ウオーキングは有酸素運動の代表。運動が苦手な人や、体力がない人なども、手軽に行うことができます。正しい姿勢で歩けば筋力を高めることも可能。より結果にコミットする、ウオーキングの正しい姿勢、若返りトレーニングとして、より効果が高い股関節歩行についてお伝えします。
正しいウオーキングの姿勢で筋力・脂肪燃焼力アップ
これまでウオーキングは20分~30分間以上続けなければ、効果は得られないと言われてきました。
最近では10分間ずつの細切れに行っても、同じくらいの効果が得られることがわかっています。しかし、意外とできていないのが正しい姿勢です。
短時間のウオーキングでも続けることが重要です。週1回の筋肉トレーニングよりも、毎日20分、正しい姿勢でウオーキングした方が効果的。
今回は、有酸素運動の中でも特に効果が高い若返りトレーニングとして、股関節歩行の正しい姿勢と、歩き方をご紹介します。
股関節歩行の歩き方
- 顎は軽くひき、目線は4~5m先
- 胸を張り、背筋を伸ばし、状態をまっすぐに保つ
- 肩は余分な力を抜きリラックス
- おしりや太ももの後ろ側がキュッと締める
- 足を踏み出した時は、空中でしっかりひざを曲げて進む
- 着地時はひざが伸びている
- かかとから着地し、つま先は前にあがっている
股関節歩行とは
普段より歩幅を広くとり、かかとから地面に着地する歩き方です。かかとで地面をキャッチするように意識すると、ひざは自然に真っすぐ伸びます。
脚を踏み出すときは、おしりや太ももの後ろ側の筋肉も使い、しっかりひざを持ち上げます。
自分に合った速度で歩く
スピードは自分に合わせて調節します。股関節歩行の効果を十分に得るには、自分の体力に合った速度で歩くことが重要。腕の曲げ伸ばしで速度を調節します。
- 余裕がある場合
肘を曲げてスピードアップ
肘を曲げて歩くと、自然に歩くスピードが早くなり、脂肪燃焼の効果も高まります - きついと感じたら
腕を伸ばしてスピードダウン
しばらく早く歩いてきついと感じた時は、急に止まらずに手を伸ばしてあるき、少しずつスピードを落としていきます
ひざ歩きはNG!
日本人に多い歩き方が、足の裏が地面についた時に、ひざが曲がっている「ひざ歩行」です。歩くたびに頭が上下し、背中が丸くなっています。ひざ歩行では
- 歩幅が狭く筋肉が正しく使われていない⇒脂肪燃焼する効果が低下
- 姿勢が崩れる⇒すぐに疲れてしまう
- 踏み出した時に、足が十分に上がっていない
- 背中が丸くなっている
- 地面に足をつけた時に、両足ともひざが曲がっている
ウオーキングで筋力を高められる部位
正しいウオーキングで使う、主な筋肉や腱を図示しました。体の多くの部位を鍛えることができます。
ウオーキングで使う主な筋肉
上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、背筋、腹筋、大臀筋、大腿二頭筋、大腿四頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋、アキレス腱、足裏の筋肉
安全、効果的に行うための6つのポイント
ストレッチやウオーキング、筋肉トレーニングなどをするときに、けがを予防し安全、効果的に行うための6つのポイントを確認します。
水分補給
水分補給は積極的に行うことが重要です。のどが渇いたと感じてから水を飲むのでは遅すぎます。
のどが渇いていなくても、こまめに水分を取ることが大切です。のどが渇いたと感じた時にはすでに血液はドロドロ。
この状態でのどが渇いて、一気に水分を補給すると、成分の薄い血液になります。
どちらにしても心臓に大きな負担をかけることになるので、水分不足にならないように一回の量は少なくても、こまめに水分を摂取しましょう。
反動をつけない
ストレッチや筋力トレーニングは、はずみや反動をつけないようにすることが重要です。
反動をつけると筋肉や靭帯、腱などが無理に引っ張られて痛めやすくなります。反動をつけず、ゆっくり行うようにしましょう。
呼吸を止めない
運動中に呼吸を止めてしまう人がいます。特に力を入れるときに歯を食いしばって、止めてしまうことが多い。
しかし、呼吸を止めると体に余分な力が入り、筋肉が硬くなるのでけがにつながることや、血圧が上がってしまうこともあります。
呼吸は自然に行うことが大切。運動中に呼吸を止めないように意識しましょう。まずはいてから吸うようにするとよいです。
無理をしない
それぞれのエクササイズにある運動回数は、あくまでも目安です。体力は個人差があり、運動するときの状態にも違いがあります。
無理をして回数通りにこなす必要はありません。自分ができる範囲に調節して行いましょう。
急に痛くなったり、痛みが強いときは、ストレッチや筋力トレーニングはしないこと。まず、医師の診察を受けてください。
運動に適切な服装
特別なウエアは必要ありませんが、動き安く、吸収性の高い素材のものを選びましょう。
汗をかいたままの服を着ていると、体を冷やして体調を崩してしまうことが有ります。汗をかいたらできるだけ早く着替えるようにしましょう。
スニーカーをはく
屋外はもちろんですが、屋内でトレーニングを行う時も、スニーカーを履きましょう。
できればウオーキング用、フィットネス用のシューズがベターです。衝撃を和らげたり、滑って転倒するのを防ぎます。
左右の足の大きさは違うので、大きいほうの足に合わせて選んでください。履いた時に足の指が動かせるくらい、つま先に余裕のあるものが良いでしょう。
強度を上げたい場合
ウオーキングも続けていくうちにだんだん慣れて、今までの時間や距離を楽にクリアできるようになります。
少しずつ強度を上げ、「ややきつい」と感じる程度まで歩く距離や時間、速さ上げていきましょう。
