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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

お薬手帳で情報管理!ヒヤリハットを防ぎ、薬とうまく付き合うコツ

薬の飲み忘れ、飲み間違いなどは場合によっては危険なこともあります。薬の管理をしっかりし、正しく使うことが必要です。怖い薬のヒヤリハットの例、お薬手帳の活用と薬とうまく付き合うコツをお伝えします。

お薬手帳で医師と情報交換!ヒヤリハットを防ぎ、薬とうまく付き合う

薬と上手に付き合うためのポイント

  1. 薬の効果、副作用などの説明をしっかり聞く
  2. 服用している薬が有れば必ず伝える
  3. 不調などが起きたらすぐに医師や薬剤師に状況を報告、相談する
  4. 自己判断でやめたり、減らしたりしない

処方された薬をのんだあと、調子が良くない場合のポイントは、3、4です。患者さんの病歴や薬の注意事項を心得ているかかりつけ医がいると、より安心できます。

 

薬が合わないときの注意点

医師から処方された薬をのんだあと、思うように症状が改善しない、悪化した、別の症状が起こったなど薬が合わない時、自己判断で飲むのをやめたり量を減らしたりしてはいけません。

逆に「どうも合わないけれど、処方された分は飲まないと」とそのままのみ続けることも良くありません。

薬が合わない原因は、

  • 薬が効かない
  • 副作用が起きた
  • 病状が変化して、薬の効果が及ばない

などが考えられます。

このような場合は、自己判断は禁物!医師や薬剤師に速やかに状況を報告し、何が原因なのかを話し合って新たな指示に従いましょう。

現状報告のもう一つの意味

薬が合わないことを医師に伝えることには、別のとても重要な意味があります。「この薬が合わない人がいる」というデータが蓄積され、報告した人だけでなく他の患者さんへの処方など、今後の医療に生かすことができます。

 

薬とうまく付き合うコツ

medicine

医師と情報を十分にやり取りすることが、薬による問題を最低限に押さえ、薬とうまく付き合うコツです。

受診した時に、

  • 過去に経験した薬によるアレルギー反応や副作用
  • 服用中の薬

について正確に伝えておく必要があります。メモや薬の袋などを保管しておいても良いですが、おくすり手帳にまとめておくと便利です。飲んだときの状況や、変化などもメモとして書き込んでおくと、薬の効果や副作用などの確認もしやすくなります。

  • 薬の効果
  • 服用後に起こる可能性のある症状

などについての説明をしっかり聞き理解しておくことも大切です。説明がよくわからなかったら、遠慮せずに納得のいくまで聞きましょう。

説明を受けた内容もお薬手帳にメモしておくと、あとで確認しやすいです。病歴や薬の注意事項を心得ているかかりつけ医やかかりつけ薬局を持っていると、より安心です。

新しい診療科や病院を受診する際も、お薬手帳が有れば、投薬の記録がひと目でわかりますし、薬局で市販薬を購入する際も飲み合わせの心配が防げます。

 

薬のヒヤリハット

飲み忘れや、のみ間違い、必要量以上に飲んでしまった、他の薬との飲み合わせが良くなかったなど、薬の服用で起こる問題は少なくありません。

飲み忘れやのみ間違いは、お薬カレンダーや薬の一包化などの工夫で、事故を起こさないよう対処することができます。

同じ病気だから、と家族や他の人の薬をもらって飲むことも危険ですのでやめましょう。特に高齢者の薬物療法で薬を服用している時は、家族や周りの人が十分注意する必要があります。

睡眠薬と血栓予防のための抗凝固剤で起きやすい、薬のヒヤリハットをご紹介します。あなたは大丈夫ですか?

 

睡眠薬のヒヤリハット3例

記憶が抜ける

ベンゾジアゼピン系睡眠薬(睡眠薬の中で一番多く使われている)を常用。翌日早朝に起きる必要があり、普段より3時間早く薬を飲んだ。

しかしなかなか眠れなかったので、もう1錠追加して飲んだところ、朝起きたときに用意した覚えの無い物が荷物の脇にあった。

パートナーに聞くと、自分が用意するように頼んだのだというのだが、全く記憶がなかった。

 

睡眠薬を飲めばどんなときでも眠れる、というわけではありません。

無理な時間に飲んだり、量を多くしたりすると記憶障害も起こりやすくなります。

 

昼寝をしようと睡眠薬を使うのもやめましょう。

 

