嫌な上司がいる場合、それが耐えられなくて「もう嫌だ」「看護師辞めたい」、と思いがちなのが新人ナース。嫌な上司を反面教師とし、目標とする上司から、自分自身の将来像を思い描くヒントを得るためには、どうすれば良いのか、考えてみましょう。
未来の自分像を考える~できるナースへの道しるべ
嫌な上司に悩み、「もう嫌だ!辞めたい」と思いがちなのは看護師にかぎりません。どんな職場にも、嫌な人はいるものです。
尊敬できる上司とは、あなたが「そう有りたい」、と思い描く看護師像であり、嫌な上司は「ああはなりたくない」と反面教師としての存在といえます。
上司が嫌な場合は、深刻な悩みになりがちですが、看護師としてのキャリアを考えた時、嫌な上司は反面教師としましょう。
目標とする上司と同じように、重要なヒントを与えてくれる存在であることに気づけば、辞めたい気持ちも消えていくはずです。
どんな上司が尊敬できるのか、嫌な上司はどんな特徴があるのかを考えてみると、未来の自分像を考えるヒントとなります。
嫌な上司は反面教師
こんな上司はイヤ!と思うことは日常茶飯事かもしれません。
しかし、反面教師として「人の振り見て我が振り直せ」です。同じようなことをしていないか、自分を振り返ってみることも大切。
あなたが先輩、上司の立場になった時に、嫌な上司にならないように、注意すべきヒントをもらっていると考えましょう。
だからあなたは嫌われる!
新人ナースのひそひそ話、嫌な上司の条件(笑)とは?書き出すときりがありませんので、抜粋を15ほど。共感する看護師さんも多いと思います。
あなたの職場にもいそうですね。
- 自分の失敗を新人のせいにする
- 機嫌が悪いと、必ず新人に八つ当たりする
- 感情でものを言う
- えこひいきする
- 偉くなることだけを考えている
- 問題に対しては、文句は言うが、対策はたてない
- 自分の利益のことしか考えない
- 打算的
- 患者さんのところに行かないので情報を把握できていない
- 人によって態度を変える
- 勉強をしない
- 余計なことはしたがらない
- 嫌われたくないので、言いにくいことを人に押し付ける
- 近づきにくいオーラを出している
- いばる
等など。自分が嫌だと思うことを他の人にしていないか、考えてみることも大切です。
尊敬できる上司とは、「なりたい自分像」
尊敬できる上司、目標とできる先輩を見つけることで、「上司や先輩たちのような看護師になるためには、自分は何をしたら良いのだろう?」と考えるはずです。
それを一つずつクリアしていくことで、少しずつキャリアを積み重ねていくことが出来ます。
尊敬できる上司、先輩像には大きく分けて3つの傾向があり、そのポイントは
- マネジメント能力
- 実務面
- 生き方・人間性
です。これは、あなたが自分自身のキャリアアップにむけて、力を入れるべきポイントの大まかなグループ分けであるとも言えます。
マネジメント能力
- 視野が広くリーダーシップがある
- スタッフに対する気配りがある
- 現場をよく見てくれている
- いざというときは医師とも戦う
- ものを言う・聞くのバランスが取れている
- 意志の強さ
現場とは少し距離をおきながらも、後輩や部下を見守り支えてくれる姿を尊敬したり、目標としたりします。
実務面
- 患者さんのために機敏に動く
- 看護観がしっかりしている
- いつでも冷静に対応できる
- 決断力、断る力
- 緊急対応能力
知識やスキル、経験を基盤とした日々の業務で、仕事の基本となる考え方が尊敬できる。
生き方・人間性
- 自分の夢の実現にむけて挑戦している
- いつも楽しそうで輝いている
- 前向きで元気
仕事や生活を含め、その人の生き様や人間性に共感し、尊敬する。こんな上司がそばにいれば、安心して働くことが出来ます。
できるナースになるために~キャリアプラン
目標を定めて、今自分が何をすれば良いか、その指針となり、未来の自分像を思い描くのに尊敬できる上司、嫌な上司は、良い意味でも悪い意味でもありがたい存在です。
できるナースになるためには、
- マネジメントスキルを伸ばす
- 実務スキルを伸ばす
- 人間的成長を重視
と言った自身の成長のために、力を入れるべきポイントを明確にすることが大切。
具体的な行動へ
身近な存在である上司から、キャリアを考える様々なヒントをもらい、目標を定め、どこに力を入れるかが見えてきたら、さらに資格の取得やセミナーへの参加、日常の看護業務での心がけなど、具体的な行動へと導くことが出来ます。
- 看護技術を高めてスペシャリストを目指す
- マネジメントスキルを磨いて管理職を目指す
- 医療スタッフや患者さんから信頼され、頼られる存在になる
など、看護師としての自分の方向性を考えることが、キャリアを考えることに繋がります。
