卒業旅行で海外へ、ということも多くなりましたが、出発前から準備が大切ですよ。健康管理はちゃんと考えていますか? 普段健康であっても、一応の備えをしておくほうが安心です。卒業旅行で海外に行くときの健康管理対策、出発前の準備から旅行中の注意まで。
海外旅行の健康管理、事前準備と旅行中の注意
卒業シーズンですね。卒業旅行なるものが登場したのはいつ頃からでしょうか。最近は小学生がディズニーランドへ卒業旅行、なんていうこともあるみたいです。
大学生だと、卒業旅行が海外ということもあるようで、なんとも羨ましい。
薬を常用していたり、持病がある場合は勿論、普段健康な人も海外旅行での健康管理を事前にしっかり考えて準備しておくことが楽しい思い出づくりには重要です。
楽しい思い出づくりに
国内での不測の事態なら、なんとか対応は出来ますが、海外での病気や事故となると、「健康だから、問題ない!」と思っていても、何が起こるかわかりません。
まして言葉が堪能でなければ症状や状況を、詳しく伝えることも出来ません。
卒業旅行で海外へ行くとき、考えたいのが健康管理対策です。出発前の事前準備と旅行中の注意についてまとめましたので、チェックしてみてください。備えあれば憂いなしです。
出発前の事前準備
確認、準備しておきたい主なものは状況によりますが、以下の4つです。
- 海外現地スタッフが日本語で対応してくれるか
- 健康状態をチェックして、旅行用診断書を用意
- 英文の診断書、薬剤傾向証明書、メディカルアラートカードを準備(持病やアレルギー、体内にペースメーカー等を入れているなどの場合)
- 薬の準備
行く場所によっては予防接種証明書が必要な場合もあります。
海外旅行傷害保険には必ず入っておきましょう。海外の医療機関を受信すると、高額な料金を請求されます。
海外の現地スタッフの対応
海外ツアーで添乗員さんや現地スタッフが対応してくれる場合は、殆どの場合日本語で大丈夫ですが、格安ツアーなどでは現地スタッフがあまり日本語が得意でない、そもそもスタッフがいない、ということもあります。
ツアーを申し込む際に、スタッフの有無、日本語OKかは、必ず確認するポイント。
体調が悪くなったら、ツアーなら添乗員や現地スタッフ、ホテルに泊まっている場合は、フロントやコンシェエルジュに相談すると良いでしょう。
海外旅行保険に加入している場合は、医療機関の紹介状を受けられる場合もあります。
健康状態をチェック
定期的に健康診断を受け、特に問題のない人はあまり心配することはありません。万一に備えて
- 持病はない
- 薬・食べ物に対するアレルギーはない
- 連絡先
など自分の情報を書き込んだ、英文の旅行用診断書を用意するのが理想です。
健康診断を受けていない場合は、隠れた病気があって、それが旅行先で急に現れたりすると、重大な事態につながりかねないので、出発前に是非受けてください。
持病がある人は、まず旅行に言っても大丈夫かどうか確認し、旅行中の注意点を聞いておきます。
例えば気管支喘息など呼吸器の病気がある人が、大気汚染の強い地域に行くと発作を起こすことがあります。対応を確認しておくことが大切です。
英文の診断書を準備
以下に当てはまる人は、事前に英文の旅行用診断書、メディカルアラートカードなどを持参することをおすすめします。
- 持病がある
- 薬や食べ物にアレルギーがある
- ペースメーカー、人工関節やプレートを体内に入れている
など
メディカルアラートカードとは、病状や注意事項を記入したカードで、意識を失うなど緊急時に、必要最低限の情報を医師に伝えることが出来ます。
薬を常用している場合は、国によっては薬の規制が厳しいこともあります、旅行先の情報を確認し、英文の薬剤携行証明書を準備します。
インスリンやアドレナリンなどの注射薬や、向精神薬、医療用麻薬等を航空機内に持ち込む場合も、薬剤携行証明書を準備。
思わぬ日程の変更に備え、旅行日数に5~7日分の薬を用意して、手荷物に入れるようにします。
薬の準備
旅行中は疲労や環境の変化から、胃を痛めたり、頭痛を起こすなど、体調を崩しがちです。外国語で症状を説明し、必要な薬を手に入れるのは大変です。
普段家で使用している痛み止め、風邪薬、整腸剤などの常備薬や、粉末のスポーツドリンク、経口補水液などを手荷物ではなく、スーツケースなど預ける荷物に入れておきましょう。
トラベルクリニックでは、マラリア予防薬、高山病予防薬、下痢止め、抗菌薬などの処方を受けられます。
予防接種
短期の海外旅行では、多くの国で予防接種は不要ですが、入国時に予防接種証明書の提示が求められる国もありますので、良く確認しましょう。
衛生環境の良くない国へ行く場合は、破傷風とA型肝炎の予防接種を受けることをおすすめします。
海外の多くの国で、狂犬病が残っています。不用意に犬や狐などに触らないことです。
2旅行中の注意
旅行にいく前に忙しかったり、重い荷物を持って空港内を、長時間歩いたりすることが負担になることもあります。
- 航空機内の過酷な環境
- 時差
- なれない気候や食事
などでも、身体への負担が思ったより大きくなりがちなので、できるだけ負担を減らす工夫をしましょう。
負担を減らす工夫
深部静脈血栓症/肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
航空機内では乾燥、低気圧、低酸素なので血中の酸素濃度は5%ほど減少します。感想による脱水、長時間同じ姿勢で座り続けると、深部静脈血栓症/肺塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群が起こることがあります。
予防
- 水分を補給する(アルコールやコーヒーなどは脱水作用があるので飲み過ぎに注意)
- 座席でかかとやつま先を上下に動かす
- 時々たって機内を歩く
- 締め付けのないゆったりした服装
時差ボケ
- 到着地の生活リズムに慣れる
- 現地の食事時間に食事を摂る
- 日没まではベッドに入らない
- 体内時計を整えるため、日光を浴びる
下痢対策
海外旅行中のトラブルで一番多いのが下痢です。細菌感染、水の違い(日本の水は軟水、海外は硬水が多い)、油や香辛料の違い、疲労などが原因となります。
水分補給をしっかり行ない整腸剤をのみます。事前に下痢止めや抗菌薬を処方してもらっている場合は、症状に合わせて使用します。
ただし、下痢は身体の中に入った異物を排出するために起こる、身体の防御作用の1つなので、すぐに下痢止めを飲むのではなく、水分補給を行いながら様子を見ることも大切です。
高熱や血便、頻回の下痢の場合は、現地の医療機関を受診しましょう。
- 水や食べ物に注意する
- 生物は避け、しっかり火の通ったものを食べる
- 生水(水道水)は避け、ボトル入りのミネラルウォーターを飲む
- 生ジュース、カットフルーツ、氷の入った飲み物は避ける
感染症に注意
ジカ熱、エボラ熱、デング熱などの感染症の情報は厚生労働省検疫所のホームページで得ることが出来ます。
渡航先の医療機関の情報は、外務省のホームページなども参考になります。
外務省 世界の医療事情
まとめ~海外旅行の健康管理は事前準備から
海外旅行に行くときは、環境の変化で体調を崩しても対応出来るよう、事前準備をしっかりすること、旅行中も健康に注意することが大切。
楽しい思い出を、たくさん持って帰るためにも、健康管理をきちんとしてくださいね。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