乳酸菌やビフィズス菌が善玉菌を増やし、免疫力をアップ、腸内環境を整える力があることは良く知られています。乳酸菌、ビフィズス菌と言えばヨーグルト。ヨーグルトが免疫力をアップするメカニズムや効果、一日の摂取量などについてお伝えします。
ヨーグルトの効果
ヨーグルトに含まれる乳糖や乳酸菌が腸の善玉菌を効果的に増やし、腸内環境を整えて便秘の解消、免疫力のアップなど、全身の健康に働きます。
腸内細菌、善玉菌と悪玉菌のバランスは離乳期以降ほぼ一定ですが、老年期以降は善玉菌の数が急激に減少し、悪玉菌の数が大幅に増えて来ます。食生活の乱れも悪玉菌を増やす原因。
腸の善玉菌を増やし、悪玉菌の活動を抑えることが健康を維持するためには大切です。ヨーグルトは腸の善玉菌を増やすために、優れた働きをしてくれます。
ビフィズス菌や乳酸菌は腸の活性化に効果がある機能性食品、プロバイオティクスの一つです。
ヨーグルトの食べ方のポイント
善玉菌を増やしてその状態を維持していくには、毎日200g以上のヨーグルトを食べ続ける必要があります。食べ慣れない人は無理をせず、まず、少しずつ食べ始めます。
ヨーグルト大好き!な人でも、毎日200gとなると食べ方を工夫して楽しく食べると良いですね。他の食材と組み合わせるとより効果を得ることが可能です。
市販のヨーグルトは様々なタイプがあります。糖分のとりすぎを防ぐためできるだけ無糖のプレーンタイプを選びましょう。脂肪分のとりすぎが気になる場合は、低脂肪ヨーグルトがオススメです。
最近では腸内環境を整えるだけでなく、免疫力アップなど様々な機能性ヨーグルトも販売されています。どの機能がほしいのかを考えて、自分の状況や腸にあったヨーグルトを選び、上手に利用しましょう。
ヨーグルトの食べ方2つのポイント
- 毎日200g食べる
- 他の食材と組み合わせる
他の食材と組み合わせる
ヨーグルトだけで食べるのではなく、オリゴ糖、抗酸化物質、食物繊維を含んだ食材を組み合わせると、善玉菌を増やす効果が更に高まります。これら善玉菌のエサになリ活性化させる物質をプレバイオティクスと言います。
味や食感の変化もつけられるので色々楽しめ、毎日200gを続けるのも苦にならないと思います。
ヨーグルトには良質の動物性タンパク質、カルシウムを始め様々な栄養素が含まれているのですが、残念なことにビタミンCが不足していますので、ビタミンCを含む食品をプラスしましょう。
オリゴ糖
- オリゴ糖は乳糖と同じく胃や小腸で消化、吸収されずに大腸に届き、善玉菌のエサになります。
- ヨーグルトと一緒に摂ると善玉菌の増殖がより活発になります。
抗酸化物質
- 活性酸素の害を防いでくれる「抗酸化物質」は、老化防止、動脈硬化の予防などの効果が知られています。
- 最近の研究により、腸の悪玉菌の活動を抑える働きがあることもわかってきました。
- ヨーグルトと一緒に摂ることで悪玉菌の活動が抑えられ、善玉菌が増殖しやすくなります。
食物繊維
- ヨーグルトを食べると善玉菌は乳糖を、悪玉菌は動物性たんぱく質をエサにして増殖しますが、増殖のスピードは同じではありません。
- 悪玉菌の増殖のスピードは善玉菌よりずっと遅いのです。
- 腸のぜん動運動を活発にして、排便を促す働きのある食物繊維を一緒に摂ると、悪玉菌が増殖しないうちにたんぱく質を体外へ排出してくれるので、善玉菌が増殖しやすくなります。
ヨーグルトで免疫力アップのメカニズム
大腸には健康の維持や向上に役立つ「善玉菌」、悪影響を及ぼす「悪玉菌」が絶えず勢力争いをしています。そして、その時優勢な方に傾く「日和見菌」も住み着いています。
ヨーグルトを食べると
- 「乳糖」が善玉菌のえさになり、善玉菌が増える
- 「乳酸菌」が腸をキレイにする
と言う2つの効果が得られます。
善玉菌が増え、悪玉菌の勢力が抑え込まれると、腸の中がきれいになり、この状態を維持することで腸だけでなく全身の健康につながります。
免疫力アップの仕組み
腸には病原菌などが腸壁から侵入するのを防ぐために、免疫細胞が集まっています。善玉菌には免疫機能を高める物質があり、これが腸の免疫細胞に取り込まれた刺激で、免疫細胞の働きが活性化します。
