健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

さんま苦いか塩つぱいか~魚離れ、日本の経済と健康

最近さんまがまとわりついて離れません。そこで魚離れと栄養、日本の経済と健康を考えてみました。かなりタイトル盛りました^^;。さんまについて話題となっているニュースや、さんまの栄養についてなどのまとめです。

さんま苦いか塩つぱいか~魚離れ、日本の経済と健康を考える

さんま閑話休題

旬にはまだ早いのですが、最近どうもさんまづいています。新聞やテレビでさんまの話題を立て続けに見ました。

  • EPA・DHAのサプリメントの広告(さんまの画像がドーン!)
  • 秋刀魚漁獲枠について合意ができず
  • さんま焼き師認定試験実施

今の時期鮮魚コーナーに並ぶさんまは解凍ものですが、新物が登場するのが今から楽しみですね。

*タイトルにある「さんま苦いか塩つぱいか」は佐藤春夫さんの「秋刀魚の歌」の一節です。蛇足ですが、この詩の背景にあるものに思いをはせると、突飛な妄想が浮かんできます。さんまが恋と経済という関連のないものを象徴しているかのように…

 

EPA・DHAとは

epa_dha

EPA、DHAは魚油に含まれる成分で不飽和脂肪酸と呼ばれる常温では固まらない脂です。生活習慣病の予防などに役立つとされ、血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化や血栓を防ぐ作用があることが知られています。

日本人の栄養摂取基準では、EPA・DHAを含むn-3系脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸の推奨摂取量は

  • 3歳以上の男女1日1g以上
  • 50~69歳の男性2.4g、女性2.0g

が望ましいとされています。

EPAは「エイコサペンタエン酸」の略称で、人間のからだでは合成されにくいとされる必須脂肪酸の一つ。血管・血液の健康維持に重要であり、特にイワシに多く含まれ、さんま・さば・あじなどの青魚にも多く含まれています。

2型糖尿病の患者においてEPAを摂取することで血糖値やインスリン抵抗性、HbA1cなどの指標が改善されたという報告もあります。(Shingapore Med J 2013;54(7):387-390)

DHAはマグロ、カツオ、さんま、さばに多く含まれています。

 

魚を食べよう!

1日1gのEPA・DHAを摂るには、何をどのくらい食べれば良いのか、ひとつの目安として例をあげておきます。

  • 刺し身の場合: マグロ(トロ)なら4~5切れ、ブリなら6~7切れ
  • 焼き魚の場合: さんまなら約半尾、小型のイワシなら約2尾
  • 缶詰の場合 : さば水煮(190g)1/4程度、イワシ味付け(1400g)1/2程度

魚離れが危惧されていますが、この程度なら副菜として工夫すれば毎日でも摂れそうですね。

DHAやEPAのサプリメントの広告をよく目にするようになりました。健康に感心のある方など利用されている方も多いようです。

もちろんサプリメントでもDHAやEPAの成分を摂ることは可能ですが、魚にはその他にも良質なたんぱく質やカルシウムなども含まれています。

魚の栄養

さんまなど青背の魚の脂には、n-3系脂肪酸のEPAやDHAが豊富ですが、その他にもたんぱく質の代謝を助けるビタミンB6、造血に働くビタミンB12、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなども含む優れた食品です。

まず食事から栄養を摂ることを心がけ、不足した場合の補給としてサプリメントをうまく利用するようにすると良いでしょう。

 

さんまの栄養と健康

さんまを中国医学の考え方から見ると

  • 消化吸収を担う「牌」の働きを助け、「気」「血」を補う作用がある
  • 「血虚」による夜盲症、肌荒れ、記憶力の低下、貧血の改善、老化予防によい
  • 「血」のめぐりを良くする作用があり、「瘀血(おけつ:血が滞る状態)」に関わる狭心症や心筋梗塞などの動脈硬化症疾患の発症を予防することが期待される

とされています。

さんまはEPA・DHAだけでなく、たんぱく質、ビタミンB6、B12、ビタミンDなども豊富な食品であり、健康と日本人の食卓には欠かせない魚、と言っても良いでしょう。

冒頭で書いた最近よく目にする話題について、もう少し詳しくまとめてみましょう。

  • 妊娠中にDHAやEPAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸を摂取した妊婦から産まれた子供は、摂取しなかった妊婦から産まれた子供よりも知能指数が高い、というアメリカの研究報告がある。
  • また、オメガ3系不飽和脂肪酸が、子供の健康と脳の機能発達への効用を示す研究発表もあるようだ。

