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お薬カレンダーと高齢者~薬の副作用の予防は100均グッズで!

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高齢者はいろいろな病気を抱えることが多くなり、服用する薬の種類や量が多くなりがちです。それとともに気になるのが副作用。高齢になればなるほど、副作用の頻度が多くなるという報告があります。

高齢者の薬の副作用を予防するために必要なことはまず、高齢者に副作用が起こりやすい理由を理解すること。その上で本人や周囲の人ができる工夫などを具体的にお伝えします。

薬の副作用の予防と、高齢者に副作用が多い理由

高齢者特有の3つの理由を踏まえ、副作用を予防するための工夫にはどんなものがあるのかを、考えて行きましょう。

高齢者の薬の副作用を予防するためには、家族など周囲の力も必要です。特に認知症の症状がある場合は周りの力は欠かせません。

 

薬の副作用を予防する工夫

薬による副作用を予防するには、

  • 飲み忘れや飲み間違いを防ぐために道具を用いる
  • 体調の変化などを記録する

と言った工夫が効果的です。いつもと違う点や気になることがあった場合は、すぐに医師や薬剤師に相談することも大切。

道具を用いて飲み忘れ、飲み間違いを防ぐ

薬は種類ではなく1回に飲む分を、一つの袋やケースにまとめておくと、飲み忘れ、飲み間違いを防ぎやすい。薬局でも有料ですが分包してもらうことができます。

市販のお薬カレンダーなどを利用して、1回に飲む薬を整理するのも良いでしょう。高齢者世帯、独居でも、家族や訪問看護師などが、予め飲むタイミングごとに薬を準備しておくことが可能です。

お薬カレンダー

通販では1000円~2000円前後ですが、廉価なものを売っている調剤薬局もあるし、100均でも売っています(いつもあるとは限らないのがネックです)1週間タイプや1か月タイプなどがあります。壁にかけるタイプが多いですが、テーブルに置くケースタイプもあります。

曜日ごと、飲むタイミングごとのポケットに薬を分けて入れておきますが、本人や家族、訪問看護師が準備しておけるので飲み忘れ、飲み間違いを予防しやすくなります。

そもそもお薬カレンダーは独居老人や、家族が事情があってつきっきりでいられない要介護者が、飲み忘れや飲み間違いをせずに、きちんと服用できるようにするために考えだされたものです。

認知症の進行を抑える

高齢になると認知症の症状が現れるので、薬の飲み忘れ、飲み間違いの予防は特に注意が必要です。家族がいても、お薬カレンダーは認知症の進行を抑える効果が期待されます。薬を飲むタイミングに水を持って行き、薬は本人に取り出してもらう、すると、例えば今日は「月曜日のお昼」、という時間の確認ができます。

認知症の人は曜日や1週間のサイクルがわからなくなったり、朝昼晩の感覚がわからなくなることもある。お薬カレンダーから該当の薬を取り出すことで、「今」を確認しているというわけです。

また、薬を取り出すときにその日のことや天気など、なんでも良いですが声をかけ、会話を引き出すのも、認知症の進行を遅らせるのに良いのではないでしょうか。

体調の変化などを記録する

薬を飲み始めてすぐに副作用が現れるとは限りません。常に体調の変化に注意することが大切。薬を飲んで何か異常があった時は、必ずメモをしておきましょう。簡単な「薬日記」がおすすめ。

  • いつもと違うな、と言った変化に気付きやすい
  • 医師に状況を詳しく伝えやすい

というメリットがあります。

  • どの薬で
  • いつ
  • どこに
  • どのような

症状が現れたかなど細かくメモをして、それを持って医師や薬剤師に相談します。電話でも相談はできると思います。

休日、夜間など連絡が取れない場合も想定して、薬を処方された時は注意すべき副作用と、副作用が疑われる症状が起きた場合、すぐに薬の服用を辞めたほうが良いのかどうかなど、副作用の対処法も、予め確認しておくと安心です。

 

