夏風邪はのどの痛み、発熱などが主な症状です。夏風邪のウイルスが原因で起こる病気もあります。医療機関の受診が進められることもあります。夏風邪の症状や感染経路、治療と予防について確認、体調管理を行って、夏を元気に乗り切りましょう。
風邪はウィルス感染、季節で違います
風邪はかぜ症候群といい、呼吸器に急性の炎症が起こります。鼻水、喉の痛み、咳、発熱などの症状が現れ、一週間ほどで治るのが一般的です。
原因の殆どはウイルスで季節によって原因となるウイルスは異なります。夏風邪はアデノウイルス、エンテロウイルスによるものが多いです。
夏風邪の症状
かぜの症状は、原因となるウイルスによってそれぞれ異なるので、季節によって症状多少の違いがあります。夏風邪の場合は
- のどの痛みが強い
- 高熱がでる
- 下痢を伴う場合がある
例えば、アデノウイルスに感染すると、のどの痛みが強く、高熱が出ます。そのほかに結膜炎をおこすものもあり、「プール熱」と呼ばれ、子供によくみられます。
エンテロウイルス(コクサッキーウイルスやエコーウイルス)の場合は、鼻炎やのどの痛みのほか、下痢を起こすことがよくあります。
長引く風邪は他の病気かも
夏風邪の症状はたいてい数日中に収まります。夏風邪で肺炎を起こすような重症になることは、ほとんどありません。
症状がいつまでも続いたり、新たな症状が現れた場合は、別の病気の疑いがあるので、医療機関の受診を。
夏風邪のウイルスの感染経路
ウイルスの感染経路は一般的には「飛沫感染」です。
- くしゃみやせきなどでウイルスが鼻やのどから外に飛び散る
- 飛び散ったウイルスを周りの人が吸い込んでうつる
夏風邪の場合、このほかに
「経口感染」もあります。
経口感染
ウイルスが手や食べ物を介して、口から感染することもあります。
夏風邪のウイルスは患者さんの便に排出されるので、トイレの後でよく手を洗わないと、ウィルスが手に付着、その手で食べ物をいじったりして感染します。
プール熱
最近は消毒が行き届いているので、プール熱にかかる子供は少なくなっていますが、以前はプールの水が汚染されて感染することもよくありました。
プール熱は治っても約1か月間は便にウイルスが排出されることがあるからです。
治療と予防
風邪は病原体であるウイルスに対して、直接作用する薬(抗ウイルス薬)は今のところないので、症状を抑える対処法が中心です。予防は手洗いの徹底が重要なポイント。
対処法
- 解熱剤: 高熱が続く場合(熱が出たからと、すぐに下げてはいけません)
- 鎮痛剤やせき止め: のどの痛みやせきがひどいとき
をのみ、症状を和らげます。
そのほか、安静にして体の防衛力で病気の回復を待ちます。
- 脱水症状を起こさないように水分を補給(特に子供は注意)
- 充分な栄養を摂る(バランスを考える、偏食を避ける、消化・吸収の良いもの)
- 充分な睡眠(エアコン、クーラーを上手に使う)
予防
夏風邪のウイルスの特徴は経口感染です。トイレの後や食事の前など、こまめに手を洗い清潔にしましょう。手をふくタオルもよく乾燥させた清潔なものを。
体を冷やしすぎると、呼吸器の抵抗力が低下するため、風邪ウイルスの感染が起こりやすいといわれています。設定温度や時間、直接体に当たらないように注意します。
日ごろから栄養バランスを考えた食事を、きちんととることも大切です。
夏風邪が原因で子供によく起こる病気
子供に起こるのがヘルパンギーナ、手足口病、無菌性髄膜炎。成人でも感染しますが、症状は年齢が進むにつれ、軽くなります。
ヘルパンギーナ
- 急に高熱が出る
- 口の中(特にのどの奥)に赤い発疹、次いで小さな水泡ができる
- 水泡がつぶれ、激しく痛む
1週間ぐらいで治ります。安静を保ち、十分な水分を与えて様子を見ます。
手足口病
- 発熱とともに、主に手や足に小さな水泡や赤い発疹が現れる
- 口の中にも赤い発疹が現れ、小さな水泡や潰瘍となる場合もある
1週間ぐらいで治ります。主に1~5歳の子供がかかりやすいですが、成人も感染し、皮膚症状が強く表れることもあります。
原因ウイルスはコクサッキーA群、エンテロウイルス71、エコーウイルスなど数種類あるので、再発もあります。毎年6~9月に流行り、2~3年ごとに大流行します。
無菌性髄膜炎
高熱、頭痛、吐き気、嘔吐が急に起こります。首の後ろが張って硬くなり、意識の低下やけいれんなどが起こることもあります。入院治療となります。
症状が似ている他の病気
初期の症状が風邪とよく似ている病気もあります。
アレルギーがあり呼吸器に慢性の病気が有ったり、ウイルス肝炎(A型肝炎)、尿路完成症、肺結核などの病気の可能性もあります。
症状が長引くときは病気を疑う
かぜの症状は、高熱が出ても2~3日で解熱します、下痢や嘔吐も日がたてば治まります。
症状がいつまでも続いたり、別の症状が現れたりしたときは、風邪ではないかもしれませんので、医療機関を受診しましょう。
高齢者はよく風邪をひくものですが、若い人に比べて症状が出にくいため、本人も家族も気づかない場合もあります。
しかし、きちんと治療を行わないと、肺炎などへ移行してしまうこともあるので、日ごろから予防を心がけ、少しでも普段と違ったことが有ったら、受診しましょう。
エンテロウイルス: 腸管内で増殖するウイルスの総称で、腸管ウイルスとも言う。子供の夏風邪の代表としてよく知られる手足口病、ヘルパンギーナを起こす。経口、あるいは糞口感染。
まとめ~夏風邪予防に体調管理
ひとの体は気象や気候に影響される生活リズムがあります。
しかし、エアコンなど人工的な環境で生活していると、本来のリズムが乱れ、体調を崩しやすい傾向にあります。
夏の体調管理には、十分注意し、しっかり栄養を取って夏風邪を予防しましょう。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ
※昨日の新人教育で言ってはいけない5つの言葉と管理職のマネジメント能力 について。
たくさんのブコメにびっくりしました。ありがとうございます。自分の書いた文章がどのように受け止められたのかを知ることは、ある意味楽しみでもあります。同じ文章を読んでも、捉え方は人それぞれ。批判や異議などはあって当然だと思っています。表現力不足や言葉足らずで、考えていること感じていることなどが、うまく表わせないことも多いのが反省点。その修正をしていくことが今後の課題です。ちょっぴり残念なのは、中身を読んでもらえたのかな、と思うこともあること…
このテーマについては、後日また触れたいと思っています。