見た目も気になりますが、痛み、むくみ、だるさなど脚の不快な症状の原因にもなる下肢静脈瘤。今回はミニQ&Aです。
脚の悩みに
こんなこと聞いたら笑われるかな、とかちょっと聞きにくい脚のトラブルの例を4選。
下肢静脈瘤が大きくなって破裂したりしませんか
下肢静脈瘤は血管がこぶのように浮き出てくるので、破裂するのではと心配になりますよね。しかし、大きくなっても破裂することは無いので安心してください。
スポーツなども問題なくできます。もし静脈瘤の部分をぶつけたりしても、静脈が破裂して大事に至ることはありません。
太ももの内側に赤くて細い血管が目立ち、見た目が気になります。治りますか。
スパイダースキンと呼ばれる、「クモの巣状静脈瘤」と思われます。
下肢静脈瘤の中でも比較的軽症で、皮膚のすぐ下の細い静脈の拡張が原因です。中高年の女性に多く見られます。
症状は殆どありませんが、ピリピリした痛みや熱感、むくみなどが起こる場合もあります。治療は硬化療法が有効です。
治療後に色素沈着が起こりやすいですが、半年から1年程度たつとほとんど目立たなくなります。
クモの巣状静脈瘤が大きな静脈瘤に進行することはありませんが、伏在静脈瘤を併発していることもあります。心配であれば検査をおすすめします。
太ももの付け根に静脈瘤があり、脚がむくんだりだるくなったりが生理のときにひどくなります。症状を抑えるにはどうしたら良いですか。
陰部静脈瘤が疑われます。脚の付け根や太ももの裏側に見られ、内腸骨静脈から発生する静脈瘤です。
陰部静脈瘤も下肢静脈瘤の一種で主に30~40代の女性に多く見られます。妊娠中や生理時に症状が悪化するのが特徴です。
陰部静脈瘤の治療は「フォーム硬化療法」が有効ですが、妊娠中は行なえません。妊娠中には弾性ストッキングの着用で症状を緩和します。
簡単な治療で症状が大きく改善するので、積極的に治療を受けつらい症状を改善すると良いでしょう。
一般に産後は症状が改善しますが、完全には治りません。治療を希望する場合は、出産後半年~1年たった後に受診してください。
下肢静脈瘤があると、エコノミークラス症候群を起こしやすいと聞いたのですが。
エコノミークラス症候群と下肢静脈瘤は直接的な関係はありません。
エコノミークラス症候群
脚の筋肉の中を通る太い「深部静脈」に血栓ができ(深部静脈血栓症)、それが肺に流れて肺の血管をつまらせるものです(肺血栓塞栓症)。
下肢静脈瘤は肺血栓塞栓症の1つとして上げられています。
下肢静脈瘤
皮下を通る伏在静脈に起こります。
エコノミークラス症候群を心配して、症状も無いのに下肢静脈瘤の治療を受ける必要はありません。
エコノミー症候群の予防に、簡単にできるストレッチを以下の記事で紹介しています。
静脈にできる血栓
脚の血管は血液がたまりやすく、様々なトラブルも起きやすい場所です。静脈にできる血栓は、血液が詰まることで起きます。こぶとともに血管の病気の一つ。適切な対処が大切です。
日常で意識してふくらはぎを動かすようにすると、筋ポンプ作用が働き血液の流れをスムーズにします。またリンパマッサージも血液の流れを促す叩きをしますので、ちょっとした時間にリンパを流すマッサージをすることもおすすめします。
まとめ~下肢静脈瘤Q&A
肺血栓塞栓症は血管の病気、「こぶ」「詰まる」の詰まる方です。
動脈の血栓は心筋梗塞や脳梗塞の原因になりますが、静脈にも血栓ができ脚の腫れや痛みなどが現れます。血栓が剥がれて肺に入って血管をつまらせると肺塞栓症を発症します。
次回は肺塞栓症、エコノミークラス症候群についてお伝えする予定です。(今日はちょっと一息ミニ更新させていただきましたm(_ _;)m)
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