健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

指のしびれの原因は様々~手根管症候群のセルフチェックをしてみよう

指のしびれは様々な原因で起こります。全身に影響するような病気のこともあるので注意が必要です。親指から薬指にかけて起こるしびれが特徴の、手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)についてお伝えします。

f:id:lady-jhones:20161023225008p:plain

手根管症候群とは

手首を通る正中神経が圧迫されて、しびれが起こるのが手根管症候群です。悪化するのを防ぐためには、できるだけ早く気づき、適切な治療を受ける必要があります。

しびれなどの症状がない場合も、手根管症候群が無いかどうかチェックしてみると良いでしょう。

手根管症候群のメカニズムや注意が必要な人、早期発見のためのセルフチェク、治療についてまとめました。

 

指のしびれの原因

手のしびれが起こる原因には

  • 首の骨に変形があり、そこで神経が圧迫される
  • 肘や手などを通る神経の圧迫
  • 糖尿病や関節リウマチがある
  • 手首を骨折したことがある
  • 透析療法を受けている
  • ホルモンバランスの乱れ

などがあります。

親指から薬指にかけてしびれが起こる、手根管症候群の疑いもあります。手根管症候群は悪化すると、親指から薬指に欠けての感覚が殆どなくなったり、親指の付け根部分の筋肉がヤセて、ものをつまむ動作がうまくできなくなります。

 

セルフチェックしてみよう!

□ 親指から薬指にかけてしびれる(初めは、人差し指と中指から)

□ 洋服のボタンがかけづらい

□ 秋型にしびれや痛みが起こる

□ 手を振ると、しびれが和らぐ

当てはまる項目が多いほど、手根管症候群の可能性が高いです。手のしびれがある場合は、その原因を明らかにしておくことが大切です。整形外科などを受診しましょう。

f:id:lady-jhones:20161023225254p:plain

てのひらの手根管がある部分(上の画像と同じ位置)をペンなどでたたくと、しびれや痛みがある場合は、手根管症候群が疑われます。

f:id:lady-jhones:20161023225315p:plain

手根管症候群があると、上のように手の甲を下に曲げて合わせると、しびれが強くなります。

 

特徴的な症状を確認

親指から薬指にかけてのしびれ 

正中神経が通っているのは親指から薬指なので、この範囲がしびれます。最初は人差し指と中指にしびれが現れ、進行すると親指、薬指もしびれるようになります。

 

洋服のボタンがかけづらい 

指の感覚が鈍り、親指の付け根の筋肉がやせることで、ものをつかむ動作がうまくできなくなったり、OKサインが作れなくなります。

 

明け方に起こる 

手のしびれや痛みは明け方に強く、目を覚ましてしまうことがあります。朝起きるときは誰でも手がむくむことがありますが、正中神経はそうしたむくみで圧迫されやすいと考えられています。

 

手を振ると、しびれが和らぐ 

理由は定かではありませんが、手根管症候群がある人では、多くの場合、手を振るとしびれなどの症状は軽減します。

 

手根管症候群発症のメカニズム

f:id:lady-jhones:20161023225657p:plain

正中神経は、手の親指から薬指の半分の感覚と、親指の付け根の筋肉の運動に関わっている神経で、腕から指先までつながっています。

正中神経は、手首の部分で手根管という間の中を通ります。手根管は手関節部にある手根骨と横手根靱帯(屈筋支帯)で囲まれた伸び縮みのできないトンネルです。

この手根管の中で、何らかの原因により正中神経が圧迫を受けると、初めは人差し指と中指、更に親指から薬指にかけてのしびれが起こります。

何かに触れても感覚が無い、痛みを感じないなど感覚が鈍くなるのも特徴です。

 

治療

軽度の場合は薬物療法でしびれを和らげ、装具で固定する治療を行います。

薬物療法や装具を使っても十分な効果が得られなかった場合や、親指の付け根の筋肉がヤセてしまった場合などです。

 

薬物療法と装具の活用

薬物療法

症状が軽い場合は、消炎鎮痛薬の湿布薬を使います。神経を修復する働きがあるビタミンB12 を合わせて服用する場合もあります。症状がお見場合は、手根管の中に炎症を抑える働きのあるステロイド薬を注射します。

 

装具

手から腕に欠けて装着し手首を固定、正中神経が圧迫されるのを防ぎます。特に、就寝中に装着することで、明け方の症状が軽減されます。

薬物療法と装具の活用で症状は軽くなりますが、十分な効果が得られない場合は、手術が検討されることもあります。

 

手術

重度と判断された場合、靭帯を切開する手術で圧迫を取り除きます。

手首側を切開し、手根管を形成している靭帯を切り離すことで、正中神経の圧迫を問り除くことができます。

靭帯を切開しても、指の動きに問題は生じず、神経の障害が起こることもありません。

切開された靭帯は、手術後しばらくすると再生し、自然にふさがります。この時手根管の空間に余裕ができるので、再び正中神経が圧迫されることはありません。

親指の付け根の筋肉がヤセた状態も、通常は時間がたつとともに回復していきます。ただし、筋肉の痩せた状態が長く続いていた場合は、回復が難しいこともあります。

手術後は、手のひらに痛みが現れることがあり、手のひらを床についたりする動作がしにくくなる場合もありますが、3~6か月たつと治まってきます。

画像出典:日本整形外科学会 手指の症状

 

まとめ~指のしびれや手首の痛みは受診して治療を

指のしびれは、全身に影響する病気が原因のこともあるので、整形外科などを受診し、原因を特定することが大切です。

親指から薬指のしびれは、手根管症候群の疑いがあります。痛みを起こす腱鞘炎と同じように薬物療法、装具、手術が治療方法です。

指のしびれや手首の痛みなどは、我慢せずに医療機関を受診して、適切な治療を受けることが大切です。

「Anのひとりごと」~今日も1ページ