた。
【グーグル検索】
7面: グーグルが検索結果で自社サイトに不当誘導したとして、欧州委員会は米検索最大手グーグルがEU競争法(独占禁止法)に違反したとして、過去最高額(約3千億円)の制裁金を科すと発表。グーグルは意義を訴えることを検討中。
グーグルはインターネット検索での支配的な地位を使って、自社サイト「グーグル・ショッピング」が他社のサイトより目立つように表示し、不当に利用者を自社サイトに誘導したと欧州委は見ている。
スポンサードサーチとインタレストマッチとは
ネットにつながっていると、スポンサードサーチ、PR 、広告などと表示されて商品やサービスなどの紹介、ちょっと目障りに感じる方も少なくないでしょう。
ただ、あれも見方によっては意外と役に立ったり、面白かったりするのですよ。
ネットで調べ物をした人(ユーザー)の過去の検索傾向をデータ化したり、最近の興味を予測しておすすめの商品やサービスを選んで表示させているのです。
スポンサードサーチ、インタレストマッチとは一体どんなものでしょうか。それぞれの特徴と違いは何かについて簡単に説明しましょう。
スポンサードサーチとは
サイト上で検索したユーザーに検索キーワードに関連した広告を表示。広告を見せたいユーザーを検索キーワードで絞りこめるのが特徴です。
例えば、「葛の花 脂肪 減らす」と検索すると以下のように上位4位までが広告で、その後に一般のサイトが表示されています。(今日の検索結果)
このキーワードで商品を買うつもりで検索したユーザーは、この広告ページから購入する確率が高いです。
一方、どんなものがあるのか、どういう特徴があるのか、など商品の情報をもっと知りたい、その上で納得したら試してみようかな。
というユーザーは直接広告ページに行く前に、必要な情報を広告の下の一般のサイトから探してから、買う、あるいは見送ると言った判断をすることがほとんどでしょう。
Yahoo!JAPAN上で検索をした場合、その検索キーワードに応じて、検索結果ページに表示される「検索連動型広告(リスティング広告)」です。
検索している瞬間、つまりユーザーの感心が高いときにあなたの広告が表示されることで、高い効果を発揮します。
広告の掲載場所は、検索結果ページです。
出典:ヤフープロモーション広告
インタレストマッチとは
何か調べ物をしたあと、他のサイトを見ているときに調べたものに関連した広告がやたら出てくることってありませんか。
インタレストマッチとは「興味関心連動型広告」に分類される広告の掲載方式です。
ユーザーが開いているページや、過去に検索したり見たことのあるページの内容、直前の検索キーワードなどを分析し、「こんなことに興味を持ちそうだ、感心がありそうだ」と言った広告を表示します。インタレスト=興味・感心、マッチ=合うということですね。
今見ているのがサプリメントのページだったとして、昨日はストレッチ関連、その前はエステ関連のページを見ていたとすると、それらに関連する広告が表示され、更には、ダイエットに興味がありそうとダイエットに関する広告も表示されたりします。
表示された広告で以前興味を持って情報を集めたり調べたりしたものの、行動に移さなかったことユーザーに継続的に広告を表示することでアプローチでき、興味・感心を再認識させるきっかけともなりえます。
広告の掲載場所は、それぞれのコンテンツページです。
スポンサードリンクとは
グーグルが提供している広告システム、グーグルアドワーズの「コンテンツ連動広告」です。
見ているページの内容に関連した広告を表示します。しかし、今見ているページの内容だけでなく、ユーザーがどのようなことに興味関心を持っているのかを考える必要もあります。
それを考えるのに役立つ「インタレストカテゴリ」が2009年から提供され、新機能の追加などアップグレードされてきています。
まとめ
ネットで商品やサービスを利用する際に、まず欲しい情報にたどり着く検索力、そしてその情報が正しいのか、自分に取って必要なものか、などをきちんと判断する力も必要です。
しかし、提供される情報自体が操作されていたり、効果・効能など本来表示してはいけないことが書かれていたり…
検索順位操作のニュースを聞いた方が「何を信じたらよいかわからない」とコメントしていたのが印象的でした。
検索力、情報を以下にうまく利用するか、そういった力はすぐには磨けません。日々意識して検索したり、情報を利用することが重要です。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ
*ネット用語には詳しくないので、記事にする前に十分調べておりますが、間違いがございましたら、ご指摘ください。