高齢者に副作用が多い理由

加齢とともに、からだのあちこちに不調が起きたり、何らかの病気をかかえることが多い。その結果、どうしても薬を使用する機会も増えてきます。高齢者への投薬の多さが社会問題にもなり、以前のように大量の薬を抱え込んでいる高齢者は、減ってきてはいますが、なお、多くの種類の薬を服用しているのが現状でしょう。

高齢者に薬の副作用が出やすいのには、次の3つの高齢者特有の理由があります。

  • 薬の種類が増える
  • 薬の飲み忘れ、飲み間違いが増える
  • 肝臓や腎臓の機能が低下

それぞれについて、少し詳しく説明しましょう。

薬の種類が増える

高齢になればなるほど、普段使用する薬の種類が増えます。75歳以上では7種類以上も服用している人も多い(厚生労働省の資料(平成21年度)によると、20%以上にもなる)。単独でも副作用が現れることもある薬ですが、何種類もの薬を飲んでいると、飲み合わせによる副作用が現れやすくなります。

  • のどのかわき
  • 尿の出にくさ
  • めまい
  • ふらつき
  • 眠気

などの症状がよく表れやすい副作用です。

適切な処方で、医師の指示通りに服用していれば、重大な副作用が起こることはまれですが、十分注意することが重要です。特に高齢者では、めまい、ふらつきから転倒して骨折し、それがきっかけで寝たきりになることも少なくないので、注意が必要です。

飲み合わせの例

  • 風邪薬と抗うつ薬、抗不整脈薬などの組み合わせ  のどの渇きや尿の出にくさ
  • 降圧薬と抗うつ薬、抗精神病薬の飲み合わせ    めまい、ふらつき
  • 抗ヒスタミン薬と抗菌薬、風邪薬         眠気

眠気は風邪薬などでよく起こりますが、自動車を運転するときなど、特に注意してください。

肝臓や腎臓の機能が低下

高齢者は肝臓や腎臓の機能が低下しています。

小腸から吸収された薬は肝臓に運ばれ、一部は分解されますが、残りは血流にのり全身を巡ります。薬によっては腎臓に入ってそのまま尿中に排泄される場合もあります。

加齢で肝臓の薬を分解する力が低下したり、腎臓から薬を排出する力が落ちていたりします。その結果薬の成分が体内に残りやすく、薬の効果が長く続いてしまうことで副作用が現れやすくなります。

体調の変化に注意して薬の量を調整

高齢者に処方される薬の量は、肝臓や腎臓の機能低下を考慮し、もともと若い人よりも少なめに調整されています。しかし、個人差が大きいので、量が多すぎて副作用が現れることもあります。

新しい薬を飲み始めた時は、体調の変化に注意することが大切。現れやすい副作用について、医師からよく説明を受けておいて、その症状が現れた時や、いつもと様子が違う、ぶつぶつができたなど、気になる体調の変化があったときは、詳細をメモしておき、すぐ医師に相談します。家族など周囲の人が気を配ることも重要です。

飲み忘れや飲み間違い

薬の飲み方にはいろいろあるし、似たような薬も多いので飲み方を間違えたり、薬の飲み間違いも少なくありません。高齢になり薬の種類が増えてくると、なおさらそれぞれの用法を覚えきれず、飲み忘れや飲み間違いの危険が高くなります。

指示通りに薬を使用できないと、効果を得にくかったり、副作用が現れやすくなったりします。高齢者には、特に飲み忘れ、飲み間違いを防ぐ工夫が必要です。

予防には記録やお薬カレンダー

予防には体調の変化を記録して、医師や薬剤師に相談することが効果的です。本人が変化に気づかなかったり、記録を忘れたりすることも少なくありません。

同居の家族がいる場合は、家族が気を配り手助けしましょう。お薬カレンダーの活用は、認知症の進行を抑えることにも効果が期待できるので、是非取り入れて欲しいです。

 

まとめ

高齢になると薬の種類が増えがち。飲み忘れ、飲み間違いも多くなります。それとともに副作用のリスクも高くなる。薬を飲んだ時の体調の変化をメモしたり、お薬カレンダーの活用で、副作用を予防し、治療を効果的に!

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