「俺のおならはジャスミンのかおり」と無神経におならを連発するカレに、愛想をつかしたこともあったっけ…しかし、たしかに悪臭とジャスミンの臭いの主要な成分は同じです。嫌われ者のおならとそのにおいについてお伝えします。
おならとは?
「出物腫れ物所嫌わず」の代表格、おなら。恋人の前でおならができるほど、心を許している、などと言う人もいますが、恋人同士、夫婦であっても、ある程度の節操は必要かと思うのですが…
それはさておき、おならは食べた物を分解して、便へと変える腸内細菌が作り出すガスが、飲み込んだ空気と一緒になって、お尻の穴から排出されるものです。このガスの主な成分は、窒素、炭酸ガス、水素、メタンなどですが、いずれもにおいはありません。
一方、便ににおいを付けていたインドール、スカトール、硫化水素などがガスに入り込むと非常に臭いおならとなります。
音かにおいか
食物繊維を多く取っていると、においのない成分のおならが大量にでます。大きな音がなりやすく、人前で出ると恥ずかしい思いをすることもありますが、においで迷惑をかけることはありません。
一方、肉などの動物性蛋白質ばかりをたくさん摂ったため、ウェルシュ菌(悪玉菌)が増殖し、便ににおいを付けていたインドールやスカトール、硫化水素などが入り込むことがあります。音は殆ど出ませんが、非常に臭いおならとなります。
音がでないので、こっそり出すことはできますが、電車など狭い空間で「誰だ、犯人は!」という空気の中にいるのも、それはそれで辛いものがあります。
おならのにおいの成分
臭いおならの成分インドール、スカトールは世界でも悪臭を放つ物質とされていますが、その成分をとことん薄めていくと…なんと良い香りになるのだとか。
どちらも低濃度にすると、オレンジなどのフルーツ、花のような香りとなるので、化粧品や香水などに多用されています。
ジャスミンの匂い、というと金木犀のにおいとともにトイレを連想する芳香剤の代表格ですが、花の臭いの主要な成分は、非常に低濃度のインドール、スカトールなのです。「俺のおならはジャスミンのかおり」はあながち間違いではない、ということになってしまいますね。
ジャスミンのアロマオイルには、強壮、リラックス効果があるとされています。これもインドール、スカトールの効果の一つと考えられます。
インドール、スカトールとは
大腸の腸内細菌は食べたものを消化酵素で分解し、栄養源にしながら更に増殖します。その分解の過程でインドール、スカトールなど、ニオイのもととなる物資を作り出します。
インドール
植物のホルモンにも含まれる物質で、タンパク質が分解することで腸内でも発生します。
スカトール
毒性を含む白色の物質。ギリシャ語で「大便」を意味するスコールが由来です。
なぜ便ににおいがあるのか、それにはちゃんとしたわけがあるのですが、長くなるのでここでは割愛します。
おならの量
おならは腸内で発生するガスですが、その量は人によって大きく違います。
少ない人は1日240ml、多い人は1900mlにもなります。日頃の食生活や、飲み込む空気の量などで違いがあるのでしょう。
おならの量の大小、臭さは食べ物によって大きく左右されます。
おならを我慢すると…
おならは所構わずでたがりますが、普通はそう簡単にどこでも出すわけにはいきません。特に女性は我慢することが多くなります。
男性も傍若無心におならを連発していては、人間関係に何かしらの影響があるでしょう。
おならを我慢すると体からにおう、と言われることもありますが、我慢したおならはどうなるのでしょうか。
我慢したおならは何らかの方法で外に出る
お尻の穴からは出られない、と諦めたおならは、大腸粘膜の毛細血管へ入り込み、血液の中に入ります。
一部は腎臓に送られ、濾過されて尿となり、一部はそのまま血流に乗って体をめぐり代謝されていき、それでも残った一部は肺へ運ばれて、最後は口や鼻からでて行きます。
口や鼻からでていくおならはごく一部なので、お尻からでたときのようなにおいはほとんど残っていません。
我慢すると体に悪い、と言われますが、いずれは何らかの方法で体の外にでていくので心配はありません。
ちなみに口から出るゲップは、胃の中で発生するガスです。飲み込んだ空気と胃酸が消化の過程で発生させたガスが胃の中で膨らむと、ゲップとして排出されます。
まとめ~いつも臭いおならには注意
おならは我慢しても、何らかの方法でいずれは外にでていくので心配はありません。一人でいるときは豪快に大きな音をだしたり、自分のおならのにおいに、愛着を持つのもまあ、一つの習慣…
しかし、いつも臭い場合は何らかの病気が隠れているかもしれません。健康状態を心配しましょう。
そして、所構わずだすのは遠慮するのが礼儀と言うもの。たかがおなら、されどおならです。
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