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血管の老化を防ぐ!動脈硬化検査で血管の詰まりや硬さ危険因子を発見

医療機器の進歩で現在は動脈硬化を診断できるようになってきました。動脈硬化がどのくらい進んでいるのか検査でわかります。検査の方法や何がわかるのかなど、動脈硬化検査についてお伝えします。

血管の老化を防ぐ!動脈硬化検査で血管の詰まりや硬さ危険因子を発見

動脈硬化の進行度を調べる動脈硬化検査

動脈硬化は心疾患や脳血管疾患の最大の危険因子とされています。動脈硬化の進行度は血管年齢に例えられます。

動脈硬化を早期に発見して血管の老化を防ぎ、心疾患や脳血管疾患の予防に生活習慣の改善につなげるには、動脈硬化検査を受けることが勧められます。

動脈硬化がどのくらい進んでいるのかは、

  • 血液検査
  • 血管の詰まりを調べる検査
  • 血管の硬さを調べる検査

などでわかります。

検査は健康診断や人間ドックでも受けることができますので、特に症状がなくても定期的に受けるようにすると良いでしょう。

 

血液検査

血管を傷つける危険因子があるかどうかが確認できます。

危険因子となるもの

  1. LDLコレステロール値
  2. 血糖値
  3. 高血圧

血液検査では①LDLコレステロール値、②血糖値が正常範囲内か、血圧測定では③高血圧でないかを上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)を見て確認します。

この3つに問題がある場合は、動脈硬化を起こしている可能性が高いと言えます。

LDLコレステローツが高い場合には脂質異常症、血糖値が高い場合は糖尿病の可能性があります。これらに該当する場合は、動脈硬化が進行している疑いがあります。

高血圧も危険因子。血圧測定で高血圧と診断されそれが続いている場合は、動脈硬化の危険性が高いです。

動脈硬化の進行度を調べるには、血管の詰まりや血管の硬さを調べる検査を行います。

 

血管の詰まりを調べる

首の頸動脈に超音波をあてて血管を見る超音波検査を行います。アテローム動脈硬化の状態や、詰まりの形状などから脳梗塞を引き起こす原因ともなる、血栓ができやすいかどうかの危険性もわかります。

動脈硬化には、

  • アテローム動脈硬化 粥腫(じゅくしゅ)によって血管の内膜が暑くなることで血管内腔が狭くなる
  • 石灰化により硬くなる 血管の内膜と中膜が主に石灰化により硬くなる

の2つのタイプがあり、超音波検査ではアテローム動脈硬化を発見することができます。

頸動脈は一番太いところで内側の直径が8mmほどありますが、内膜の盛り上がり(プラーク)ができるとそれより狭くなります。

頸動脈の変化は、全身の動脈の状態を示す指標となっているので、血管超音波検査の結果から、全身の動脈硬化がどのくらい進行しているかを予測できます。

脳梗塞を起こす危険度

頸動脈の動脈硬化が進行して血管が狭くなっている狭窄(きょうさく)があると、血流が悪くなるだけでなく、狭窄部で生じた血栓がはがれ、脳の動脈に詰まり脳梗塞を起こすことがあります。

頸動脈の狭窄が進んでいたり、脳梗塞などの発症のリスクが高い場合には、外科的治療を行います。

  • 内膜の盛り上がった部分をはく離する手術
  • 血管の狭窄部にステントという金属製の筒を入れて血管の内腔を広げる

などで血流を確保します。

 

血管の硬さを調べる

血管の硬さを調べるには以下の3つの検査があります。

  • PWV(pulse wave velocity:脈波伝搬速度)
    心臓の拍動(脳波)が動脈を通じて上腕と足首に伝わる速さを測る
  • ABI(ankle brachial index:足関節上腕血圧比)
    足首の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割った値
  • CAVI(cardio ankle vascular index:心臓足首血管指数)
    心臓から足首までの動脈の硬さを反映する指標。基本的な測定原理はPWVと同様で、計算式に血圧の項を入れる

PWVの測定値が早ければ早いほど動脈硬化が進んでいます。健常者の値がわかっているので、比較することで血管年齢を推定することも可能です。

血管が柔らかければ血流の衝撃を血管が吸収します。心臓の拍動は秒速10mほどでゆっくり伝わります。

一方血管が老化して硬くなっていると、弾力性が無くなり衝撃を吸収しないので、心臓の拍動は腕、あるいは足まで早く伝わります。

脳波の伝わる速さが速ければ速いほど、心筋梗塞などの心血管病が起こるリスクが高まります。

ABI検査はPWV検査と同時に行います

ABI検査
ABIの測定法(後述のpdfより)出典:日本内科学会雑誌(後述のpdfより)

