健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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夜中にトイレに起きる~腎機能低下の原因と夜間頻尿対策

夜中にトイレに起きる回数が増えた、という悩みは過活動膀胱などで見られる症状の一つですが、膀胱のトラブル以外にも、腎機能が低下しても夜間頻尿になることがあります。腎臓の働きや、夜間頻尿対策をお伝えします。

夜中にトイレに起きる~腎機能低下の原因と夜間頻尿対策

夜中にトイレに起きるのは腎機能低下のサインかも

腎臓は血液のろ過を担う大切な器官で、尿を作り出す機能があります。体の血流を一定のレベルに保つレニン、アルドステロンと言ったホルモンは尿の生成を抑制します。

腎機能が低下すると、このホルモンがより活発に働き尿が出にくくなります。しかし、夜就寝するとこれらのホルモンの働きは弱まり、日中に出せなかった分まで尿が出やすくなるので、夜中にトイレに行く回数が増えるのです。

腎臓に原因がある場合の夜間頻尿は、体にわるいことが起こっているわけではなく、腎機能の低下を体がカバーしているのです。水分を控えたり頻尿の薬を飲むと、腎機能は更に低下してしまいます。

 

慢性腎臓病3つのサイン

腎機能が低下してくると、自覚症状がいくつか現れてきます。血液検査で毒の代表ともいえる、クレアチニンと言う物質の数値を測ることはもちろん大事ですが、自分の体の調子を把握し、以下のような腎臓病の大きな3つのサインを見逃さないようにしましょう。

慢性腎臓病のサイン

  • 足がむくむ
  • 尿が異常に泡立つ
  • だるい、息切れがする

足がむくむ 
腎機能が低下しているときの最大のサインです。靴下の後がなかなか消えないなどがないか、注意してチェックをしましょう。

尿が異常に泡立つ 
尿にたんぱく質が出ていると尿が泡立ちます。夜間頻尿と合わせておしっこをしっかり観察しましょう。

だるい、息切れがする 
だるくてやる気がおきない、少し歩いただけで息が切れるなどの症状も、腎機能が低下しているときの症状です。

腎臓の働き

頻尿といても、その原因が膀胱にあるのか、腎臓にあるのか、そこをしっかり見極める必要があります。腎臓に問題がある場合に水分を控えるのは、とても危険なことだからです。

腎臓は体の下水処理工場で、尿で体の毒を外に出す働きをしています。

糸球体という直径0.2cmほどの毛細血管の塊で、その中を血液が通ることでろ過され、毒や余分な水分などを尿として排出し、きれいになった血液を再び全身へと送る役割を果たしています。

腎機能の低下、慢性腎臓病は尿で毒を外に出すことができなくなる病気です。体に様々な悪影響が起こり、最悪の場合は心筋梗塞や脳卒中などの引き金ともなります。

 

慢性腎臓病の予防

慢性腎臓病は肥満、糖尿、高血圧と言った生活習慣病に原因があることが多いです。腎臓は細い血管の集まりなので、血管を痛めるものは腎臓にも悪いということです。

慢性腎臓病を予防するためには、生活習慣病の予防が大事です。日頃から適切な予防策を取って腎機能を正常に保つこと。心筋梗塞や脳卒中と言った重篤な病気も防ぐことは可能です。

日常生活での注意点

日常生活で気を付けたい5つのポイント

  • しっかり水分を摂る
  • 塩分を控える
  • 生野菜や果物をしっかり摂る
  • 動物性タンパク質は食べすぎない
  • 有酸素運動を積極的に行う

しっかり水分を摂る 
腎臓にとっては脱水が最も危険な状態です。一日に1.5lを目安に、多めに水分を摂るように心がけましょう。
ただし、むくみがひどい場合は医師に相談してください。

塩分を控える 
塩分を控え、血圧が高くなりすぎないように注意しましょう。
高血圧は腎臓にも大きなダメージを与えます。

生野菜や果物をしっかり摂る 
生野菜や果物に含まれるクエン酸は、腎臓に良い影響を与えます。
しかし、すでに腎機能が低下している場合は食べてはいけません。

動物性タンパク質は食べすぎない 
肉、魚、乳製品など、動物性蛋白質は腎臓に負担をかけます。
動物性たんぱく質も体にとって大事な栄養素ですが、腎機能が著しく低下した場合は、厳しいたんぱく質制限が必要となります。

有酸素運動を積極的に行う 
ジョギング、ウオーキング、水泳などの有酸素運動は血流を良くします。
腎臓にとってもよい影響があるので、毎日積極的に運動をしましょう。

腎臓病の正しい知識を身につける

情報があふれている現代では、ちょっと検索すればいろいろな情報を得ることは可能です。しかし、社会問題となった情報サイトもあり、正しい情報を選ぶことが重要です。と言っても学術的なサイトでは一般人にはわかりづらいことが多いですね。

腎臓病について、概要や検査、治療法、透析などについて、わかりやすく細かく解説している信頼できるサイトも多いです。製薬会社などもありますので、運営者情報を良く確かめて利用しましょう。(あえてご紹介はしません)

クレアチニンの数値、年齢、性別を打ち込むと自分の腎臓のダメージ程度をチェックできる機能があるサイトも多いです。

不安がある場合は必ず医療機関を受診し、医師に相談してください。

 

クレアチニンの数値と腎機能

尿が体の外に排出している毒の代表がクレアチニンです。筋肉で作られて血中に入る物質ですが、腎臓でろ過され、ほとんどが尿として体外に排出されます。

クレアチニンは筋肉を使った後に作られる燃えカスのようなもので、その量は筋肉量に比例します。なので男性の方が多く作られます。

特定健診の血液検査では、タンパク、血液、糖の3つを測りますが、クレアチニンの数値も調べてもらうようにしましょう。

クレアチニンが排出されるしくみ

クレアチニンの数値は人によって変わりますが、おおむね0.6以下が正常です。女性では0.8、男性では1.1程度で腎機能が40%程度ダメージを受けている場合もあります。

  1. 腎臓が正常な働きをしているとき 
    たんぱく質は排出されず、クレアチニンだけが外に排出さる(毒を外に排出し、血液をろ過している状態)
  2. 慢性腎臓病(初期)
    たんぱく質もクレアチニンも一緒に外に排出されている
  3. 腎硬化症(腎臓の動脈硬化が進んだ状態)
    クレアチニンが排出されなくなる

尿検査で尿たんぱくの数値が高い場合は、2の状態であり、糖と一緒にたんぱく質が排出されているということで、注意が必要です。

クレアチニン量が男性2.0、女性1.5以上になると、末期腎不全への信仰が確実となり、近い将来透析の導入が必要となってきます。

また、腎臓はカルシウムを体内に吸収させるビタミンDを作っているので、腎機能が低下すると骨ももろくなります。

 

まとめ

夜中にトイレに起きることが多くなった場合、膀胱ではなく腎臓の機能低下が原因の場合もあります。この場合水分を控えることは非常に危険。夜間頻尿の原因が膀胱なのか腎臓なのかを診断することが重要です。

夜間頻尿の原因ともなる慢性腎臓病の予防には、生活習慣に注意して日ごろから適切な予防策をとり、腎機能の低下を防ぎましょう。心筋梗塞や脳卒中と言った重篤な病気も未然に防ぐことが可能となります。

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参考 

CKD診療ガイドライン2014 日本腎臓学会 
慢性腎臓病 厚生労働省 
慢性腎臓病 循環胃病研究センター 循環器病情報サービス