健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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イケメン病?!突然の呼吸困難、胸の痛み、動悸~気胸の治療と手術

肺にあいた孔から空気が漏れ、肺が縮んだ状態を気胸と言います。突然の呼吸困難が最も多い自覚症状で、胸の痛みや動機が起こることも。気胸の根本的な治療である手術や、気胸の症状、他の治療法をお伝えします。

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気胸とは

気胸とは、一つの病名ではなく、状態を表し、様々な原因で起こります。左右どちらかの肺に起こることが殆どで、再発しやすいことが特徴の一つ。

巷では、気胸はイケメン病とも呼ばれています。佐藤健さん、相葉雅紀さんなど芸能界のイケメンが肺気胸にかかったのはファンの間では有名ですが…

 

肺から空気が漏れる!

肺は、肋骨や筋肉で囲まれており、胸壁の内側に隙間なく納まっています。何らかの原因で肺に孔があくと肺が縮み、漏れた空気が胸壁と肺の間にたまります。十分な呼吸が行えなくなるため、突然の呼吸困難を起こします。胸の痛みや動機が起こることもあります。

 

胸の痛み

縮んだ肺が胸壁から剥がれるときに、胸壁の神経を刺激するために起こるので、剥がれてしまうと痛みは収まります。

 

動悸

肺が虚脱して動きが低下するため、呼吸困難になり酸素が不足、酸素を補うために心臓の鼓動が早くなる、不安感の増強などが原因で起こります。

 

3つの治療法

気胸の治療法は大きく次の3つにわけられます。

  • 初期治療 縮んだ杯を膨らませ、呼吸がスムーズに行えるようにする
  • 根本的治療(手術) 開いた孔を修復したり、再発を防いだりする
  • 中間的治療 手術ができない場合

それぞれの治療法をもう少し詳しく見ていきましょう。

 

初期治療

安静と胸腔ドレナージのどちらかを選択します。

 

安静 

肺にあいた孔が小さく、肺がそれほど縮んでいない場合は、自然に孔がふさがります。

胸腔にたまった空気は吸収され、肺は次第に膨張していくので、気胸が軽度の場合は、安静を保つ、という治療を選択します。

1週間ぐらい自宅で日常生活を送りますが、運動はせずに深呼吸を行いながら静かに過ごします。医師の指導のもとに経過観察します。

 

胸腔ドレナージ

肺が大きく縮んでいる場合は、安静だけでは治ることは期待できません。胸壁に孔を開け、ドレーンと呼ばれる細いチューブを胸の中に入れ、たまった空気を抜き出します。

基本的には入院治療ですが、最近は中程度の気胸までは、小型軽量化した外来ドレナージキットの使用で、通院でのドレナージ治療も可能になっています。

 

根本的治療(手術)

ほとんどが胸腔鏡を使う内視鏡手術です。胸に1cmほとの孔を2~4箇所開けて手術用の器具などを挿入し、孔の空いた部位を修復します。修復には、切除、縫い縮める、熱で変性などの方法があります。

 

切除 

気胸の原因である肺嚢胞が大きい場合、切除します。

 

縫い縮める 

COPDの患者さんなど、肺がもろくなっている場合、孔を周辺から縫い縮めます。

 

熱で変性 

小さな肺嚢胞がたくさんある場合、切除して正常な肺の組織が多く失われることを避けるため、電気で焼いて編成させます。

 

カバーリング(追加治療)

これらの方法で治療しても、手術後の再発を完全に防ぐことはできません。最近では、修復後、再発を防ぐための追加治療が行われるようになっています。 

カバーリングと言って、修復した部位とその周辺を特殊なメッシュで多い、肺の表面を補強します。胸腔鏡では見つけにくい小さな肺嚢胞や、手術後新たにできた肺嚢胞を破裂しにうい状態に保つことが可能です。

 

気胸が初期治療で始まった場合、再発を見越して手術を行うかどうかは、患者さんの病歴や肺の状態によって異なりますので、担当医とよく相談してください。

 

中間的治療

手術は全身麻酔で行い、更に手術中は片側の肺だけで呼吸を管理するので、肺機能が低下していると手術が行えない場合があります。

最近では、このような患者さんに、カテーテルや気管支鏡による治療を行うことができるようになりました。手術と補xゾン的治療の中間に位置する治療法です。

  • 全身麻酔を行うこと事態が危険な高齢者
  • COPDや間質性肺炎が悪化していて、手術に耐えられない
  • 心筋梗塞や狭心症、糖尿病、脳卒中などの合併症があり、手術が危険

などの場合に検討されます。

 

カテーテルを使う方法 

挿入したドレーンの中に細いカテーテルを挿入し、標的となる孔の開いている部位に、生体のり*を滴下して孔を塞ぎます。

 

気管支鏡を使う方法 

敗れた部位に通じつ気管支に、気管支鏡を挿入し、シリコン製や金属製の千を詰めて空気の漏れを止めます。

 

年齢による治療法の選択

気胸の原因となる病気の特徴、年齢も考慮した治療法を選択することが必要です。

例えば15歳以下で気胸を起こした場合などは、手術後も肺嚢胞が次々とできる可能性があるので、成長を待ってから治療する場合もあります。

高齢者の場合は、手術以外の方法を検討することも重要です。

気胸の根本治療は、最終的に手術が必要です。気胸が疑われる場合は、専門の呼吸器外科を受診し、適切な治療を受け、呼吸困難や再発の不安を取り除いてください。

 

イケメン病?

気胸は女性よりも男性、年齢層は若年層と中高年層に起こりやすい病気です。若年層は細身ですらっと背の高い人に多く見られるため、イケメン病と言われているのでしょう。

若年層では肺嚢胞の破裂、中高年層ではCOPDや間質性肺炎が多いです。

女性の気胸は少ないですが、他の病気が隠れている場合があり、注意が必要です。例えば、20~40歳代の場合、子宮内膜症の組織が胸腔内で増殖して、気胸が起こることもあります。

 

若年層

15~25歳位、背が高く細身の人に多く見られます。もともと持っている肺の病気が原因で起こる気胸は少なく、肺嚢胞が肺の表面にでき、ここに孔が開いて起こる場合が多いです。

肺嚢胞は肺の表面が風船上に膨らんだ物で、体格と肺の成長の間にアンバランスが生じ、肺が無理やり引き伸ばされたときにできやすいと考えられています。

 

中高年層

60歳以上の男性に多いです。COPD(慢性閉塞性肺疾患)や間質性肺疾患などの肺の病気が原因で起こることが多いです。その他、ぜんそく、肺炎、結核、肺がんなどの病気が原因の場合もあります。

COPDでは、肺の末端の肺胞という構造が破壊され、肺胞の壁が壊れ肺胞がつながって広がった状態になります。それが肺嚢胞になり、気胸が起こります。

間質性肺疾患は、はい全体が線維化して硬くなり、表面がもろくなって壊れやすくなる、あるいは間質が壊れ、肺胞同士がつながって大きな空洞ができた場所に肺嚢胞が生じ、気胸が起こることもあります。

 

まとめ~気胸は専門医で適切な治療を

肺に開いた孔から空気が漏れ肺が縮んだ状態になる気胸。突然の呼吸困難夜胸の痛み、動悸などが起こります。

根本的治療は手術ですが、再発の可能性もあります。再発を防ぐ追加治療も行われるようになっているので、専門医を受診し、適切な治療を受けて確実に治しましょう。

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