看護師の離職、転職をへらすカギは?それは従業員満足、ES*です。ESがしっかりしている病院は、募集をかければ仕事をしたいナースが集まってきます。どんなに辛い時も笑顔で働ける環境が大切!
ナースの離職、転職はその職場に満足がないから
まじめな看護師ほど、良い仕事をしたい!という熱意と、今の病院では、良い仕事ができない、というジレンマに陥りやすい。
求人情報が飛び交い、転職がし易い時代になると、「従業員満足」ES(Employee Satisfaction)という概念も、重要な経営課題であると認められるようになりました。
ESの概念がない病院では、患者さんへのスタッフの対応も、おざなりになってしまわないとも限りません。どんなに看護師が一生懸命でも、ナースの仕事へのモチベーションを持ち続けるのは難しいのです。
逆に、笑顔で仕事ができる環境さえあれば、どんなに大変でも誇りを持って患者さんのお世話ができます。
CSとESはコインの裏表
「顧客満足」を意味するCS(Customer Satisfaction)という言葉が盛んに用いられるようになりました。その背景には
プロダクトアウト(ものがなく作るだけで売れた)
→マーケットイン(市場の求めに応じた商品でなければ売れない)
→カスタマーイン(個々の顧客の要望に応じなければ売れない)
という時代の変化があるのです。
そこからさらに、「従業員満足」ESの概念が生まれてきました。
従業員の不満はサービス低下に
従業員が不満を抱えていては、顧客へのサービスも低下し、顧客からの声も経営陣には伝わらなくなります。
病院の顧客は患者さんです。医師や看護師など、スタッフが病院に不満を持っていたら、患者さんに「この病院で、このスタッフで良かった!」と選んで貰える仕事ができるでしょうか。
医師からの距離と患者さんのホンネとの関係
病院のCSは「患者さん満足」です。
病気を直してくれる医師は、患者さんにとっては神様のような存在かもしれませんね。しかし、不満が全く無いかといえば、そうではありません。
ホンネでは、医師の診断や治療に「一言言いたい」と思っていても、神様には言えないのです。
患者さんの不満を共有できる
病院のなかでは、医師から一番近い距離にいるのは、看護師、ついで准看護師、看護助手、事務職員という順番で遠くなります。
患者さんに取って、それぞれの位置にいるスタッフには、それぞれ違った表現で、不満や要望を会話の中で発していることが多い。
処置をしてくれる看護師には、ちらっと不満を漏らします。さらに日常的なお世話をしてくれる准看護師には、もう少し、看護助手にはちょっと棘のある言い方をしたり、と相手によって不満の言い方が変わってくることもあります。
従業員満足があってこそ、顧客の声を拾える
こんな時、病院内のESがしっかりしていれば、病院や医師に対する不満を共有することが容易にでき、即座に対応することが出来るのです。
しかし、職場がギスギスしていれば、患者さんの不満を拾い上げられず、結果として患者離れを引き起こす要因にもなりかねません。
つまり、ES、従業員満足が満たされている病院は、CS、患者満足も満たされやすいということ。
病院の崩壊はES、CSの軽視から
民間企業ではCS、ESという考えは既に浸透しているのですが、医療界ではさほど重視されていないのが現状。
以前よりは、患者さんにアンケートを実施したり、スタッフの声を集める病院も増えてはいます。しかし、そうした声が実際の経営計画に反映されているかどうかは定かではありません。
看護師が辞めたいと思う要因
これでは地域のニーズに応えたサービスはできないし、職場で起きている様々な問題に対処することも出来ません。
看護師が、その職場は辞めたい。よそに転職したい、と考えてもおかしくありません。
患者さんを取り巻く状況の変化に敏感になる
患者さんの権利意識の高まりや、病気に関する知識が容易に手に入ることなどの変化にも、敏感でなければなりません。
ESやCSの概念を疎かにすると、経営者の気づかないところで病院の崩壊が始まってしまうのです。
まとめ~ES(従業員満足)なくしてCS(顧客満足)なし!
「従業員満足」が十分な病院は、看護師にとってその本領を発揮できる職場。辞めたい、転職したい、などの気持ちが起きるわけがありません。
さらに、従業員が満足して働ける病院は、患者さんにとっても満足できる、良い病院ということになり、ますます病院の人気は高まります。
「あの病院にいけば、優れた医療が受けられる」「親身になってお世話してくれる看護師さんがいる」
そんな評判が評判を呼び、さらに優秀なスタッフが集まってくるのです。
ESがしっかり確立している病院に、看護師不足は関係ありません。看護師の離職、転職も起きないからです。
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