子供が欲しいのにできない。年齢的にそろそろ子作りを。とはじめての妊活を考えたらまず、妊娠に必要な栄養素や、良いとも悪いともいわれる妊娠サプリ、一番妊娠しやすい日の誤解など、妊活準備について考えてみましょう。
妊活と不妊治療の違い
妊活と不妊はどう違うのか、という疑問がありますが、シンプルに考えると、子供がほしいのになかなかできないカップルが、
- 不妊治療
妊娠するために医療機関でホルモン療法や人工授精などの治療を受けたり、少しでも妊娠の可能性を高めるためのサポートを受ける。 - 妊活
病院に行く前に、妊娠についての正しい知識を身につけ、自然妊娠のために栄養バランスを整えたり、生活習慣を見直したりして、妊娠しやすい体、環境を作る。
と言ったことになります。
実際には不妊治療を受けているカップルでも、妊活と同じように栄養バランスを整える、生活習慣の見直しと言った事を行いますので、妊活というくくりの中に不妊治療も含まれるイメージがあります。
※不妊の定義は前回のエントリーでもお伝えしましたが、「妊娠を希望しながら避妊することなく1年間生活していても妊娠しない場合」です。
妊活準備のポイント
女性も男性も、年齢を重ねれば自然妊娠の確率は低くなります。女性の年齢が概ね35歳を過ぎたら、妊活をして半年たっても妊娠できない場合、30歳を過ぎたら1年ぐらいが医師に相談するタイミングと考えましょう。
不妊治療は時間的にも経済的にも、そして心理的にもとてもハードルが高いものです。できれば最後の手段としたいのが本音でしょう。
今回は主に女性の妊活準備についてご紹介していきます。
今すぐ子供が欲しい人はもちろんですが、これから子作りを考えるときに「妊娠しやすい身体」「いつ妊娠しても大丈夫な身体」を作る妊活準備が大切です。
セルフチェック
まず、自分で出来る体のチェックを行いましょう。男性は自分ではわかりにくいので、おもに女性のセルフチェックについてご紹介します。
女性
- 自分で出来る体のチェック
- 月経周期
- 基礎体温の変化
男性
- 精液に精子が含まれている(医療機関で検査)
- 膣内で射精できる
病院で受けたい体のチェック
最近では妊娠に向けての健診メニュー(ブライダルチェック等)を行っているクリニックもあります。
職場や自治体による健康診断を毎年受けることが大切で、それにプラスして妊娠に関して確認しておきたい検査があります。
定期検診で受けておきたい検査
- 体調▶体重・血圧・血液検査に加え、子宮頸がん検診
- 感染系▶感染症の抗体検査(風疹、水痘、性感染症など)
オプション検査(自費で高額。体調管理や妊娠しやすい体づくりの参考に)
- AMH検査(抗ミューラー管ホルモン検査)
- 毛髪ミネラル検査
- 遅延型フードアレルギー検査
※定期検診にプラスする検査について、オプション検査の内容やどのような場合に進められるのかなどは、ここでは割愛します。希望がある場合や、知りたい場合などは医師に相談し説明を受けてください。
誤解されやすい「一番妊娠しやすい日」とは
月経の周期、卵子、精子の寿命から考えると、排卵日の前から精子を膣内でまたせておき、卵子を迎えるのが一番妊娠しやすいタイミングです。
一般的に一番妊娠しやすい日は、排卵日の2日前から当日と思われがちですが、実際は前後1週間ほどが一番妊娠しやすい日となります
楽しむ心のゆとりを
市販の妊娠チェッカーでは、排卵がわかるのは36時間ほど前からです。排卵のタイミングは多少前後するので、排卵日にこだわりすぎると妊娠の確率は下がってしまいます。
また、「狙いすぎてタイミングを外してしまう」「狙いすぎてパートナー(特に男性側)がストレスを感じる」という子作りだけの関係になってしまっては、妻だけEDになる可能性も否めません。
できれば排卵日にこだわらず、普段から自然に夜の生活を楽しむことが理想ですが、なかなかそうできない場合は、排卵日の前後1週間、できるだけパートナーとの時間を楽しみましょう。
安定した排卵を確認
妊娠に必要なのは、安定した排卵です。基礎体温と月経でセルフチェックできます。月経周期は個人差がありますが、およそ25日~38日が正常範囲とされています。
排卵はおよそ次の月経予定日の2週間前が目安で、排卵が起こると高温期に移行します。周期の数え方は
【前回月経が始まった日から、今回月経が始まった日の前日までの日数】
です。
