添加物は害があるものというイメージが強く、「無添加」をうたっている商品も少なくありません。しかしサプリメントは添加物を使わずに作ることはできません。サプリメントと添加物について知ることも大切です。

サプリメントと添加物
サプリメントを作る際、賦形剤(ふけいざい)と言って機械に粉が詰まるのを防ぐ、均一に混ぜる、固めるなどのための添加物や、カプセルの原料となる添加物が最低限必要です。
しかし、本来はなくてもサプリメントを作れる添加物(増量剤、着色料、甘味料、香料、保存料など)を使用しているサプリメントも少なくありません。
また、体質によっては「遅延型フードアレルギー」の原因となる添加物もあります。有効成分と体質の相性には注意しても、添加物との相性にはなかなか気づかないものです。
添加物は悪者?
添加物は市販の加工食品の殆どに使われていて、サプリメントも例外ではありません。
どうしても添加物は悪者、というイメージが付きまといますが、サプリメントを添加物を使わないで作るのはとても困難です。
粉の流動性を上げ製造過程で機械に粉が詰まるのを防いだり、栄養素を湿気から守る、固めてくれると言ったサプリメントの品質管理には、添加物が必要なのです。
もちろん安全性が確認されている添加物を用いますが、組み合わせや量によっては有害性が疑われる場合もあるので、十分注意が必要です。原材料や成分の表示が重要となります。
不要な添加物を見極める
サプリメントを作るためには、添加物が必要ですが、品質アップには関係ない
- 増量剤
- 甘味料
- 保存料
- 香料
などの添加物は、摂らないにこしたことはありません。成分が苦いから甘味料で甘く飲みやすくする、長持ちさせるために保存料を入れるなどは、本来必要のない添加物も一緒に摂ることになります。
サプリメントを選ぶ時は、必要な添加物は使用しても、必要のない添加物は避けている商品を、判断の目安にすると良いでしょう。
*サプリメントに使用されている主な添加物は後述。
サプリメントと体質の相性
最近わかってきたのが遅延型フードアレルギーです。はっきりとした症状はなく、消化不良、疲労感、肌荒れなど「なんとなく調子が良くない」と言った原因になっていることもあります。
サプリメントは毎日摂り続ける物が多く、相性の良くない成分が含まれているとかえって不調の原因に。その際見落としがちなのが添加物です。
たとえば錠剤を固めるためによく用いられるのが乳糖ですが、これは乳製品です。日本人は「乳糖不耐症」の人が多く、お腹の調子が悪くなったり、乳製品にアレルギーのある人にはアレルゲンになります。
遅延型フードアレルギーとは
遅延型フードアレルギーとは、アレルゲンとなるものを摂取してすぐに症状が出るのではありません。数時間後、あるいは半日ほどしてから症状がでることがあります。
そのため、原因が乳製品(乳糖)にあり、本来は避けなければいけない食品と気付いていません。
乳糖不耐性の人や乳製品にアレルギーのある人が、乳糖で固めたサプリメントを飲んだら健康を害してしまいます。
遅延型フードアレルギーが疑われる場合は、特にサプリメントの成分を添加物も含めてチェックしてみることも必要です。
遅延型フードアレルギーのチェック
どのような食材に対してアレルギーがあるのかを正確に知るためには、遅延型フードアレルギー検査を受ける必要があります。
検査には検査対象の品数により3~5万程度費用がかかりますので、まず自分で調べてみましょう。
- 食事内容を毎回スマホなどで撮影して保存します。
- 頭痛、だるい、肌荒れ、などの症状がでたら、2食前、3食前に何を食べたかをチェックする
これを地道に続けると、原因となっている食材の検討をつけることができると思います。
妊娠前にチェックして、避けたほうが良い食品がわかっていれば、妊娠中に体に良いからと、苦手な食品を無理をして食べ体調を崩すことを避けられ、体調改善や妊娠中を快適に送る参考になりそうですね。
「無添加」マジック
無添加というと、とても魅力的に聞こえますが…
すでにお伝えしているように、添加物無しでサプリメントを作るのはほぼ無理です。それでも「無添加」をうたっているサプリメントはあります。
しかし、注意して説明を読むと、
香料・着色料・保存料・香料発色剤・漂白剤・防カビ剤・膨張剤・苦味料・光沢剤が無添加
などの注意書きが小さく表示されているでしょう。「無添加」と表示した添加物は使っていませんが、他のもので使っているものがあります、ということです。
逆に言えば、このような表示がなくただ「無添加」、と宣伝しているサプリメントはちょっと怪しい。避けたほうが無難でしょう。
