風邪やアレルギーが原因で、子供は鼻水・鼻づまりをよく起こします。中耳炎など耳のトラブルにもつながりやすい。よくある鼻と耳のトラブルに関するQ&Aを参考に、悪化させないように注意しましょう。
気をつけたい子供の鼻水・鼻づまり
子供はよく鼻水を垂らしたり、鼻づまりを起こしたりしますが、風邪やアレルギーが主な原因です。
「地球がヒステリーを起こしたような天候不順」*が続いていますが、これからやってくる風邪の季節、インフルエンザの流行も気になります。
鼻水・鼻づまりから中耳炎も起こしやすいので、心配なことも多いです。
子供の鼻・耳のトラブルで気をつけたい症状や対処など、Q&Aで簡単にまとめました。参考にしてトラブルに早く気づき悪化を防ぎましょう。
子供の鼻のトラブルQ&A
鼻水、鼻づまりの原因は?
あかちゃんが鼻づまりを起こしやすいのは、鼻の穴がとても小さいからです。
1歳を過ぎる頃からは、風邪やアレルギーが原因になりますが、幼児期は特に風邪を引きやすいので、ウイルス感染から鼻づまりがよく起こります。
鼻水の色で何がわかる?
黄色、緑などの色をしていたら間違いなく感染症で、ウィルス感染がほとんどです。
色のついた鼻水が10日間以上続く場合は、細菌感染による副鼻腔炎(蓄膿症)などが疑われます。
水のような透明な鼻水が続いたり、季節性のある鼻づまりの場合はアレルギーが疑われます。
いつも鼻づまりでつらそうです。なにか良い方法はありますか?
一般的な対処は「加湿、マスクなどで気道を保護、多めの水分補給」などです。
鼻が詰まって以下のような症状があり、日常生活に支障がある場合は耳鼻科などを受診しましょう。
- 元気がない
- 寝付きが悪い
- 途中で目が覚める
- 期限が悪い
- ミルクの飲み方や食欲が落ちている
風邪が治っても鼻の症状が続く場合はアレルギーの可能性があり、早めの抗アレルギー薬使用で症状を軽くすることが期待できます。
どんな治療をするのですか?
風邪が原因の鼻水では大人では鼻水止めの薬(抗ヒスタミン薬)を用いますが、赤ちゃんには使わず、幼児期以降も極力控えます。
拭き取るか吸引器で優しく吸い取りましょう。
抗ヒスタミン薬には
- 鼻水をネバネバさせて鼻づまりを悪化させる
- 強い眠気
- けいれんをおこしやすい
などの副作用が起きることがあるからです。
アレルギーが原因の場合は抗ヒスタミン薬の内服薬や点鼻薬を、症状に合わせて使います。
はなのかみかたの注意点を教えてください
片方ずつかむようにします。乳幼児でうまくかめないときは鼻水をこまめにふいてあげます。
かみすぎ、ふきすぎで鼻が赤くなってしまった場合は、保湿剤を塗ってあげましょう。
両方の鼻の穴を同時に押さえてかまないように!耳に圧力がかかり、鼓膜に炎症が起きたり破れたりすることがあります。
子供の耳のトラブルQ&A
何度も中耳炎になり心配です
子供が急性中耳炎を起こしやすいのは、耳とのどをつなぐ「耳管」が大人に比べて太くて短いので、鼻や喉の細菌が中耳に入りやすいからです。
大きくなるにつれて風邪をひきにくくなり、耳管も発達するので中耳炎を起こさなくなっていくので、多くの場合は心配ありません。
中耳炎を疑う症状は?
耳の痛みと発熱が見られたら急性中耳炎の疑いがあります。
赤ちゃんは痛いと言えませんので、鼻水、せき、熱などの症状があり機嫌が悪い場合は急性中耳炎を疑います。
聞こえにくい場合は耳の中に液体がたまる、滲出性中耳炎の疑いがあります。
聞こえが悪い(難聴)に早く気づくポイントは?
赤ちゃんは「大きな音に反応しない」場合、聞こえが悪い可能性があります。
幼児期以降は「呼んでもすぐに反応しない」「話しかけた時、聞き返すことが多い」「テレビなどの音量を大きくする」などがある場合、聞こえが悪い可能性があります。
耳鼻咽喉科で聴力検査を受けましょう。
耳掃除はしないほうがいい?
耳あかは自然に外にでてくるものです。耳あかが気になる場合は、見える範囲で軽く取り除く程度にします。綿棒を使うときは耳の中に深く入らないよう短く持ちます。
耳の中を傷つけたり、耳あかを奥に押し込まないよう十分注意しましょう。
ベタベタしたみみあかがでます。大丈夫でしょうか?
耳あかが乾いているか湿っているかは体質によります。
気にしなくても大丈夫ですが、黄色っぽいドロッとした液体が出る場合は、中耳炎の膿の可能性があります。
耳鼻咽喉科や小児科を受診してください。
まとめ~子供、特に赤ちゃんの鼻・耳のトラブルに早く気づく
子供は鼻水や鼻づまりを起こしやすいものです。風邪によるものかアレルギーからくるのかはおおよそ見分けがつきます。
特に赤ちゃんは自分で痛みなどを訴えられませんので、鼻・耳のトラブルに早く気づいて上げることが大切ですね。
中耳炎にもなりやすいので、はなのかみかたにも注意してあげてください。耳の聞こえが悪くないか、普段の様子にも注意しましょう。
*11日朝日新聞朝刊掲載の瀬戸内寂聴さんのエッセイより引用
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