体温の変化はわずかです。基礎体温は測り方や時間でかなり上下しますので、毎朝ほぼ同じ時間におき、同じ体温計を使って布団の中で測りましょう。
体温計は舌下用で小数点以下2桁表示のものを使ってください。
基礎体温表
ネットで無料でダウンロードすることもできます。使いやすいものを利用してください。
最近は測定結果を記憶する体温計や、スマートフォン用アプリもあります。手軽に続けられる方法を選んでください。
排卵が安定しているかどうかの目安
低温期(月経開始から排卵まで)より0.3度ほど体温が上がる高温期が12日以上続く
- 安定した月経周期
- 安定した排卵
基礎体温のチェック
基礎体温のチェックは、3周期ほど確認し、安定した月経と体温変化が有れば妊活中ずっと測り続ける必要はありません。また、月経が定期的にあるなら、ちょっと手抜きをして、
【月経開始日の10日後から次の月経予定日の10日前までを3か月間測る】
という方法でもOK。安定した排卵があるなら、この期間内に低温期から高温期に移行するという変動があるはずです。
月経周期が一定ではない、体温の変動がわからないと言った場合は、婦人科で相談し改善することをお勧めします。
また重い生理痛がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫と言った婦人科系の病気があることも。我慢せず婦人科を受診してみましょう。
妊娠に必要な栄養素
元気な卵子と精子を育てる基本も、質の良い食材とバランスの取れた食事です。
タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素に食物繊維を毎日の食事でバランス良く食べること。健康を維持するための食事をしていれば特に問題はありません。
しかし、食生活の乱れで不足したり、食事からだけでは不足しがちな栄養素もあります。女性に多い貧血は「鉄欠乏症」のものが多く、カルシウムは多くの場合不足しがちです。
妊娠時に特に必要な栄養素は、葉酸、亜鉛、鉄、カルシウム、その他にもマグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12、DHAなどです。
不足する栄養素を補うサプリメント
食事からでは不足しがちな栄養素を補おうと摂るサプリメントも、成分によっては
- しっかり摂りたいもの
- 取らないほうが良いもの
があります。赤ちゃんや母体の健康に影響が大きい葉酸や鉄・カルシウムなどはしっかり摂りたいサプリです。
しかし、サプリメントの成分は、妊婦にとって安全かどうかわかっていない成分が多く、妊活中のサプリメント選びは、安全だとわかっている成分だけにすることが大切です。
量については、実験することはできませんのでメーカーの信頼性や栄養素の量、添加物の内容や量、吸収率などで、自分なりの判断基準を持つことも必要です。
葉酸は厚生労働省が妊娠初期の先天異常、神経管閉鎖障害の予防に効果があると、葉酸サプリの摂取を推奨しています。
サプリとの相性
オプションでオススメの遅延型フードアレルギー検査は、実はサプリを選ぶときに役立ちます。
食事は毎日メニューが変わりますが、サプリメントは同じものを毎日摂り続けます。相性の悪い成分が含まれていると、健康をサポートするのではなくむしろ不調の原因にもなりかねません。
有効成分は言わずもがなですが、注意したいのはサプリメント作るためや、品質保持のために使われる添加物との相性です。
添加物といってもサプリメントの品質を均一にしたり、品質が劣化しないために必要なもので、通常の食品にも使われている安全性の高い成分ですが、体質によってはこれに反応してしまうこともあります。
はっきりした症状はすぐには現れませんが、一定期間取り続けると消化不良や疲労感、肌荒れなど、不調の原因となっていたりします。
遅延型フードアレルギー検査を受けることで、これらのリスクを回避し、体質改善や快適な妊活を送る参考になりそうですね。
まとめ
子供が欲しいのにできないからと妊活を始める前に、まず妊活準備をすることも大切です。妊娠しやすい体を作るには体の事を知り、栄養のこと、不足を補うサプリメントについてなどの知識をもち、初めての妊活をパートナーと協力してすすめましょう。
サプリメントの利用は体調の改善や健康にちょっと力を貸してくれるもの、くらいに捉え上手に利用してください。
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