 

さんま3題

さんまに代表される青魚には、良質なたんぱく質やビタミン類、体では合成されにくい必須脂肪酸のDHA・EPAなどが豊富に含まれています。

積極的に食べたい食品であるさんま、冒頭で書いた最近よく目にする話題について、もう少し詳しくまとめてみましょう。

 

さんま不漁の原因は他国の乱獲ではない

「さんまが不漁」「痩せたさんましかいない」と言ったニュースを近年良く見かけるようになりました。さんまと言えば目黒*、ではなく秋の代表的な味覚。美味しいさんまが手軽に食べられなくなるとしたら一大事です!

今月15日に閉幕した北太平洋漁業委員会(NPFC)で、各国のさんまの漁獲枠についての合意が得られなかった、というニュース報道がありましたね。

近年日本近海のさんまが不漁なのは、「中国、台湾、ロシアなどが日本近海に回遊してくる前のさんまを、公海上で乱獲していることが一因」と報道されていますが、必ずしもそうではない、という記事が目に止まりました。

詳しくはこちらの記事をお読みいただくとして、近年の不漁は日本近海に回遊してくる量が減っているのが主な要因、だそうです。外国船の乱獲の影響は今のところさほどない、らしいですが、何らかの規制を今のうちに合意することが、将来の資源を守るためには重要なのかもしれません。

同じような問題はマグロの産卵期前の乱獲による資源の枯渇などにもあり、早急に対策を考える必要があるのだと思いました。

*「目黒の秋刀魚」 江戸落語です。落語にちなんで目黒では毎年美味しいさんまが無料で食べられる「目黒のさんま祭り」を開催しています。

落語「目黒のさんま」

目黒区ホームページ(区の紹介・歴史―めぐろのさんま)落語の動画、歴史などの紹介あり

 

さんま焼き師認定試験

世の中には面白い資格や認定がありますが、大船渡師では「秋刀魚焼き師」の認定試験を実施しているそうで、今年は7月15日、16日が試験日でした。

さんまは回遊魚ですので、水揚げが始まるのは8月末ころに北海道から始まり、その後10月中旬ころまで徐々に三陸沖まで北から南下していきます。

三陸沖の海は親潮と黒潮がぶつかる世界三大漁場と言われ、脂が乗った美味しいさんまがとれます。ちなみに10月過ぎに更に南下し伊豆半島まで行きますが、旬を外れているので脂も減り、痩せているので主に加工品として多く使われています。

美味しいさんまを美味しく焼く、「認定焼き師」さんの腕前はいかに!

平成29年4月14日定例記者会見資料

大船渡市さんま焼き師認定試験の実施について

目的

当市は本州一のさんま水揚げ量を誇ることから、全国に向けて「水産のまち大船渡」・「さんまのまち大船渡」を情報発信するとともに、大船渡市民及び市外の方がさんまに関わる体験とふれあいを通じて、大船渡市のファンになってもらうことにより、地域力の維持・強化に資することを目的とします。出典:大船渡市

 

サプリメント広告

EPA・DHAのサプリメント、最近よく目にするようになりました。今回は新聞の1面広告。更にネットでも良く見かけます。それだけ需要がある、あるいはEPA・DHAの働きに興味のある人が多い、はたまた販売促進に力を入れている?…

理由はどうであれ青魚に多く含まれるEPA・DHAは、体内で合成される量が非常に少ない、体に必要な機能性成分です。さんまなど大衆魚の不漁、魚離れが危惧される昨今、不足する分をサプリメントで手軽に補いたい、というニーズも少なくないようです。

日清食品開発DHA&EPA+ケルセチン

 

まとめ

青魚には体で合成されにくいとされる必須脂肪酸のn-3系脂肪酸、EPA・DHAが豊富に含まれています。魚離れにより推奨摂取量の不足が心配されますが、推奨摂取量は1日1gです。

工夫次第で無理なく摂れる量ですので、積極的に食卓に登場させたいですね。夏バテで弱りがちな体に「オイル」をさすように、たんぱく質やビタミンなども豊富な魚を食べ、魚油を補給し健康維持!

サプリメントも様々な商品があり、手軽にEPA・DHAを補えますが、あくまでも食事では不足しがちな場合のサポートとして上手に使いましょう。

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