活性化した免疫細胞はリンパ管や血管に入って全身をめぐり、肺に運ばれた免疫細胞は風邪などの感染を防ぐ働きを、腸に戻ってきた免疫細胞は朝刊感染を防ぎます。
また、ある種の免疫細胞は、がん細胞を殺す働きもします。
ヨーグルトの2つの効果
乳糖がえさになる 善玉菌も生き物です。増えるためにはえさとなるものが必要ですが、善玉菌の好物の一つがヨーグルトに含まれる「乳糖」という糖です。ヨーグルトを食べると乳糖を餌にして善玉菌が仲間を増やします。
悪玉菌の活動が抑え込まれる
乳糖を食べた善玉菌は、乳酸や酢酸などの酸を作り出し、腸内が酸性になります。悪玉菌は酸に弱いので活動が抑え込まれます。
乳酸菌が腸を刺激
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の殆どは腸に定着しませんが、乳酸菌に含まれる酵素が腸を通過する際に、糖分を分解して酸を作ります。
この酸が腸を刺激しぜん動運動を促して、便通を良くします。
死んだ乳酸菌の働き
乳酸菌の中には腸に届く前に死んでしまうものもありますが、死んだ乳酸菌もムダではありません。免疫力を高めたり、食べ物に含まれている有害物質や悪玉菌によって作られた有害物質を吸着し、便として体外へ排出してくれます。
乳糖と乳酸菌の働きで善玉菌が増え、悪玉菌の力が抑え込まれると、腸の中がキレイになります。この状態を維持することが腸だけでなく、全身の健康につながります。
便の色でわかる腸の健康
腸の健康は、便でわかります。前述のように食べ物に含まれる有害物質や悪玉菌によって作られた有害物質は、乳酸菌が吸着して便として排出されるからです。
便の色をチェック
- 善玉菌が多い便の色 黄色っぽくほとんど臭わない
- 悪玉菌が多い便の色 黒ずんだ褐色の便で悪臭が強い
便は腸の働きを映し出す鏡です。排便の際は、便の形状だけでなく色にも注意して健康のバロメーターにしましょう。
腸の善玉菌を増やすのに優れた働きをするのがヨーグルトです。ヨーグルトに含まれる「乳糖」や「乳酸菌」が腸の健康を保つのに重要な役目を果たしています。
悪玉菌が多い便でも、積極的にヨーグルトを摂るなど食生活を改善すると、個人差はありますが大体2週間ほどで善玉菌が増え、健康的な便になります。
腸内細菌
大腸にはビフィズス菌に代表される「善玉菌」、大腸菌、腸球菌、ウェルシュ菌に代表される「悪玉菌」などの腸内細菌が住み着いています。
善玉菌は「腸の調子を整える」「免疫力を高める」など健康に役立つ働きをしますが、悪玉菌は細菌毒素を作ったり、タンパク質を分解してアンモニア、アミン、酸化水素などの有害物質を作り出したりします。有害物質が
- 下痢や腸炎を引き起こす
- がんの発生に関係する
- 老化を促進する
など、腸だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼします。善玉菌が多く腸が健康なら便秘に悩まされることはありません。また免疫力がアップするので、ガンの予防にもつながります。
最近の研究で
- 血液中のコレステロールを減らす
- アレルギーを予防する
と言った効果があることもわかってきました。
ヨーグルトで善玉菌を増やし、腸内環境を整えて全身の健康を維持しましょう。
便秘や下痢、おなら、ダイエットなどのお悩みに
善玉菌、悪玉菌、日和見菌、腸内環境に着いてなど、過去エントリーのまとめです。
▶便秘の解消方法や、腸内フローラの改善~腸の健康振り返り
上記以後に投稿したエントリ
▶50歳から増える男の便秘~臭いおなら、口臭、体臭、不調の要因
▶便秘すぎる生活習慣を見直す!自分でできる慢性便秘解消法
まとめ~乳酸菌のちからで免疫力アップ
腸の善玉菌を確実に増やすために、ヨーグルトの乳糖、乳酸菌のちからで善玉菌を増やし、免疫力をアップ!毎日200g、工夫して楽しく続けましょう。
以下の記事で機能性ヨーグルト、乳酸菌サプリ57種類をご紹介しています。選び方のご参考にどうぞ。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ
ちなみに今日は「乳酸菌の日」(にゅう(2)さん(3)きん)だそうです。