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健康的な食生活で体重管理~食べ過ぎによる肥満や痩せすぎを防ぐ方法

健康的な食生活は、肥満や病気の予防と健康維持につながります。いままで肥満や痩せすぎなどの指標はカロリーでしたが、体重変化とBMIを指標とし、理想的な体格づくりで健康長寿を目指すポイントをお伝えします。

健康的な食生活で体重管理~食べ過ぎによる肥満や痩せすぎを防ぐ方法

エネルギーの指標~摂取と消費の「収支結果」

以下の会話に思い当たる方は必読ですよ!食事量の調整の指標を変えましょう。

 

ダイエットのために、1日の摂取カロリーを厳密に守っているのに。痩せるどころか太ってしまったんです!

 

食べたものをすべて記録しましたか。

間食していたらその分が抜けていて、実際はオーバーカロリーだった可能性があります。

あるいは食べた食品のエネルギー量の計算が、間違っているのかもしれませんね。

摂取エネルギー(kcal)ではなく、体重の変化とBMIで理想の体格づくりをしていきましょう。

 

ダイエットのために食事量を調整しているのに太ってしまった。

こんな経験をした方が少なくないのですが、それは自分が食べたエネルギー量を、過小評価していることが多いのです。

調査の結果、約20%も過小評価する傾向があるとされています。

5年毎に見直される健康に暮らすための食事のガイドライン、「日本人の食事摂取基準」2015年版では、kcalに代わり体重の変化とBMIを指標とすることになりました。

この指標を利用した、食べ過ぎによる肥満、低栄養によるトラブルを防ぐための方法は?

健康的な食生活について、「日本人の食事摂取基準」2015年版の改訂ポイントから、見ていきます。

*BMIはBody Mass Index の略で肥満度のこと。

 

食事の摂取量の調整の指標

従来のガイドラインでは健康的な体格を保つための食事の摂取量を、性別や年齢、活動量により1日の適切な摂取エネルギー量(kcal)が決められていました。

今回の改訂では、このエネルギーをkcalではなく、

食事で摂取するエネルギーと、活動で消費するエネルギーの収支の「結果」を体重変化とBMIを指標としてバランスを見る

としました。

  • 「自分が食べたエネルギー量を過小評価している」ことがわかってきた
  • 食べたすべての食品のエネルギー量を調べて計算したり、記録するのは難しい

ことからです。

体重の変化とBMIは、健康的な食生活で肥満を予防し、生活習慣病の予防・改善を目指す理想の体格づくりをするための指標です。

体重の変化とBMI

エネルギーの指標となる体重変化とBMIは、短期的、中・長期的な収支の指標となります。

体重変化 

  • 短期的(数日や数ヶ月)なエネルギー収支の指標
  • 収支バランスが崩れていると、体重の増減がある
  • 定期的に体重を測定し、食事管理をすることが大切

BMI 

  • 中・長期的 生活習慣病予防の観点からの指標
  • BMIは身長と体重で求める
  • 基準となるBMIの範囲内にとどまるよう、体重を管理する

BMI (体格指数、肥満指数)= 体重(kg) ÷{身長(m)×身長(m)}

BMIの理想的な基準

年齢(歳) 目標とするBMI(kg/m2)
18~49 18.5~24.9
50~69 20.0~24.9
70以上 21.5~24.9

*男女共通。あくまでも参考として使用すべきである。
出典:日本人の食事摂取基準(2015年版)概要5P 厚生労働省

これまではBMIの理想は21~22くらいと言われていましたので、上記の基準の範囲は比較的幅広く感じるかもしれません。

この基準値は、病気による死亡率を年代別に解析して得られたものです。この範囲内であれば一般的には健康に悪影響を与えにくく、健康的な体格と考えられます。

 

万病のもと肥満を防ぐ

肥満=食べ過ぎはメタボリックドミノの最初の1枚!高血圧、高血糖、脂質異常症と言った生活習慣病を引き起こし、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる重篤な病気のリスクが高まります。

健康を維持するには、肥満の解消、肥満の予防が何より重要です。近年中高年男性の肥満が増加しており、女性の20%も肥満者であると報告されています。

炭水化物、脂質、たんぱく質、アルコールなどのとりすぎにより肥満がおこり、生活習慣病の要因となっていきます。

体重の変化とBMIを指標として、食事量の調整を正しく行えば健康的な食生活をおくり、肥満を予防すること。

また、肥満の解消にダイエットをする場合も、kcalで調整するのではなく、短期的には体重の変化を記録して指標とする。中・長期的には理想のBMIの範囲に留まるように調整することが大切です。

表1: 肥満度の判定基準(日本肥満学会)
BMI(数値の範囲) (肥満度)判定
< 18.5 低体重
18.5 < BMI < 25.0 普通体重
30.0<BMI < 35.0 肥満(2度)
35.0 < BMI < 40.0 肥満(3度)(高度肥満)
40.0 <BMI 肥満(4度)(高度肥満)

参考:肥満と健康 e-ヘルスネット 厚生労働省

太りやすい早食いを防ぐポイント

肥満対策の一つとして食べたと言う満足感を得るために、ながら食いを避ける、食べ物を意識しながらゆっくりよく噛んで、時間をかけて食べるようにしましょう。

食物繊維が多い食材は酵素をたっぷり含んでいるのでダイエットに良いですが、よく噛まなくては飲み込めないため、自然とゆっくり食べるようになるという利点もあります。

早食いを防ぐポイント

  • 食べるのに時間がかかるメニューを選ぶ
  • 慌てて食べない
  • 食物繊維の多い食材を使う

早食いを避けるためには、ゆっくり、味わって、楽しんで食べることを意識するだけでも、食べる量は変わってきます。

 

