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食中毒の症状と対処法~食中毒の原因に注意して年末年始を過ごそう

食中毒は流行の時期、症状、食べてから症状が出るまでの潜伏期間などが異なります。文字通りの「寝正月」にならないよう、食中毒の原因、症状、その対処法についてお伝えします。

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ノロウイルスが大流行中~食中毒の症状と対処法

現在最も注意しなければいけないのは、2012年以来の大流行となっているノロウイルスです。ノロウイルスについては、過去エントリーでご紹介していますので、ご確認ください。

メンチカツ事件の記憶も新しいO157(腸管出血性大腸菌の1種)による食中毒は、激しい腹痛や出血をともなる下痢が起こり、悪化した場合は、急性腎不全や脳症などが引き起こされることも。

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食中毒の対処法と予防

食中毒が疑われる時は、すぐに医療機関を受診します。受診までの間に、家庭で注意することは、

  • 嘔吐物が器官に入らないようにする(安静にする時は横向きに)
  • 水分・電解質補給
  • 下痢止めや鎮痛剤を自己判断で使わない

ことです。下痢はつらい症状ですが、医療機関を受診するまでの間は我慢してください。

下痢や嘔吐で脱水を起こしやすく、水分と一緒に塩分などの電解質も失われているので、イオン飲料(スポーツドリンクなど)を少しずつ回数を多く飲むと良いでしょう。

下痢は細菌や毒素を体外へ出して自分の体を守ろうとする、自然な防衛反応の一つです。薬で下痢を止めると、かえって症状が悪化してしまうことがあります。鎮痛薬には腸の運動を抑えるものもあるので注意が必要です。

食中毒を防ぐには

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カンピロバクターや腸管出血性大腸菌を防ぐには、鮮度に関わらず生肉を食べないことです。鮮度が良ければ大丈夫ではないか、と思う人も少なくありませんが、鮮度ではなく、肉に菌が付着しているかどうかが問題です。

カンピロバクターが原因で食中毒になった人の7割が20~30代と言う東京都の調査結果もあります。若い人のほうが、生や半生の肉を食べる機会が多いのでは無いかと考えられています。加熱不足の肉や、生肉に触れた箸などで、他のものを食べないようにしましょう。

食中毒予防3原則

食中毒の予防には

  • つけない
  • 増やさない
  • 殺す

の3つの大原則があります。

つけない 
食中毒の原因菌を調理器具や箸などの食器につけないようにします。肉を焼くときは専用の箸やトングを用意し、食べるための箸で肉に触れないようにします。

調理に使った包丁やまな板、容器などは中性洗剤でよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒します。手も石鹸でよく洗うことを忘れないでください。

増やさない 
保存法に注意します。買ってきた食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れ、解凍する時は冷蔵庫内で行います。常温で解凍すると付着している細菌が増殖してしまいます。

殺す 
食中毒菌は熱に弱いです。殆どの菌は75℃で1分間加熱することで死滅します。注意するのは食品の中心部の温度が75℃異常になるように、しっかり加熱することです。

食品の温度を測るのは難しいので、調理後に生で陽が通っているかどうか、切って確認すと良いでしょう。

冷凍肉をそのまま調理する場合、中心部まで火が通るのには、時間がかかります。十分加熱してください。

 

食中毒の症状と原因

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食中毒患者数の年次推移

食中毒の原因として、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまあり、食中毒は最近やウイルスが付着した食べ物を食べることで起き、特徴的な症状は、下痢、嘔吐、腹痛です。発熱や下痢に出血が伴うものもあります。

冬に多いのがノロウイルスなどのウイルス性のものと、梅雨時など、温度や湿度が上昇して原因菌が繁殖しやすい細菌によるものがほとんどです。原因となる主なウイルスや細菌は

  • ノロウイルス
  •  カンピロバクター
  • サルモネラ
  • 腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)
  • ブドウ球菌
  • ウェルシュ菌
  • 腸炎ビブリオ菌

など多種多様です。

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主な細菌別に見た患者数の年次推移

この内、サルモネラ菌と腸炎ビブリオによる食中毒は、近年激減しています。国の主導で感染対策がしっかり実施された結果です。

原因菌と感染源となる食品など

カンピロバクター、腸管出血性大腸菌は梅雨時から夏にかけて特に注意が必要です。生肉・加熱不足の肉から感染することが多いです。カンピロバクターは鶏肉、腸管出血性大腸菌は牛肉からの感染がほとんどです。生肉には細菌が付着していると考えて扱いましょう。

カンピロバクター
腹痛や下痢の他に、38℃程度の発熱があるのが特徴です。神経が侵されるギラン・バレー症候群などが引き起こされることがあります。

腸管出血性大腸菌
激しい腹痛、血便を含む下痢、嘔吐などが起こります。細菌が明日毒素で腸管が侵され、出血するためです。悪化すると、毒素が全身に周り、急性腎不全や脳症が引き起こされることがあります。

サルモネラ
卵の中や殻に存在することが多い細菌ですが、養鶏場の衛生管理の徹底、卵の消費期限の明記が義務付けられたことから、減少しました。

腸炎ビブリオ
海水中に存在し、魚に付着している細菌です。真水で死滅、低温では増殖しないことがわかりました。魚介類は真水でよく洗い、4℃以下を維持しながら流通・保存することが徹底されたので、減少しています。

食中毒の潜伏期間

食中毒の中には、原因菌が体内に入って増殖してから発症するものがあります。発症までに時間がかかることもありますが、発症するまでの期間(潜伏期間)は原因菌により異なります。比較的長い

  • カンピロバクターは1~7日後(平均2~3日)
  • 腸管出血性大腸菌は1~14日(平均3~5日)
  • ノロウイルスは2日~4日

です。感染を広げないためにも、トイレの後や調理の前後、食事の前後、外出後の手洗いの徹底や、調理器具の殺菌など、普段から習慣付けておくと良いですね。

 

参考・表の出典: 平成27年食中毒発生状況 厚生労働省

 

まとめ

ノロウイルスが猛威を奮っていますが、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌等による食中毒も注意が必要です。食中毒の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することが大切。

文字通り寝正月にしないためにも、食中毒の原因となるものについて確認しておきましょう。肉は中心まで十分加熱する、食器や調理器具に細菌をつけないようにする、保存に注意することが重要です。手洗いの徹底はもちろんのことです。

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