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プラーク除去、歯医者にいく歯周ボーダーラインと歯周ポケットの深さ

気づかないうちに進行する歯周病。歯の周りに付着したプラーク(歯垢)が起こす炎症が原因です。プラークの除去は歯周ポケットが深くなると歯磨きではできません。歯医者に行かなければ取れない、歯周のボーダーラインについてお伝えします。

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歯周のボーダーライン

歯周病の治療は、プラーク(歯垢)*の除去が基本です。プラークを放置していると2日間程度で石灰化が始まり、硬い「歯石」になります。歯石になってしまうと歯磨きをしても取り除くことは出来ません。

プラークのうちに歯磨きで除去することが大切ですが、たまった場所によっては取り除けないこともあります。歯磨きでプラークを除去できるか出来ないかの境目(歯のエナメル質とセメント質の境目)を、歯周のボーダーラインとよんでいます。

*プラーク(歯垢):口の中に住んでいる、生きている細菌が集まって出来た塊

 

プラークの除去

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プラークの付着が歯周のボーダーラインの上であれば、歯磨きで除去することは可能です。しかし、歯周ポケットが出来て、ラインから下に入り込んでいる場合は歯磨きでは取れません。

ポケットにプラークが入り込まないよう、毎日歯磨きを行い、ボーダーラインから上のプラークが、ボーダーラインを超えないようにすることが重要です。

ボーダーラインを超えてしまった場合は、歯医者さんでの治療が必要になります。

プラークを除去する歯科治療

歯科では、歯周ポケットに入り込んだプラークと歯石を、スケーラーと言う器具を使って書き出します。スケーラーは細い金属製で先端が曲がっていて、硬い歯石も取り除くことが出来ます。

歯周ポケットの深さとフラップ手術

歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、スケーラーでは届かなくなります。そこで歯周ポケットの深さが4mm以上になると「フラップ手術」という外科手術を行います。

  • 歯肉を切開し、歯と骨から歯肉を剥がす
  • プラークと歯石を除去
  • 歯肉を戻し、縫い合わせる

手術は局所麻酔をかけて行われるので、痛みは殆どありません。手術に要する時間は1時間ほど、手術後2時間ほどたつと、麻酔が切れるので食事を摂ることが出来ます。

定期的に歯肉の状態をチェック

スケーラーによる治療や、フラップ手術でプラークを取り除いても、食事をすればプラークはたまります。治療後も3~4ヶ月に1回、少なくとも半年に1回は歯科を受診して、歯肉の状態をチェックしてもらいましょう。

再生医療

歯槽骨を含め、歯周組織を再生させる「再生療法」も行われるようになってきています。フラップ手術と同じ方法でプラークと歯石を除去し、歯周組織の再生を促すタンパク質を塗って歯肉を縫い合わせます。

再生を促すタンパク質としては、主にエナメルマトリックスタンパク(EMD)が使われています。EMDは歯根膜の細胞を増殖させ、その細胞がセメント質や歯槽骨の細胞に変化して歯周組織が再生されます。

参考:エナメルマトリックスタンパク(EMD)を用いた歯周外科治療 滝口 尚,山本 松男
昭和大学歯学部歯周病学講座(2011年11月21日受理)
//www.jstage.jst.go.jp/article/dentalmedres/32/1/32_33/_pdf

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歯周病とは

歯周病は歯の病気ではなく歯周組織(歯の周りの組織)の病気です。

  • 歯肉(歯ぐき)
  • セメント質(歯根の周囲)
  • 歯槽骨(歯を支える骨)
  • 歯根膜(歯と歯槽骨をつなぐ)

の4つからなります。

初めに歯肉が炎症を起こし、その後歯肉以外にも炎症が起こり、長い時間をかけて歯周組織が徐々に壊されていきます。

炎症の原因はプラーク(歯垢)

歯と歯肉の境目あたりに付着したプラーク(歯垢)が歯肉に炎症を起こします。歯肉炎です。すると歯と歯肉の間の溝(歯内溝)が深くなってポケットが出来ます。

このポケットの中にプラークがたまるようになると、歯槽骨など歯肉以外の歯周組織に炎症が及び(歯周炎)、包囲するとポケットは「歯周(真性)ポケット」になり、深くなっていくので、プラークが更に奥に入り込みます。

徐々に歯槽骨が溶け出し、歯がぐらつくようになり抜けてしまうこともあります。

セルフチェックをしてみよう

歯周病の初期は、自覚症状が現れにくいので、気づかないうちに進行しやすいと言う特徴があります。「静かなる病気」と言われる所以です。多くの人に歯周病が起こる背景には、自覚症状が現れにくい、ということがあると考えられます。

日頃から、歯肉の色、腫れ、出血などの状態や、朝起きたときの口の状態などに気をつけることが大切です。

歯肉に炎症が起こると、歯肉の色が変化したり、腫れや出血が起こったりします。また、寝ている間に歯周病院が増殖して、口の中がネバネバすることもあります。以下のセルフチェックで、確認してみましょう。

一つでも当てはまる場合は、歯科を受診して歯周病かどうかを確認、必要に応じて治療を受けることが大切です。

□ 歯ぐきが赤色や紫色になっている

□ 歯ぐきがむず痒い、歯が浮く感じがする

□ 歯磨きで出血する

□ 起きた時、口の中がネバネバする

□ 歯ぐきが赤く腫れ、ぶよぶよしている

▶一つでもあてはまれば、歯周病の可能性があります。歯科を受診しましょう。

□ 何もしなくても歯ぐきから出血する

□ 歯がぐらついて、物が噛めない

□ 冷たい水がしみる

▶1つでも当てはまれば、進行した歯周病の可能性があります。すぐに歯科を受診して治療を受けましょう。

 

まとめ

本当は怖い歯周病からの病気でもお伝えしましたが、気づかないうちに進行しやすい歯周病。健康で長生きするためには、歯と口腔の健康は大切です。美味しいものを食べられる喜びのためにも、プラークコントロールをしっかりすることが大事。

虫歯や歯ぐきの以上などがなくても、定期的に歯科を受診しプラークや歯石の除去をしてもらうことをお勧めします。

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