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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

本当は怖い歯周病からの病気~歯周病菌が関係する病気はこれだ!

health health-予防・治療 health-予防・治療-目・耳・口腔など

進行すると歯を失うこともある歯周病、歯周病自体は生命に関わる病気ではありませんが、歯周病からの病気には、日本人の死因上位に含まれる病気との関係が指摘されています。予防のためにも、歯周病と他の病気との関係について知っておきましょう。

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歯周病は全身の病気に関係する怖い病気

歯周病は進行すると歯を失う怖い病気ですが、予防することは可能です。しかし、本当に怖いのは、歯周病菌が炎症を起こした歯周組織から血管に入り、血流に乗って全身に運ばれることです。

歯周病菌が作る物質や、炎症に伴って増加する炎症性物質も、一緒に全身に運ばれます。唾液に混じった歯周病菌が、誤って肺に運ばれることもあります。これらの結果、体の様々な部位やその働きに、影響を及ぼす危険性が高まるのです。

 

歯周病の影響

多くの感染症は一時的に起こりますが、歯周病に関しては、適切な治療が行われないままに長年放置され、炎症が慢性化していることも少なくありません。

そのため歯周病菌や炎症性物質が長期に渡り全身に運ばれ続けています。じわじわと全身に悪影響が起こっていくと考えられます。

歯周病からの病気

歯周病からの病気には、

  • 口腔がん
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 肺炎
  • 糖尿病
  • 早産・低体重児出産

などがあります。

がん、脳卒中、心筋梗塞、肺炎は日本人の死因の上位4疾患です。歯周病自体は生命に関わることはありませんが、歯周病を適切な治療をせずに長く患うことは、こういった重大な病気のリスクを高めていると言って良いでしょう。

口腔がん

口腔がんとは、歯肉や舌など口の中に発生するがんです。歯周病菌が作る物質により起こりやすくなると考えられています。

  • 進行した虫歯をそのままにしている
  • 合わない入れ歯を無理して使っていて舌や頬を傷つけている
  • 口の中が歯垢や歯石で汚れていたりする

などがあると口腔がんが発生しやすくなります。虫歯などの痛みがなくても、かかりつけの歯科医を持ち、定期的に受診することが早期発見、予防につながります。

歯周病が進行すると口腔がんが大幅に増加、口腔ケアで口の中を清潔に保つと口腔がんの発生率が下がった、という報告もあります。

誤嚥性肺炎

飲食物や唾液が誤って気管は入ってし合うことを誤嚥と言います。誤嚥した飲食物や唾液の中の細菌が、気管から肺に入って起こる肺炎を「誤嚥性肺炎」と言いますが、高齢者に多く起こり、歯周病があると歯周病菌による肺炎が起こりやすくなります。

高齢者は脳卒中の後遺症や加齢などで、飲み込む働きが低下していることが多く、誤嚥が起こりやすいのです。誤嚥性肺炎を防ぐために、口腔ケアを行うことが大事です。

口腔ケアで老人の肺炎予防

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実際に口腔ケアを実施した人たちと、口 腔ケアを実施しなかった人たちを比べると、 肺炎の発生率はおよそ40%減少させる効果がありました。
出典:歯とお口の健康小冊子 始めよう口腔ケア8020推進財団

脳卒中と心筋梗塞

血流に乗って運ばれた歯周病菌が血管壁に付着すると、動脈硬化の進行に関与するのではないかと考えられています。血管壁にコレステロールなどが溜まるのが、動脈硬化ですが、ある調査では、動脈硬化が起こった部位から、歯周病菌のDNAが発見されています。

動脈硬化が進行すると、血流が滞ったり、血栓ができて血管が塞がったりすることがあります。動脈硬化が心臓の血管で進行すると心筋梗塞、脳の血管で進行すると脳梗塞が起こりやすくなります。

糖尿病

糖尿病は、血液中のぶどう糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。血糖をコントロールしているのがインスリンというホルモン。

歯周病で増加した炎症性物質がインスリンの働きを低下させて、糖尿病を悪化させると考えられます。一方、糖尿病で血糖のコントロールが不十分になって血糖値が上がると、血流が悪くなり免疫力が低下します。その結果歯周病菌の増殖が盛んになり、歯周病が悪化します。

歯周病と糖尿病は密接な相互関係にあり、一方の改善がもう一方に良い影響を与えることが報告されています。歯周炎をコントロールすることで糖尿病のコントロールも改善する可能性が示唆されています。

糖尿病と歯周病の医科歯科連携

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愛知学院大学 短期大学部 歯科衛生学科 稲垣 幸司

出典:歯周病と全身の状態 糖尿病と歯周病の双方向性 e-ヘルスネット 厚生労働省

早産・低体重児出産

妊婦さんは口腔ケアを十分に行ってください。歯周病は妊娠、出産にも影響を与えるからです。歯周病により増加した炎症性物質には、子宮を収縮させて陣痛を促す作用があります。そのため、歯周病があると、早産・低体重児出産が起こりやすくなると考えられています。

また、歯周病菌の中には、女性ホルモンによって活発に増殖する種類のものがあり、思春期や妊娠中など女性ホルモンが増加する時期に、歯周病が悪化しやすいと言われています。

女性は、このような歯周病と女性ホルモンの関係についても、ぜひ知っておいてください。特に妊娠の可能性や出産の予定がある人は、歯科を受診し、歯周病のチェックを受けましょう。

歯周病の原因物質、歯垢(プラーク)

歯周病は代表的な生活習慣病です。甘いものを良く食べたり、頻繁な間食と言った良くない食生活、喫煙、飲酒、磨き残しなどの生活習慣があると歯周病菌が増殖しやすくなります。

歯周病は正しい方法で歯磨きしていれば、防ぐことは可能です。

磨き残しがあったり砂糖を過剰に摂取したりすると、口の中の常在菌(およそ300~500種類)がネバネバした物質、歯垢(プラーク)を作り出します。

歯垢の中には多くの細菌が住み着いていて、虫歯や歯周病の原因となります。中でも特異的に存在している歯周病菌が歯肉に炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かし、歯を失う原因となります。

プラークを取り除き、歯周病を予防する正しい歯磨きの仕方は過去エントリー「磨き残しをなくしプラークを取り除く!正しい歯磨きの方法教えます」を御覧ください。

www.nurse-diaries.com

参考: 歯周病とは? - JACP 日本臨床歯周病学会

 

まとめ

歯周病からの病気は、進行すると生命を脅かすものもあります。歯周病は長く放置されていることも多く、それだけ重大な病気のリスクを高めているともいえます。

不規則、バランスの悪い食習慣や、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣を見直し、正しい方法できちんと歯磨きをすることが歯周病の予防、ひいては重大な病気のリスクを減らすことにつながります。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