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健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

病は口から~歯が原因の病気・歯周病は命に係わる影響もあり!

歯周病は歯が原因の病気で、口の中だけだと思っていませんか。歯周病は生活習慣病でもあり、全身に影響を及ぼす感染症です。歯周病に関連する病気にはどんなものがあるのかを知り、歯周病の治療、予防の必要性を確認していきましょう。

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歯周病が全身へ影響するメカニズム

歯周病はプラーク(歯周病菌のかたまり)が原因で起こり、歯の周りに炎症を引き起こすだけでなく、全身に栄養する感染症です。歯周病菌は炎症が起きた歯周組織から血管に入り、血流を介して全身に運ばれます。

さらに歯周病菌が作る物質や、炎症に伴って増加する炎症性物質も、全身に運ばれ、唾液に混じった歯周病菌が、誤って肺に運ばれることもあります。

こういったことが体の様々な部位やその働きに、影響を与える危険性を高めています。

 

歯周病は慢性化しやすい

感染症は多くの場合、一時的に起こりますが、歯周病は適切な治療がされないまま、5年、10年と放置された結果、炎症が慢性化していることも少なくありません。歯周病菌や炎症性物質が長期間全身に運ばれ続け、じわじわの全身が悪影響を受けていくと考えられます。

歯周病は単に感染症、歯が原因の病気ではなく、生活習慣病としての側面もあります。

歯周病との関連が指摘されているものは

  1. 口腔がん
  2. 脳卒中
  3. 心筋梗塞
  4. 肺炎
  5. 糖尿病
  6. 早産・低体重児出産

などがあり、1~4は日本人の死因の上位4疾患に含まれます。歯周病そのものが直接命に係わることはありませんが、長い間歯周病であることは、重大な病気のリスクを高めていることを知っておきましょう。

歯周病の影響で関連する主な病気

歯周病は様々な病気と関連することがわかっています。関連する病気との関連を少し詳しくお伝えします。

口腔がん 
歯肉やしたなど口の中に発生するがんが口腔がんです。歯周病菌が作る物質により、起こりやすくなると考えられています。歯周病が進行すると口腔がんの発生率が大幅に増加したと報告されている調査もあります。口の中を清潔に保つ口腔ケアで、口腔がんの発生率が下がったという報告もあります。
*参考: 日経ヘルス2010年1月号

誤嚥性肺炎 
誤嚥(ごえん)とは食べ物、飲み物、唾液が食道ではなく誤って機関に入ってしまうことです。誤嚥した飲食物や唾液の中の細菌が、機関から肺に入り起こる現象を「誤嚥性肺炎」と呼びます。この肺炎は、脳卒中の後遺症や加齢の影響で、呑み込む働きが低下した高齢者に多くみられます。歯周病がある高齢者の場合は、歯周病菌による肺炎が起こりやすくなります。そのため、肺炎を防ぐ対策として、口腔ケアを十分に行うことが重要です。

実際に高齢者を口腔ケアを行ったグループと、行わなかったグループに分け、肺炎の発生率を比較した調査では、口腔ケアを行ったグループの方が(19%)、行わなかったグループ(11%)よりも、肺炎が起こりにくいという報告があります。
参考: 日本歯科医学会誌 2001

脳卒中と心筋梗塞
血流に乗って歯周病菌が運ばれ、血管壁に付着すると、動脈硬化の進行に関与するのではないかと考えられています。実際に、動脈硬化のある人の血管を調べた調査では、コレステロールなどがたまった血管壁から、歯周病菌のDNAが発見されています。
参考: ishihara K.et ao.J Clin Microbicl.2004

糖尿病
糖尿病で血糖のコントロールが不十分になって血糖値が上がると、血流が悪くなり、免疫の働きが低下します。歯周病菌は免疫の働きが低下すると増殖が盛んになり、歯周病が悪化します。歯周病と糖尿病は、相互に関連しているので、一方の改善がもう一方に良い影響を与えることが報告されています。

実際に、糖尿病と歯周病の両方がある患者さんが、食事療法や薬物療法などを行っても改善しなかった糖尿病が、歯周病を治療したら改善した方もいらっしゃいます。

また、糖尿病の治療開始前には、多くの部位で歯周病による歯肉の出血が有った患者さんが、糖尿病の治療を初めて半年後には、出血の部位が減少したことが報告されています。
参考: 口腔保健と全身のQOLに関する総合研究2009

早産・低体重児出産
歯周病は妊娠・出産にも影響します。歯周病で増加した炎症性物質には、子宮を収縮させ、陣痛を促す作用があるので、荘サン・低体重児出産が起こりやすくなると考えられています。

また、女性ホルモンによって活発に装飾する種類の歯周病菌もあるので、思春期や妊娠中は女性ホルモンが増加するので歯周病が悪化しやすいと言われています。

妊娠の可能性や出産の予定がある人は、歯科を受診し、歯周病のチェックを受けることをおすすめします。

歯周病に良くない習慣

歯周病は歯周病菌による感染症ですが、生活習慣病の側面があります。以下のような習慣がある場合は、改善し、歯周病の悪化を防ぎましょう。

  • 歯磨きをきちんとしない
  • 甘いものをよく食べる
  • 間食を良くする
  • 喫煙
  • 飲酒

これらの生活習慣は、歯周病菌が増殖しやすく、歯周病が治りにくくなります。

特に喫煙は、ニコチンの作用で歯肉の血流が悪くなり、歯周病を悪化させると考えられており、飲酒は、酔っ払って歯磨きがおろそかになりがちです。

 

まとめ

歯周病は歯の周りだけの病気ではなく、全身への影響がある、実は怖い病気です。生活習慣病の側面もあり、まず、歯周病がどんな病気と関係があるのかを知っておきましょう。

女性は、妊娠・出産に影響する、歯周病と女性ホルモンとの関係についても知っておいてください。

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