お題に乗ってみて、一般的な娯楽、と言えばテレビ番組だったのは、考えてみればそれほど昔のことではないことに、ある意味驚きました。様々なジャンルで印象に残っている番組があるのですが、一番先に思い浮かんだのは人形劇三国志。あれは衝撃でした。架空の一兵卒として登場した、「紳々、竜々」も忘れられません。
衝撃の人形劇三国志
人形は、人形美術家、川本喜八郎さんが担当され、一体一体に魂を込めた思いが乗り移っているかのようです。表情、体の動き、間。すべてが限界まで研ぎ澄まされ、そして自然。
心の葛藤や喜びまでもが鮮明に伝わってきたのです。
声優ではなく俳優さんが一人何役もの声を担当したのも異色でした。そしてなによりも印象的だったのは、物語に登場した、紳々、竜々の二人の活躍(笑)です。
子供が楽しめる歴史書
当時はあまり歴史のことは知らず、三国志演義と言う原作も知りませんでした。NHKの人形劇で興味を持った、と言ってもよいくらいです。
毎日18時の放送を楽しみにしていたのを覚えています。当時としては大変珍しい1話45分の放映でした。大河ドラマと同じですね。
ストーリー展開
ストーリー展開は、子供が見ても楽しめるよう、とても分かりやすかったのも覚えています。
何よりも人形たちの表情が実に細やかで、衣装も目を見張るものばかり。何もかもが新鮮で毎回ドキドキの展開。
番組独自のオリジナルキャスト
人形劇三国志では、登場人物に番組独自のアレンジを加えて勧善微悪を強調しているため、性格や言動が異なっている場合もあります。
また、人形劇のために作られたオリジナルの登場人物が数人います。特に、司会、進行役も兼ねて登場した、紳々、竜々は絶妙でした。
それぞれが個性豊かで、ストーリーにいっそうの親しみや深みをもたらせ、多くの子どもたちに三国志、というお話に興味をもたらしたと思います。
しかし、演義とは大幅に異なることもあり、一部のファンからは物議もかもしたようです。
紳々、竜々がはまり役
紳々、竜々とは、吉本興業のお笑いコンビ、島田紳助・松本竜介(紳助・竜介)の分身です。お話の中では、一兵卒として様々な体験をしていくのですが…
番組開始時や、本編の合間には二人が登場し、進行、解説を務めました。画像だけを見ると、やせっぽちの変な若者二人、と言うイメージですが、なかなかどうして、この解説がまた面白いのです。※注釈あり
DVD、動画
DVDは全部で17巻。ほしいなあと思いつつも、簡単に出せる金額ではないので…買いました!という報告があったら、宝くじにあたったと思ってください(笑)あ、欲しいものリスト、という手もあるかしら。
ユーチューブに動画も幾つかアップされているようですが、いいんでしょうかネ。ちなみにNHKアーカイブ(下にリンクあり)では、ほんの30秒ですが、視聴することが出来ます。無料です。
人形劇三国志
1982年(昭和57年)10月2日から1984年(昭和59年)3月24日NHK 毎週土曜日18時~18時45分
2世紀末から3世紀の中国、漢王朝が衰退し、魏(ぎ)、呉(ご)、蜀(しょく)の三国が建国される時代の話。天下統一を目指す英雄たちの壮大なドラマを、人形が生き生きと演じ、本物の火や軍馬のシーンなどダイナミックな演出に挑んだ。原作は中国歴史文学の古典「三国志演義」。1982年~1984年(昭和57年~59年)、足かけ3年にわたって放送され、川本喜八郎の人形美術で児童福祉文化奨励賞、テレビ大賞を受賞。
出典: NHKアーカイブ
NHKの人形劇の歴史
NHKの人形劇は歴史をさかのぼると、当時の世相が見えてくるような気さえします。有名なのは「ひょっこりひょうたん島」ですね。
モデルとなった島は当許都の八丈島、岩手県の大船渡市の三貴島、宮城県石巻市の田代島など、色々な場所が言われています。
それだけ日本には、ひょうたん島によく似た島があるということですね。湘南の海にもひょうたん島(そっくりの島)が浮かんでいるのをご存じの方も少なくないのでは。
1956年~1964年 チロリン村とクルミの木
1964年~1969年 ひょっこりひょうたん島
1970年~1973年 ネコジャラ市の11人
1973年~1975年 新八犬伝
1975年~1977年 真田十勇士
1979年~1982年 プリンプリン物語
1982年~1984年 三国志
1993年~1995年 平家物語
2009年~2010年 新・三銃士
あなたはどのくらい知っていますか。
尚、使用された人形たちは、川本氏のご好意で長野県飯田市に寄贈され、同市の川本喜八郎人形美術館に展示されました。
出典: Wikipedia 作者Miyuki Meinaka
まとめ
人形劇三国志は、人形の魅力、展開の魅力、歴史の面白さを得た番組でした。もう一度、じっくりゆったり見てみたいです。
今見ると、多分当時とは違う見かたをするだろうな、という予想はありますね。どんな状況の時(年齢など)に見たかにより、受け止め方は違ってくるからです。
TOP画像出典: タウンニュース 逗子・葉山版 2014年6月6日号
「Anのひとりごと」~今日も1ページ
追記
川本喜八郎氏は渋谷区千駄ヶ谷の生まれ育ちです。渋谷ヒカリエにも人形ギャラリーがあり、「三国志」と「平家物語」の人形を30体から40体、テーマに応じて展示しています。
現在展示入れ替えのため9日(土曜日)まで休館、10日(日曜日)より展示内容が新しくなります。
開館時間 11時~19時
入場無料
渋谷ヒカリエ8F
※再放送などもされており、再々放送のリクエストも多かったようですが、渦中のS氏が全編に出演していますので、二度と再放送はない、と予想されます。大変クオリティの高い、優れた作品なので、当時見ることが出来なかった人たちに、是非見て欲しいのですが…
NHKオンデマンドでは見られるそうです。(契約していないので確認は出来ませんが)前述もしましたが、DVDという手もありますが、購入するしか無いのが悲しいです。なんとか再放送の道は無いものでしょうか。(追々記)