以前取り上げたスロージョギングや、インターバル速歩などもありますが、ここではジョギングを取り入れたトレーニング法をご紹介します。
- スロージョギング
- インターバル速歩
- ジョギングをサンドイッチ
ジョギングを挟み込む
いきなりジョギングを始めると、体に負担がかかります。
初めは、30分間を目安に「5分歩いたら1分ジョギング」を繰り返し、体が慣れてきたら4分に1分、さらに3分に1分というように徐々にウオーキングの時間を短くしていきます。
無理をせず、少しずつレベルアップしていくことが大切です。
また、ジョギングから急に足を止めると、体に負担がかかるので、少しずつスピードを落とし、最後は必ずウオーキングで終わらせます。
ウオーキングを続けるポイント
ウオーキングを辞めてしまう理由には、家事や仕事が忙しい、天気や日焼け、夜道の危険、人の目が気になる(肥満、メタボ)などたくさんあります。
折角始めた運動を楽しく、安全ン続けるためのコツや注意点をご紹介。
室内でその場ウオーキング
家の中で股関節歩行を行うのは、雨の日のウオーキングとして最適です、脚ふみは正しい股関節歩行で行ってください。
集合住宅などでは騒音として迷惑にならないように注意することも大切。
好きな音楽に合わせて行うとよいでしょう。アップテンポになったら肘を曲げてスピードアップ、といったように変化をつけると楽しく続けることができます。
1日10分
日ごろ歩く、という動作は無意識に行っています。これを正しい股関節歩行に変えるだけで、有酸素運動になります。
一日30分以上が目標ですが、毎日続けられるように、まずは10分、というように低く設定すると受け入れやすいです。
短い時間でも継続することで、ウオーキングのそう快感や体力アップが実感できるので、自然に時間を長くしていくことができます。
一つ手前の駅で降りる
通勤などでは、目的地の一つ手前でおりるようにすると、1回10分~15分くらいのウオーキングを行うことが可能です。
往復なら20分~30分。短時間のウオーキングでも積み重ねれば体力が付きます。まとまった時間はなかなか取れなくても、細切れの時間をうまく使います。
早く行動を始めないと、決められた時間に到着できません。時間に余裕を持って行動するようになる、という利点も得られます。
できるだけ歩く
買い物に行くときは、できるだけ歩くようにします。
駅やビルでは極力階段を使うなど、日常生活のなかで歩く習慣を身に付けることも大切です。
ウオーキング5つのポイント
繰り返しもありますが、ウオーキングのポイントを再掲。
- ウオーミングアップとクールダウン
- こまめな水分補給
- 空腹のときは避ける
- ややきついくらいが適度な速度
- 脚に合ったウオーキングシューズ
体のためには、運動の前後には必ずストレッチを行います。体の変化を見るために、定期的な体力テストを行い記録します。
結果が出て楽しく続けられたり、改善点がみつかったりするのでノートなどに記録することをお勧め。
ウオーキングの前と後にすること3つ
ウオーミングアップのストレッチ
体力テストを行い記録する(定期的に)
- クールダウンのストレッチ
ウオーキングに限らず、体を使う運動などをする前には、必ずウオーミングアップを行うことが大切。
できれば定期的に体力テストも行って、記録をつけるのが理想的です。運動などを終えた後は、クールダウンで呼吸や脈拍、血圧が自然に下るようにして、疲労回復を促します。
体力テストの結果記録が多くなると、自分の体の変化がよく分かるようになり、モチベーションアップや、運動の内容や生活の見直しのポイントも見えてきます。
過去の自分と現在に自分を比較することができ、また、気になる変化を見逃さないことで、病気の予防にも。
運動の3つの心構え
体力がない、運動が苦手。こんなアラフォーに運動の心構えを3つ伝授します。
- 他人と比較しない
- 体重より、体脂肪のチェック
- 継続は力
他人と比較しない
特にメタボな人にありがちですが、自分の体形や運動能力を他人と比べてはいけません。
他人と比べて、いきなり長時間の運動や、負荷の強い運動を始めたり、目標を高く設定するとからだを痛めてしまうことが有ります。
自分の体力を知り、日ごろあまり運動をしていない人は、少しずつ体を慣らしながら、運動量を増やしていきます。
あなたが比べる相手は、過去の自分。過去の自分よりも健康的になることを目標にします。
体重よりも体脂肪のチェックを
太っている、というのは体重が重いか軽いかと言う問題ではありません。体にたまってついた体脂肪が多すぎないか、そうでないかで判断します。
運動で筋肉の量が増えると、体が引き締まっても体重が増えることもあります。体重の変化よりも、体脂肪をチェックすることも大切です。
継続は力なり
運動をすれば、結果は必ずついてきます。しかし、多くの人が途中でやめてしまい結果を残せません。
継続することが肝心です。以前は続けて30分間以上有酸素運動をしないと、効果が得られないといわれていましたが、最近では、1回10分程度の有酸素運動でも、積み重ねることで効果が得られることがわかってきました。
細切れの時間でもよいので、無理なく楽しく続けることを目標にします。
まとめ~正しい姿勢で若返り
肥満の人や運動が苦手、体力がないアラフォーでも、手軽にできる有酸素運動がウオーキング。
正しい姿勢で行うことで様々な筋肉を鍛え、脂肪燃焼でダイエットの効果も期待できます。
正しい姿勢を確認し、運動の心構えを心して理想のボディを手に入れましょう。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