実は不妊の原因の半分は男性にあります。しかし、実際に治療で心身への影響が大きいのは女性の方です。男性が女性をいかに思いやることが大切なのか、元大関の小錦さんの談話に感動を覚えましたのでご紹介します。
出来ることをやるだけ
男性の不妊症の原因の一つに無精子症がありますが、元大関でタレント・アーティストとして活躍されている小錦八十吉さんもその一人。10年以上不妊治療をつづけていらっしゃるそうです。
1月23日朝日新聞朝刊に、「男性不妊、できることするだけ タレント・アーティスト、小錦八十吉さん」という記事があり、小錦さんの不妊治療への考え方が談話として載っていたのですが、奥様への気遣い、優しさと言った素敵な言葉が溢れているのです。
結婚前に判明した無精子症
結婚前に精子がないと診断を受け、結婚後にも精密検査を受けたそうですが、結果なはやはり変わらず。悲しくて奥様と一緒に泣いたそうです。
でもそれだけ。そこからは、できることを探すしかないから。僕はネガティブな人間じゃないんだ。悩んだって結果は変わらない。できることを探して実行するだけだよ。子どもがほしいなら、そうする他ない。近道も遠回りもないと思っているよ。
検査の結果は確かに悲しかったけれど、「精子がいない」ということを悩んでも何もかわらない、「出来ることはなんでもやる」という積極的な姿勢で前を向いています。不妊に悩む男性には「恥ずかしがらず、まず検査を」
恥ずかしがらず、情報交換が大事
僕は勝負の世界で生きてきた。スポーツでは勝敗はつきものだ。だからこそ、結果は素直に受け入れる。でも悩むことはしないんだよ。だって結果は変わらないだろ。できることをするだけなんだよ。
男性の中には、自分が無精子症であることを恥ずかしがって隠す人もいます。小錦さんは恥ずかしいことではないし、悩んでも変わらない。
自分の事を話すことで同じ経験をした方と情報交換もすることができるよ、挑戦する治療方などを知ることもできるよ、とおっしゃっています。
新しい治療を2年前に始めたり、友人から聞いたシンガポールでのマッサージも試してみたいということです。
不妊の原因の半分は男性にあるというけれど、男性で検査を受ける人は、女性に比べるとまだ少ないんだろう。検査を受けることでわかることもある。子どもがほしいと思うなら、できることを着実に積み重ねるしかないと思う。そのために男性にできることは、まずは検査を受けること。恥ずかしがることなんてないよ。
男性が原因の不妊でも治療の主体は女性
小錦さんの考え方で、一番共感したところです。ご自分が無精子症で不妊の原因となっているけれど、実際に出来る治療はほんの一時の事。女性の方が治療を受ける主体である、と、女性の心や体を自然体で思いやっています。
不妊の原因が男性にあっても、治療を受ける主体になるのは女性なんだ。男性にできることなんてほんの少し。(睾丸切開の)手術だって、ほんの一時のことだから。だから、僕から妻に治療を促したことはない。女性のタイミング次第だからね。
まとめ~不妊治療は二人で一緒に
不妊に悩むカップルは晩婚化も相まって増えています。不妊治療は心身への影響も大きい上に、金銭的な負担もおもくのしかかり、夫婦仲にヒビが入ることも少なくありません。
小錦さんのように不妊治療を捉え、2人で一緒に治療することで絆も更に強まるのだと思いました。
僕にできることは、普段通りの生活をして、彼女のサポートをするだけ。僕は、僕の父がしていたように家族を支えたいと思っている。僕は10人きょうだいの8番目として育った。父は仕事に打ち込みながら、母と家族に愛を持って接していた。本当に尊敬しているよ。僕もそうありたいと思っている。だから妻にできることはしてあげたい。
引用: 朝日新聞デジタル 2017年1月23日
「Anのひとりごと」~今日も1ページ
追記:
今朝(24日)の朝日新聞より。東京都が2017年から少子化対策として、不妊検査費の一部を助成する独自制度を始めるそうです。35歳未満の男女が対象で早期の不妊治療を促すのが狙いだとか。
参考
男性不妊の原因の一つ「無精子症」について、細胞の核の中でDNAが巻き付いているたんぱく質の違いが関係していることを、中部大学などの研究グループがマウスを使った実験で明らかにした。米科学誌セル・リポーツ(電子版)に18日、発表する。
出典: 朝日新聞デジタル 2017年1月18日