早食いとBMIの関係

よく早食いは太る。と言われますが、食べるスピードとBMIの関係を調べてみると

「食べるスピードが早い人ほど太りやすい」

と言うはっきりした結果がでています。

食べる速さとBMIの関係

bmi_and_eating_speed

*愛知県内に住む35~69歳(平均年齢48歳)の成人(男性3,737人、女性1,005人)を対象とした疫学調査の結果で、食べる速さ(5段階の自己評価)と肥満度(BMI: Body Mass Index)の関連をみたところ、早食いの人は現在のBMIが高い傾向にあること、さらには20歳時点からのBMI増加量も高いことがわかりました。これらの傾向は他の要因(摂取エネルギー量・年齢・喫煙・身体活動・飲酒習慣)を調整しても統計的に意味のある差であることが認められています。
出典: e-ヘルスネット[情報提供]早食いと肥満の関係

早食いが太る理由ははっきり解明されていませんが、胃の中に食べ物がたまるとその情報が脳に伝わり、満腹感を感じます。

しかし、脳に情報が伝わるには一定の時間がかかるため、早食いだとその信号が伝わる前に食べすぎてしまい、太りやすいと考えられています。

「やせ・普通・肥満」の体形別に食べる速さを比べたところ、「食べるのが速い」と回答した人の割合は、男女ともに肥満のグループが最も高くなっています(平成21年国民健康・栄養調査より)

高齢者の低栄養

無理なダイエットなどで痩せすぎの女性も少なくありません。

栄養のとりすぎは肥満につながり、健康にも悪影響が懸念されますが、食事での摂取エネルギーが少ない状態、痩せすぎも注意が必要です。

肌荒れなどの他にも、月経不順や卵子の老化をまねき不妊など、大きな影響を及ぼしかねません。

また、特に高齢者の低栄養は筋力の衰えを招き、免疫の働きが低下して肺炎など呼吸器の病気にかかりやすくなったり、筋力の低下で転倒や寝たきりのリスクが高まります。BMI指標に下限があるのは、「高齢者の低栄養」の問題があるためです。

 

意識して摂りたい栄養素

意識して摂りたい栄養素については、次回詳しく取り上げる予定ですが、高齢者はたんぱく質を意識して摂るようにしてください。

たんぱく質は免疫の働きを高め、筋肉のもとになります。肉や魚だけでなく、豆腐や卵などのタンパク源を積極的に摂りましょう。

また、よく運動をすると、お腹が吸いて食欲が湧くのでたんぱく質の摂取が増えます。すると筋肉が付き、ますます活動量が増えるという良い環境が整えられます。

日常生活の中で、こまめに動くことを心がけるだけでも違います。いきなりウオーキングや体操などに取り組む必要はありません。まずはできることから始めましょう。

 

日本人の食事摂取基準2015年版~改訂のポイント

健康維持増進のために1日あたりのエネルギーと33の栄養素について、摂取量の目安を定めていますが、2015年版では大きな改訂のポイントが3つあります。

それまで主なターゲットは健康な人でしたが、2025年問題を見据えて、生活習慣病の予防、重症化予防が目的の一つとして加わりました。

2015年版の改定3つのポイント

  1. 策定目的に、生活習慣病の発症予防とともに「重症化予防」を加えたこと
  2. エネルギーについて、指標に「体格(BMI)」を採用したこと
  3. 生活習慣病の予防を目的とした「目標量」を充実したこと

 

【主な改定のポイント】

  1. 策定目的に、生活習慣病の発症予防とともに「重症化予防」を加えたこと。

    • エネルギー・栄養素と生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病)の発症予防・重症化予防の関連についてレビューを行い、検討。

  2. エネルギーについて、指標に「体格(BMI)」を採用したこと。

    • エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標として、体格(BMI:body mass index)を採用。

    • 成人期を3つの区分に分け、目標とするBMIの範囲を提示。肥満とともに、特に高齢者では低栄養の予防が重要。

  3. 生活習慣病の予防を目的とした「目標量」を充実したこと。

    • ナトリウム(食塩相当量)について、高血圧予防の観点から、男女とも値を低めに変更。 
    • 18歳以上男性:2010年版 9.0g/日未満 → 2015年版 8.0g/日未満
       18歳以上女性:2010年版 7.5g/日未満 → 2015年版 7.0g/日未満
    • 小児期からの生活習慣病予防のため、食物繊維とカリウムについて、新たに6~17歳における目標量を設定。
出典:厚生労働省(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告より)

 

まとめ~健康的な食生活の指標は体重管理とBMI

生活習慣病の要因となる肥満や、高齢者の低栄養などの予防や改善に食事の摂取量の目安となる指標が、体重の変化とBMIです。

ガイドラインとなる「日本人の食事摂取基準」の改訂ポイントに沿って、健康的な食生活の指標について概要をお伝えしました。健康長寿を目指す理想的な体格づくりの参考にされてください。

摂るべき栄養と、摂りすぎる栄養に関しては次回でまとめる予定です。

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