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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

パーキンソン病はリハビリで悪化を防ぎ、予後を長く元気に

パーキンソン病と診断されたら、薬による治療と平行してすぐにリハビリを開始することが大切です。薬とリハビリで対処することで、自立した状態を長く維持することが可能です。

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リハビリで体を意識して動かし症状を悪化させない

パーキンソン病は、動きが自分で考えている以上に鈍くなります。精神的にも体を動かすのが億劫になり不安を感じますが、放置すると病気の症状以上に、体は動かなくなります。意識して体を動かし、悪化させないようにすることが大切。

体力、動作や姿勢、柔軟性、など運動面でのリハビリと、話し言葉のリハビリを行いましょう。

 

運動のリハビリ

歩ける人はウオーキングで体力を保つことをおすすめします。掛け声や音楽のリズムに合わせるとあるきやくすなります。ウオーキング用のストックを利用するのも良いでしょう。ストレッチや筋トレも大切ですが、医師や理学療法士に相談して適切なメニューを作成してもらってください。

ウオーキング

動作や姿勢を保つための練習にもなるウオーキングで体力を保ちます。一人で歩くのが不安な場合は、家族などと一緒に。1日20~30分を目安に毎日歩くようにします。

パーキンソン病は歩幅や腕の振りが小さくなったり、前かがみになりがちで、つま先から着地するので転びやすくなります。意識して

  • 腕を大きく振る
  • 膝を上げる
  • 歩幅を大きくする
  • かかとから着地する

ように歩きます。ウオーキング用のストックを使うと、姿勢の崩れを直しやすく、転倒防止にもなります。スポーツ用品店などで求めることができます。

すくみ足

歩こうとしてもなかなか踏み出せない「すくみ足」がある場合は、掛け声に合わせたり、音楽のリズムに合わせると、脳のリズムを取る働きが補われ、歩きやすくなります。

音楽療法

家の中で音楽を聞くだけでもリハビリの効果があります。特に、リズムのはっきりした行進曲のような音楽がおすすめ。メトロノームでリズムを刻みながら音楽を聞き、大きな動作で歩く練習をするのも効果があります。

音楽療法を行って、歩くスピードが早くなった、歩幅が広がった、という報告もあります。

ストレッチ、筋トレ

柔軟性と保つため、ストレッチや筋肉のトレーニングも大切です。パーキンソン病の人は、筋肉が緊張して硬くなると痛みがでたり、ドパミン不足で痛みを感じやすくなっています。

医師や理学療法士に相談し、あなたにあった適切なメニューを作成してもらってください。

車いすの人も行えるメニューもあるので、相談してみましょう。最近は、理学療法士が指導する、専門的なプログラムを導入している施設も一部にできています。

薬との相乗効果

最近の研究では、同じ薬を飲んでいても運動をするほうが、薬の効果が上がることがわかってきました。脳の黒質に対する運動の影響はまだ不明ですが、体を動かすことで、脳の様々な神経細胞の働きが活発になることは期待できます。

 

運動以外のリハビリ

パーキンソン病は、口やのどの動きも障がいされます。自分では気づきにくいのですが、そのため声が小さくなったり、早口になったり、ことばが出にくくなったりします。話し言葉のリハビリも必要です。

自分でできる話し言葉のリハビリは、本や新聞、会話の機会を増やす、カラオケで大声で歌うなどがあります

ゆっくり大きな声を出すように意識する

自分では声が小さくなっていることに気づきにくいものです。やりすぎかな、と思うくらい大きな声を出すのがちょうどよいくらい。誰かに聞いてもらう、自分の声を録音するなどして声の大きさを確認してみましょう。自分でできることは

  • 本や新聞を大きな声でゆっくり読む
  • 会話の機会を増やす
  • カラオケで大声で歌う

などがあります。

専門的な言葉のリハビリ

言語聴覚士が指導する、4週間の専門的な言葉のリハビリも行われています。高い効果が実証されていますが、実施している施設は限られています。関心のある方は医師に相談してみましょう。

 

日常生活の注意点

 

日常生活では、転倒と嚥下障害がある場合の対処をしっかりすることが重要です。

患者さんの半数が転倒し、その2/3は転倒を繰り返すといわれています。パーキンソン病は体の動きやバランスが悪くなるためです。転倒して骨折すると、寝たきりになり、症状が悪化することもあるので、十分な注意が必要です。また、転倒するのではないかと不安から、ますます動かなくなります。

嚥下障害があると薬が飲みにくくなったり、食事が十分にとれなくなったり、誤嚥をおこし、窒息や肺炎につながることも。

転倒予防

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転倒を防ぐには、まず薬による治療をしっかりと行い、歩行やバランスなどの障がいを抑え、運動の習慣をつけ、足腰を強くすることが大切。また、パーキンソン病の人は同時に2つのことを行うのが苦手です。歩いているときにほかのことを考えて入りうと、転びやすくなるので、歩くことに意識を集中します。

  • 薬やリハビリで症状を抑える
  • 家の中を歩きやすくする 段差、障害物をなくす 手すりをつける 床を滑りにくくする
  • 滑りにくい靴、ウオーキング用のストックを使う
  • 歩くときは、歩くことに集中する

嚥下障害

何度もむせたり誤嚥を繰り返す場合は、嚥下障害の検査を受けることが勧められます。嚥下には、口の中やのどなどの多くの働きが関係していて、嚥下障害が起こる原因も様々です。詳しく調べて適切な対策を講じましょう。

嚥下障害がある場合の注意点

  • 食事中には食べることに集中する
  • あわてて食べたり、口の中を食べ物でいっぱいにしない
  • 薬や食事にとろみをつけ、呑み込みやすくする

パーキンソン病が進行するにつれ、口の中の動きにも影響が及びます。飲食物をうまく呑み込めない、むせるなどの嚥下障害が現れて薬がうまく飲めなくなったり、食事を十分にとれなくなったりします。

また、飲食物が誤って肺に入る、誤嚥も起きやすくなりますが、健康な人のように咳き込んですぐに吐き出すのが難しいため、誤嚥が起きると肺炎や窒息につながります。

口の中を清潔にしておくことも大切です。誤嚥がおきても、呑み込んだものが清潔であれば肺炎は起きにくいからです。咳を出す訓練が行われることもあります。

 

家族や周りの人にできること

パーキンソン病についてよく理解することが大切です。パーキンソン病は治療で改善します。薬が効いていれば健康な人とあまり変わらない生活が送れます。必ずしも病人扱いする必要はありません。

見守りや姿勢、発声の促しを

薬の飲み忘れや自己判断で飲まなかったりすることがないよう、見守ります。また、動作が遅くなるので、焦らず待ちましょう。食事をせかすと誤嚥につながり、速く歩かせると転倒を招きます。

本人が気づきにくいのが姿勢の悪さと、声の小ささです。姿勢が悪いままだと、体の負担が増して痛みが出たり、日常生活が障害されます。注意してあげましょう。

声が小さい場合は家族や周りの人が大きな声でゆっくり話すと、自然に大きな声で話すようになります。会話の機会を増やし、たくさん話してもらうようにすることもよいでしょう。

 

リハビリは医師の指導の下で行いましょう。自己判断で進めるとかえって悪化させてしまう可能性もあります。家族も一緒に医師の説明等聞いておくとよいですね。

 

まとめ

パーキンソン病は薬がよく効く病気です。さらにリハビリも同時に開始することで、自立して生活できる期間を長くする、生活の質を高めることも可能となります。パーキンソン病と診断されたとき、予後のQOLを高めるには、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。

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