表示義務 とサプリメントの信頼性
食品として表示が義務付けられているのは
「原材料表示」
「栄養成分表示(エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量(ナトリウム)」
であり、その他の栄養素の量については法律上の表示義務はありません。
しかし、サプリメントの安全性や性能を考える場合、医薬品との相互作用の影響や、栄養成分がどのくらい入っているのか、摂りすぎないほうが良い成分はどのくらい入っているのか、などを確認するための情報は重要です。
添加物が原因で遅延型フードアレルギーが起きる可能性もあります。
判断材料となる情報を表示しているかどうかは、製造者のサプリメントに対する意識のレベルの現れとも言えるでしょう。
この情報が表示されていない、ということはそのサプリメントの信頼性に疑念を抱くのも、いたしかたありません。
原材料、成分表示のさがし方
原材料や成分表示といった情報は、ホームページではわかりにくい場合もあります。
サイト内検索で「成分」と検索したり、一番下の「特定商取引に関する法律」をクリックして移動したりすると表示されていることが多いです。
どこをさがしても表示がない商品は、お問い合わせフォームなどから問い合わせてみましょう。
問い合わせに対する対応も、その会社の姿勢(サプリメントの信頼性など)を知る一つの指標となることも多いです。
サプリメントを選ぶ一つの目安となるもの
- 原材料
- 栄養成分
- 栄養機能食品の場合は、関与成分名
が表示されているかどうかです。
主な添加物(賦形剤等)の種類と目的
ハードカプセル
| 種類 | 名称 | 目的 |
|---|---|---|
| 被包材 | ゼラチン | ハードカプセル |
| グリセリン | ||
| プルラン | ||
| HPMC | ||
| ショ糖脂肪酸エステル | 流動性向上 吸湿を防ぐ |
|
| グリセリン脂肪酸エステル | ||
| ステアリン酸カルシウム | ||
| 微粒二酸化ケイ素 | ||
ソフトカプセル
| 種類 | 名称 | 目的 |
|---|---|---|
| 被包材 | ゼラチン | ソフトカプセルの材料 |
| グリセリン | ||
| 乳化剤 | レシチン | 乳化 (水と油など、本来混ざらないものを均一に混ぜるため) |
| 蜜蝋(ミツロウ) | ||
| ショ糖脂肪酸エステル | ||
| グリセリン脂肪酸エステル | ||
| 増量剤 | サフラワー油 | ソフトカプセルの中身を増やして、形を保つ |
| オリーブオイル |
打錠(タブレット)
| 種類 | 名称 | 目的 |
|---|---|---|
| 糖類 | 乳糖 | 乳糖 錠剤を固める |
| 麦芽糖 | 増量剤 | |
| 糖アルコール | 還元麦芽糖 | 錠剤を固める |
| ソルビトール | 増量剤 | |
| デキストリン | デキストリン (澱粉分解物) |
結着剤 増量剤 |
| 難消化性デキストリン | 食物繊維含有 結着剤 増量剤 |
|
| 澱粉 | 澱粉 | 増量剤 |
| セルロース | 結晶セルロース | 錠剤を固める |
| 粉末セルロース | 硬度を出す | |
| 滑沢剤 | ショ糖脂肪酸エステル | 抜き型からスムーズに取り出す |
| グリセリン脂肪酸エステル | ||
| 植物硬化油 | ||
| ステアリン酸カルシウム | ||
| 助剤 | 微粒酸化ケイ素 | 流動性向上、錠剤をさらに固める |
参考
バランスの取れた食生活の普及啓発パンフレット 消費者庁(;//hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/151125hyouji4.pdf)
機能性表示食品って何? 消費者庁(;//hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/150407kinousei1.pdf)
まとめ
添加物が多いサプリメントは、なぜ本来は必要のない添加物を使用しているのか、それを考えてみてください。サプリメントを選ぶ時の判断基準の一つになるはずです。
また、サプリメントを利用していて、なんとなく調子が悪いなどの不調がある場合、添加物が原因の遅延型フードアレルギーの可能性がないか、医師に相談してみましょう。
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