その時気になる存在のひとつが「資格」でしょう。次項ではキャリアアップのための資格、その効果についてまとめました。
キャリアアップのためのステップ
世の中には多種多様な資格があります。ここではどんな資格があるのかではなく、資格が持つ3つの主な効果について考えてみましょう。
資格取得3つの効果
- 知識・スキルの習得
- 知識・技術の客観的な証明
- 経験値を体系的知識へ
知識・スキルの習得
資格を取得するためには、検定試験や認定試験が行われており、合格するためには、当然勉強しなければいけません。
また、講習会が実施されていたり、実習・レポートが課せられているものもあります。
これらのプロセスを行うことで得られた知識や技術が、日常業務にリンクしていると「仕事に役だった」と感じられることが少なくありません。
資格も重要ですが、途中経過である勉強にこそ価値があると言えます。
看護師の仕事は激務です。いつも忙しい。そんな中で資格取得の勉強は、要点をまとめた参考書や問題集が利用でき、試験の日程も決まっているので非常に便利な存在です。
合格するために勉強していたら、自然と仕事に必要な知識・スキルが身につく、それが資格の効果の一つです。
知識・技術の客観的な証明
看護師だけでなく、様々な仕事において経験年数は、「キャリア」を証明するために最も多く用いられます。
近年、より良い労働環境や条件を求めて、転職をする人も増えていますが、看護師は特に転職が多い職種です。転職をする際にどんなキャリアを持っているか、は重要なポイント。
「看護師歴8年」「救急外来3年勤務」と言った経験年数をキャリアとして証明することはできますが、それだけではその人が持っている、知識やスキルの量を計ることは出来ません。
資格は一つの客観的なものさしとなって、取得者の知識・スキルを証明してくれます。
認定を行う学会や団体が「専門家として一定の知識やスキルを持っている」と認めた証が資格だからです。
キャリアが豊富なほど、転職には有利に働く
人材紹介会社を利用して転職することもあるでしょう。その際必ずキャリアとして有利な勤務経験、資格の有無などを聞かれます。
応募者のキャリアが豊富で濃いほど、良い転職先を紹介できるからです。
直接希望する転職先に応募する際にも、当然キャリアは重要視されます。資格は客観的な判断資料として、待遇面の交渉でも有利になる可能性が高いです。
経験値を体系的知識へ
資格取得のための勉強には、直接看護師の仕事には必要ないのでは、と思えるような内容もありますが、資格取得のための勉強過程で、仕事で得る断片的な知識が整理され、体系的な知識を習得できるので、次のステップへと進むきっかけとなります。
日常業務で得る知識は、必ずしも体型だてられていません。ランダムに断片的に身に着けていくことが多い。そこには経験値もあります。
資格取得のための勉強では、これらを順序良く学べ、経験値を裏付ける研究結果などを知ることもあります。現場で得た知識を体系立てて学べるのは、不安や疑問を解消したり、仕事に対する自信にも繋がります。
資格取得には目的を持つこと
資格は多様な効果が期待できますが、忙しい中勉強して取った資格が、あまり役に経たなかった、という看護師も少なくありません。それは、目的を持って資格取得しなかったことが原因です。
何のために資格を取ろうとしたのか。そこがぶれているために、せっかく苦労して取得した資格も、ただの紙切れ同然となってしまっています。
- 将来役立ちそうだから
- 持っていれば給料アップなどに役立ちそう
と言った動機で取得して、「仕事には役立たなかった」というのは、仕事と資格の関連性を考えずに取得してしまったためです。
きっかけがなんであれ、
- どんな資格か
- どんな知識が得られるか
- その知識は仕事に必要か
をしっかり調べてから取得を目指すことが大切。
まとめ~嫌な上司は反面教師にしてキャリアアップ
どこにでも嫌な上司は存在します。看護師であれ、他の職種であれ、嫌な上司がいて仕事を辞めたいと思うことはよくあること。
そんな時は、嫌な上司のようにならないように、気をつければ良いのです。反面教師にして未来の自分像を描きます。尊敬できる上司、先輩の存在も重要です。
身近な存在である上司は、自分自身のキャリアを考える様々なヒントをあたえてくれます。目標を定め、どこに力を入れるかが見えてきたら、具体的な行動へと導く。
「仕事に必要な」資格の取得も一つの手段です。
未来の自分への道標には、転職という分かれ道が現れることもあるでしょう。それが目指すキャリアアップへのステップであるかも知れません。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