健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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看護師辞めたい!本音を引き出す~退職理由ヒアリングのコツ

退職理由には、本音と建て前があります。看護師が辞めたいと申し出た時の退職時面接は、辞めたいの本音をヒアリングする場でもあります。看護師が辞めたいと思った時の本音や状況を知ることは、新たな退職者を出さないための、職場環境の改善にもつながります。

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管理者が知っておくべき退職時面接の3つのルール

近年病院スタッフへのサポートとして、外部のコンサルタントがカウンセラーとして関わるケースも増え、グループ病院から院外介入支援を導入している場合もあります。

専門家としての視点は退職時面接にも応用可能です。

面接を行う管理職が心がけてほしいことをまとめました。退職者の面接をおこなうことの多い、現場の上司である看護師長に知っておいて欲しいルールは3つです。

  • 面接の準備
  • 本音を引き出す
  • 共感する姿勢

 

備えあれば憂い無し~面接の準備

退職の申し出が有った場合、退職時面接が設定されますが、退職の意思表示をした看護師の言動には、普段以上に気を配ってください。

退職時面接のシナリオ、質問のプロセスを予めシュミレーションしておくことです。

 

日頃の気配り、言動の注視、シナリオの作成

師長は普段からスタッフの動向には気を配っているはずであり、辞めたい看護師の年齢、状況、性格、普段の様子などから、退職理由については、ある程度予測が付いているでしょう。

退職時面接は限られた時間で行われるので、看護師の本音に近づけるように、適切な質問を準備しておきます。

また、質問の反応も予想し、それに対しての師長としての回答も用意しておくのです。

面接時に相手からの返事を整理して理解でき、会話の方向がずれた時などにも適切に軌道修正することが出来ます。

 

本音の中には職場改善のヒントがある

退職時面接は、退職を思いとどませるため、あるいはさっさとやめさせるためのものではないことを理解しておきます。

重要なのは、辞めたい本音の理由を引き出すことです。退職を申し出た看護師は、建前の理由を上げることが多い。

その看護師にとっての、退職理由などをつかみます。建前の中に潜む、病院や病棟の改善点、という要素を掴み取ることが目的です。

 

転職を見据えた建前の退職理由

後述するように、辞めたいの裏には転職を念頭に置いた退職も有ります。そのために退職理由も建て前にして、無難な、かつ引き止められにくい理由を上げがち。

退職の意志が固い看護師を無理やり引き止めるよりも、本音の退職理由を引き出すことが得策です。

本音の中には、職場改善のヒントがたくさんあります。不満に思っていたこと、期待していたことなどが分かれば、どうすれば退職者を出さない職場にできるか、を考えることが可能となります。

 

辞めたい看護師に共感する姿勢

退職時面接で最も重要であるのは、辞めたい看護師のこれからを「一緒に考える」という姿勢です。

辞めたい看護師は、退職の意思表示の前に、何らかのサインを出しているものです。

 

これからの進路やあり方への共感

職場への不満、仕事への気力の衰え、情緒が不安定であったり、異様なテンションの高さであったり。

辞めたい理由にもよりますが、退職を考えている看護師は、そのサインを受け止めて欲しいと思っていることも多いのです。といっても、引き止めてほしいわけでもありません。

自分の気持ちに共感して欲しい、これからの道を応援して欲しい、そんなふうに思っているものです。

辞めたい看護師は、これからの進路や自分のキャリアについて悩んでいるなら、一生に考え、答えを出すという作業が大切す。

そうした共感を示すことで、退職理由の本音を引き出すことが可能となります。

 

また戻りたい、という最後の感覚

看護師は転職が多い職種です。退職したあと、他の病院に転職する場合も、潜在看護師となる場合も、また、看護師ではない多職種に転職することもあります。

2025年問題も有り、看護師不足は解消されそうもありません。

退職した看護師が、「また戻りたい」「いつか戻ってきてもいい」という感覚を持てるように、孤独にしないことも重要です。

 

退職者を孤独にしない

退職理由はどうであれ、それまでチームの一員として働いてきた状況が変わります。その寂しさもあるでしょう。これからの生活、将来への不安もあるはずです。

退職時に受けた最後の感覚は、いつまでも心に残ります。辞めた理由が不満や不快な記憶ばかりでも、最後の感覚が心に残るものであれば、それらを塗り替えることにも繋がります。

 

本音を引き出すヒアリングの方法4つのコツ

  • 仮説力 
    全体と細部など、多くの軸を考え、自分なりに整理しておく力です。全体をどう捉え、部分をどう捉えるか。
    因果関係をどう捉え、優先順位をどうつけるのかなど。
  • 本質力 
    場を見える化して、論理的に整理、内容の絞込みなどを行い、最終的に一つのメッセージに凝縮できる力。
  • 傾聴 
    相手の言いたいことを丁寧に聴くことで、ただうなづいたり相槌を打てば良いものではない。
  • 共感 
    相手の立場に置き換えて、相手の立場で考える事。

 

多弁になるキーワード

辞めたい看護師との面接で、本音はなかなか聞けないものです。しかし、本音を引き出すキーワードは存在します。

日頃の動向や、面接の準備をするなかで、それを捉えられた時に傾聴と共感をしめし、ヒアリングを行うと、本音を引き出しやすい、といえます。

 

看護師の退職理由、本音と建て前

日本看護師協会や厚生労働省が実施した調査によると、看護師の退職理由は、結婚や出産、育児のためが最も多く、他分野への興味が続いています。

その他も多いのですが、看護師が集まるサイトやブログなどから伺える本当の退職理由とズレがあるのは、看護師は転職が多いことも関係しているとも言えます。

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出典厚生労働省医政局看護課調  看護職員就業状況等実態調査結果(平成22年度)

 

辞めたい理由、本音は人間関係や勤務環境

健康上(身体ともに)の理由も多いのですが、激務で心も体も悲鳴をあげている、人間関係で疲れた、というのが本音の理由である場合が多いことも事実。

しかし、円満に退職するためには、慰留されにくい無難な理由をあげたいということから、本音と建て前が違ってくるわけです。

辞めたい本当の理由を伝えると、現状の改善などを条件に引き止められたり、さらに人間関係が悪くなることも起こりえます。

 

看護師は転職が多い

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出典: 厚生労働省医政局看護課調  看護職員就業状況等実態調査結果(平成22年度)

看護師は転職が他の職種よりも多いのも、退職理由を建て前で伝える傾向にあるといえます。転職先で、前職の退職理由は必ず聞かれますが、その際、ネガティブな理由、例えば

  • 向いていなかった
  • やりたい仕事をさせてもらえなかった
  • 給料が安かった
  • 人間関係が嫌だった

などの理由では、「また嫌になってすぐ辞めるのでは」「ウチでもうまくやっていけないのでは」などと思われ、採用してもらえません。

 

まとめ~退職時面接のコツ

退職時面接は、何が何でも引き止めるためでも、冷たく退職届を受理するだけでもありません。

辞めたい本音の理由を引き出し、退職者に「共感を持って聞いてもらえた」という最後の感覚を持ってもらうことが目的です。

本音を知ることは、職場の環境の改善となるヒントを得ることが出来ます。

退職時面接で、辞めたい看護師に共感し、一緒に考えてもらった、という最後の感覚が「いつかもどってきてもいいなあ」という思いにつながれば、退職時面接は成功したといえます。

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