肩こりが起こるメカニズムに注目してみましょう!ストレス社会で頑固な肩こりに悩んでいるあなた。肩甲骨ごとはがしたい!と思うことも多いですよね。辛い肩こりを和らげるにはどうしたら良いのか。まずは敵を知ることが大切
肩こりが起こりやすい条件とメカニズム
多くの人が痛みの程度は違えども悩まされている肩こり。慢性化した頑固な肩こりに半ば諦めの境地で付き合っている人も少なくありません。
それでも、少しでも辛さを和らげるために、良いとされることはなんでも試そう。誰もがそう感じていると思います。
最近、これまでよくわかっていなかった肩こりが起こるメカニズムが、様々な研究で少しずつわかってきました。注目されるのは骨、筋肉、神経、血管の4つです。いずれか1つにでも問題があると、肩こりが引き起こされます。
今回はこの内、骨が原因で起こる肩こりのメカニズムを確認してから、つらい痛みを和らげる対策について後半でお伝えしています。
肩こりが起こる原因→「条件」
- 運動不足
- ストレス
- 悪い姿勢
- 冷え
などが肩こりが起こる原因として挙げられています。また、肩こりが起きる原因として、この他にも歯のかみ合わせの不調和や交通事故などの影響も考えられます。しかし、これらは肩こりが起こりやすい「条件」です。
実際に身体のどこにどんな異常が起きて肩こりが起こるのか、肩こりが起こりやすい条件がどのように関係しているのかは、今まではっきりしていませんでした。
注目される4つの部位がどのように関係するのか。最近わかってきた肩こりが起こるメカニズムと、痛みを和らげる対策を数回に分けて確認していきます。
1回目は「骨」です。つらい肩こりを和らげるには、まず敵(肩こり)の正体を知ることが大切!
肩こりが起こるメカニズム
- 骨、筋肉、神経、血管の異常で引き起こされる
(運動不足、冷え、悪い姿勢、ストレスなど
→異常が起こりやすい条件)
原因が神経、血管の場合の肩こりについては、こちらでお伝えしています。
骨(首の骨)の異常
首の骨(頚椎(けいつい))と肩こりは関係ないようにも思われますが、首の骨の前側にある椎間板や、後ろ側の椎間関節が原因で肩こりが起こることが、最近の研究でわかっています。
- 椎間板:首を前後に動かすときにクッションの働きをする
- 椎間関節:上の骨と下の骨をつなぐ。首を左右に動かすときに欠かせない働きをする
ただし、首の椎間板や椎間関節に異常(変性)が起きても、肩こりが必ず起こるわけではありません。
どの人に肩こりが起きるのかはまだわかっていませんが、椎間板や椎間関節に痛み止めを注射すると肩こりが軽減するという研究結果から、首の椎間板や椎間関節の異常が肩こりの原因となることがわかりました。
椎間板、椎間関節の変性
程度の差はありますが中高年になると、ほとんどのひとに椎間板や椎間関節の変性が起こっていると考えられます。
椎間板は水分を含みクッション機能を持っていますが、加齢とともに水分量が減少していくのでしなやかさが失われていき、首の骨にかかる負担が増していきます。
首の骨の異常はMRI検査などでわかります。
椎間板 | 水分 | 画像 |
---|---|---|
正常 | 含む | 白っぽい |
異常 (変性) |
減少している | 黒っぽい |
肩こり、といっても肩だけでなく首、背中、腕など様々な場所に肩こりの症状は現れます。首の骨(頚椎)は7つの骨から構成されていますが、どの部分の異常でどこに痛みが現れるのか、これも研究によりわかってきました。
痛みが出る場所と頚椎の異常との関係
第1頚椎から第7頚椎まで、異常が起きた場所により、頭や首、肩、腕の左右両方に現れたり、片側だけに出る場合もあります。
異常のある頚椎 | 痛みの出る場所 |
---|---|
第2、第3 | 後頭部 (頭痛と間違えやすい) |
第4、第5 (首のほぼ中央) |
首から肩 |
第6、第7 | 肩から腕、背中 広範囲の痛み |
痛みの軽減対策~首にかかる負担を減らす
原因が首の骨の変性にある場合は、首にかかる負担を減らす対策をします。主な対策は
- 頚椎カラー
- 頚椎牽引
- ブロック注射
などがありますが、日常生活でも首に負担をかけないように注意工夫が大切。特にパソコンやスマホの使用には注意してください。
人生初の頸椎牽引
僕も時々やるけど、気持ちいいよ。やってみよう
ウイーンウイーン
引っ張ったり戻ったり…ちっとも気持ちよくないし、ちょっと目が回ってきた。
あのお~
ということで、途中リタイア。担当医師は残念そう(笑)でしたが、
では、牽引はなしにしましょう。電気と温熱で頑張ってください。
実は3ヶ月ほど前に事情があって整形外科を受診したときの出来事でした。
頸椎牽引は専用の機械を使い首を引っ張ることで、頭の重みによる首への負担を和らげます。首の骨と骨の感覚が狭くなっている場合に有効とされています。
頚椎牽引には、様々な意見もあるようです。私には無理だったということで。
頚椎カラーとブロック注射
頚椎カラー
むち打ち症などで使われますが、首の周りにつけ首の骨を固定して保護する装具です。肩こりでも、首にかかる負担を軽くすることが期待できるので、もし家にあるようでしたら使ってみてください。
通販でも1,000円程度からありますが、素材や形態も様々です。購入する場合は、商品説明をよく読んで選んでください。
そこまでしなくても…という場合、タオルなどを首に巻くことでも多少の助けになると思います。
ブロック注射
痛みが強い場合に、異常のある椎間板や椎間関節に痛み止めなどを注射し、痛みを和らげることを目的として行います。
持続性は使用する薬の種類にもよりますが、ステロイド薬の場合は1~2週間程度です。
日常生活の注意工夫
首に負担をかけないように普段から注意しましょう。パソコンやスマホを使っているときは、首が前かがみの状態になり、まっすぐに伸ばしているときに比べて1.5~2倍の負担が椎間板にかかっていると言われています。
前かがみの姿勢を長時間続けると肩こりは悪化します。パソコンで仕事をしているときは20~30分ほど続けたら休息を取り、首を休ませるようにしましょう。
首を軽く回したりそらしたりするのも良いですが、急に動かしたり強く動かさないように注意しましょう。痛みを感じたらやめてください。
まとめ~首が原因の肩こりは首に負担をかけない生活を
首が原因で起こる肩こりのメカニズム、簡単に説明しましたが、肩こりを悪化させないように、首にできるだけ負担がかからないように生活の注意工夫が大切です。
特にパソコン、スマホの使用には注意しましょう。
椎間板や椎間関節に異常があり、痛みがひどい場合は医師の診察を受け適切な指示を仰ぐことも大切です。
「Anの独り言」~次回は筋肉!