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健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

ステロイド副作用~アトピー治療ステロイド剤の上手な使い方と塗り方

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根本的なアトピー治療の方法はまだないのですが、

  • 皮膚バリアを強化するスキンケア
  • ダニやホコリ等、悪化因子の除去
  • 炎症や痒みを抑える薬物療法

の3つでアトピーを改善し、症状をコントロールします。誤解の多いステロイド剤、きちんと理解し、正しい使い方を覚えてください。

 

 

ステロイド剤→副作用→こわい→やめる→悪化

 

誤解の多いステロイド外用薬ですが、先入観や誤った情報に振り回されないことが大切。ステロイド剤の上手な使い分け、塗り方を知り、適切な治療で症状をコントロール、アトピーの改善を目指します。

 

ステロイド剤の誤解と薬の使い方

ステロイド外用薬は、誤解も多く、使いたくないという患者さんもいます。また、医師の指示のとおりに使っていない、誤った使い方をしている人も少なくありません。まず、薬の使い方を確認。

 

ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を使った治療は、科学的に効果が証明されています。

 

 

ステロイド剤の上手な使い方と塗り方

  • ステロイド剤を塗ってもなかなか良くならない
  • 薬があまってしまう

と言う患者さんが多いです。

 

アトピー治療では例えば中等症で、頭、顔、体に症状がある場合、何種類もの薬が大量に処方されます。なぜ何種類もあるのか、その意味を理解して上手に使うことが、症状の改善に結びつきます。

 

体の部位により違う薬が処方

ステロイド外用薬の吸収率は、体の部位によって、皮膚の角質の厚さが違うので、それぞれの部位によって違う薬が処方されます。例えば中等症で頭、顔、体に症状がある場合、各部位に適性な量を塗るためには、大量のステロイド剤が処方されます。

 

ステロイド外用薬の吸収率

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ステロイド外用薬の5つのランク

  • I群ストロンゲスト(最強)
  • II群ベリーストロング(かなり強い)
  • III群ストロング(強い)
  • IV群ミディアム(中程度)
  • V群ウィーク(弱い)

患者さんのどこに症状が現れているのかなどを、総合的に判断して薬を選択しています。医師の指示通りに使わないと、十分な効果を得られないし、かえって悪化させてしまいます。

 

薬の塗り方

皮膚に薄くすり込むと、患部に薬が行き渡りません。たっぷりと指に取り、ベタベタしてティッシュペーパーが張り付くくらい、皮膚の上に乗せるように塗ります。薬が余るのは、塗る量が少ないためとも考えられます。

 

大人の手のひら2枚分の面積に、人差し指の先から第一関節までの量を塗ります。

この量を、1FUT(Finger Tip Unit)と言います。

 

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皮膚がキレイになってきても、薬は継続します。薬を使う頻度を徐々に減らしたり、ランクを下げたステロイド剤や、タクロリムス外用薬に変更して行きます。悪化するようなら薬を使う頻度を増やし、落ち着いたら再び間隔を明けて使います。

 

この方法を続けると、再発までの間隔があくようになり、キレイな肌で過ごせる時間が長くなります。

 

薬の使い方

ステロイド外用薬を使うときには、「少し良くなると中止」を繰り返すと、次第に症状は悪化します。

  • 炎症が落ち着いてキレイになっても、毎日から2日に1回、3日に1回、というように徐々に回数を減らしながら使う
  • 悪化したら回数を増やす、改善されたら回数を減らす

これを繰り返しながら使い続ける

 

中途半端に使わない

治療の効果で皮膚がキレイになっても、薬は継続して塗ることが大切。皮膚の炎症が落ち着き、キレイになってくると薬をやめてしまう場合が多い。しかし、表面はキレイに見えても、皮膚の下ではまだ炎症が続いています。治療をやめると、すぐに再発してしまいます。

 

また、中途半端にステロイド剤を、使ったり辞めたりを繰り返すと、再発も繰り返し、徐々に症状が重くなっていきます。

 

根気よく薬を使うことで、少量の薬で皮膚の症状をコントロールできるようになり、軽症や中等症の患者さんなら、最終的には薬を使わず、スキンケアだけで良い状態を保つことも可能になります。

 

アトピー治療に使われる主な薬は、皮膚の炎症を鎮める

  • ステロイド外用薬(抗炎症作用)
  • タクロリムス外用薬(免疫調整作用)

かゆみに処方されるのみ薬

  • 抗ヒスタミン薬
  • 抗アレルギー薬

です。

 

アトピーが生活に与える影響

アトピー性皮膚炎は、痒みを伴う湿疹が顔や体にできて、「良くなったり悪くなったり」を繰り返す慢性疾患です。赤ちゃんから大人まで多くの人が悩んでいます。

 

強いかゆみに悩まされるだけでも辛いのに、人目につく肌がボロボロになるため、人と合うのが怖くて引きこもりになったり、いじめにあったり、不登校になったりすることも有ります。就職や結婚を諦める原因になったりもします。

 

 

ステロイド剤の誤解を解消

副作用で皮膚が厚く硬くなる、黒ずむ、体に成分が蓄積すると言ったイメージが強いステロイド剤。一般的にコワイ、と思われている症状などについて、正しい理解をすることが治療にも重要です。

 

よくある誤解、疑問を3つ、簡単に解説しましょう。

 

皮膚が厚く硬くなったり、色素沈着で黒くなる

ステロイド外用薬を長い間使い続けると、皮膚が白く薄くなることがありますが、副作用で皮膚が厚く硬くなったり、黒くなることは考えられません。

 

アトピー性皮膚炎が重症化して症状が強く出ているもので、副作用ではないです。(自己判断で薬の量や回数を減らし、効果が十分に発揮されずに、炭火のようなくすぶった皮膚の炎症が長く続き、だんだん皮膚が厚く硬くなったり、黒くなることがあります。)

 

成分が体に蓄積する

現在のステロイド外用薬は、皮膚から体の中に吸収されても、すぐに分解、体外に排出されます。薬の成分が体に蓄積することはありません。

 

ステロイド外用薬の副作用

  • 皮膚が薄くなる
  • 毛細血管が拡張する(血管に作用)
  • あざ(皮下出血)ができる(血管壁に作用)
  • ニキビ
  • 毛深くなる

などの副作用が現れることもあります。

 

これらの多くは特に顔に表れやすいので、使用するステロイド外用薬は慎重に選びます。第III群のステロイド外用薬と同程度の効果があり、副作用の少ないタクロリムス外用薬がよく使われます。

 

 

まとめ

なかなか改善できないことから、科学的根拠が不明確な情報にすがり、かえって症状を悪化させているケースも後をたちません。

 

アトピー治療の薬物療法は、先入観や誤った情報に振り回されず、医師の指導に基づいた、薬の使い分けと正しい塗り方をすることが重要。疑問があれば、納得のいくまで医師に尋ね、自己判断で薬を辞めないようにします。

 

適切な薬の使い方で治療を続ければ、症状をコントロール、アトピーと上手に付き合っていくことが可能です。

 

 

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