ABIとは上腕の足首の血圧比のこと。例えば一定量の水を流す場合、太い管よりも細い管のほうが管にかかる圧力は高くなりますね。

血管は足先に行くほど細くなるので、血管の詰まりがなければ腕よりも心臓から遠い足首の方が血圧は高くなります。

閉塞性動脈硬化症

一方動脈硬化が進行して血管がつまり、血流が悪くなると腕よりも足首の方が血圧は低くなり、閉塞性動脈硬化が疑われます。

脚の血流が悪くなり足先に血流がいかなくなるので歩くと足が痛くなります。更に進行すると足先が壊死することもあります。

ABI・PWV検査方法

  • ベッドの上で仰向けになり、両側の腕と足首に、血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着する
  • ABIとPWVを同時に測定し、その結果をコンピューターによって数値化
  • 所要時間は5分程度

CAVIは血圧の影響をほとんど受けません

PWVより動脈硬化の進行度を精度良く見積もることができます。PWVは血圧やストレスで変動し不安定と言う弱点があり、算出された血管年齢は必ずしも正確とは言えません。

CAVIはPWVの測定原理に血圧の計算式を入れることで、血圧の影響を排除したことが特徴の検査方法です。

動脈硬化症の診断に用いられる血管機能検査には心臓足首血管指数(CAVI),脈波伝播速度(PWV),足関節上腕血圧比(ABI)がある.CAVIとPWVは血管の硬さを表す指標であるが,PWVは測定時の血圧の影響を受け,CAVIは血圧の影響を殆ど受けない.CAVI,PWVともに高血圧,糖尿病,脂質異常症,メタボリックシンドロームなどの生活習慣病,虚血性心疾患,慢性腎臓病,脳血管障害の患者で上昇している.ABIは末梢動脈疾患の検出に有用であり,また異常例では心血管系リスクが高くなる.

CAVIは,血圧に依存しない動脈の硬さ(arte-rial stiffness)を簡易にかつ正確に測定できるわが国で開発された非観血的動脈硬化指標である

出典:日本内科学会雑誌 第102巻 第 2 号・平成25年 2 月10日  III.診断の進歩 4.血管機能検査―CAVI,PWV,ABI pdf p335~

 

眼底検査

眼底検査で目の網膜を映し、動脈を直接見て異変が無いかどうかを調べる検査です。

動脈硬化が進んでいると、血管の中央が輝いて見えたり(血柱反射)、動脈と交差する静脈の血管が圧迫されて途切れていたり、細く見えたりします。

全身の動脈が傷ついているかを診断する検査とし得活用されています。

 

動脈硬化が原因で起こる病気と、自覚症状

動脈硬化が起こる場所によって、発症する病気は違います。以下に主な病気や自覚症状についてまとめましたので、参考にされてください。

動脈硬化が起こる
血管の部位
病名 自覚症状
脳梗塞
脳出血
手足の痺れやまひ
めまい
ろれつがまわらない
心臓 狭心症
心筋梗塞
運動時の胸の圧迫感、痛み
腎臓 腎硬化症 腎硬化症
下肢 閉塞性動脈硬化症 歩行時の下肢の痛み、冷たさ
大動脈 大動脈瘤
大動脈解離
胸や腹部の痛み

静脈が詰まりできた血栓が剥がれて心臓から肺に到達すると、肺塞栓症を引き起こしますが、動脈の詰まりは動脈硬化から大動脈解離や脳梗塞などの重篤な病気のリスクを高めます。

高血圧や脂質異常症、糖尿病と言った生活習慣病がある場合は、動脈硬化が進行しますので、血管年齢が高い、血管の老化が進んでいる場合は特に注意が必要です。

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日本人の性別、年齢階級別健康状態 1999年厚生省・国民栄養調査 人は血管とともに老いる 
出典:循環器情報サービス

 

まとめ

血管の老化、血管年齢は動脈硬化の進行具合を見る指標にもなります。動脈硬化の進行度を知るには、血液検査、血管の詰まり、血管の硬さを調べる検査などでわかります。

動脈硬化を進行させる危険因子を早く見つけて対処することが、重篤な病気の予防につながります。生活習慣病の予防も血管の老化を防ぎ、動脈硬化を進行させないために重要です。

血管の老化を改善、防ぐには、生活習慣の改善や、ふくらはぎのリンパを流すマッサージなどが有効です。あなたの血管年齢は大丈夫

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