他人の睡眠薬で転倒

70歳代の女性が夜中にトイレに行こうとして転倒、幸い大事には至らなかった。

普段は作用時間が短く、筋弛緩作用があまりない睡眠薬を服用しているが、その晩は妹に貰った睡眠薬を飲んでいた。

妹は中途覚醒が多く飲んでいるのは夜通し作用が続く薬で、筋弛緩作用も強いものだった。

 

睡眠薬を利用している人は身近にも多くいると思います。

 

しかし他の人の薬を飲むのは思わぬ副作用を起こしかねません。どんな薬でも他人の薬を共用するのはダメです。

 

湿布であわやの大惨事が起こりかけたと言う事例もあるくらいです。

 

症状が同じだから同じ病気だからと、薬をあげたりもらったりするのは絶対にやめましょう。

 

睡眠薬で認知症?

患者さんの家族が、睡眠薬のせいで認知症になることがあるのかと聞いてきた。患者さんが夜中に混乱したり、記憶が抜けたりすることがあるのだという。

本人に薬の飲み方を確認したところ、空腹で薬を飲んだほうがよく効くと思い、夕食後は飲み物も摂らないようにして、睡眠薬を服用していたということであった。

 
お腹がからっぽだと、睡眠薬はかえって吸収されにくく、聞き始めは遅れます。その一方、薬を飲んだことで胃腸が動き出すと、急激に吸収が高まり、効果が強く現れます。

 

極端な飲み方はしないようにすることが、安全につながるでしょう。

 

もちろんお酒と一緒に飲めばよく眠れるだろう、などと試すことは絶対にやめてください。非常に危険です。

 

抗凝固剤とは

現在脳梗塞予防のための抗血栓薬として、もっともよく使われているのはワルファリンです。

しかし、

  • 食事の制限(納豆・青汁・ブロッコリー・小松菜などビタミンKを含む食品はNG)が必要
  • 抗凝固作用が強力で、効きすぎると出血しやすくなる

と言った様々な問題があります。

そのようなワルファリンの問題点を解決するために、新規経口抗凝固薬(NOAC)*が開発されました。日本では現在以下の4種類が使われています。

  • ダビガトラン(商品名:プラザキサR)
  • リバーロキサバン(商品名:イグザレルトR)
  • アピキサバン(商品名:エリキュースR)
  • エドキサバン(商品名:リクシアナR)

*New/Novel Oral AntiCoagulants の略。最近では新規の時期は過ぎたとして、「非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(non-vitamin K antagonist oral anticoagulant)」、また、その作用から「直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant)」で「DOAC」と呼ばれることもあります。

 

ワルファリンとダビガトランのヒヤリハット3例

ワルファリンののみ間違い

心房細動があり、ワルファリンを服用していた患者さんが、薬の残りがやけに少ないことに気づいた。前回の受診時に、1日の容量が4mgから5mgに増えたばかりだった。

ワルファリンには0.5mg、1mg、5mg、と容量により3種類の錠剤がある。それまで1mgの錠剤と4錠飲んでいたので、「1mg増量」と言われたことを、飲む数量が4錠から5錠に増えたと思い込んでいた。

しかし、薬局で受け取ったワルファリンは5mgの錠剤だった。それを5錠ずつ飲んでしまっていたのだ。つまり5mgのところ、25mgも飲んでいた事になる。

薬と一緒に渡された説明書を読むとたしかに「1日1錠」と書いてあった。驚いて受診するとPT-INR*は8になっていた。

医師に「何も起こらないうちに気づいて本当に良かった」と言われ、ことの重大さに改めてぞっとしたそうだ。

 

薬の種類や容量などが変わった時は、飲み方などの説明をしっかり聞き、間違いのないようにお薬カレンダーなどを利用するようにしましょう。

 

高齢者の場合は、家族や介護する人などが飲み間違いをしないよう、十分注意してください。

 

* PT-INR 血液の固まりにくさを示す。70歳未満では2.0~3.0、70歳以上では1.6~2.6が目標値。

 

他科受診時にワルファリンの服用を伝え忘れた

不整脈の治療でワルファリンを服用している女性が、帯状疱疹にかかり皮膚科で処方された薬を飲んだところ、ワルファリンの効果が強く出過ぎるようになった。

帯状疱疹の薬自体には問題は無いが、痛みが強いので消炎鎮痛薬が併せて処方され、1週間ほど飲み続けていたのである。

皮膚科を受診した歳、ワルファリンの服用を医師に伝えていなかった。不整脈治療に皮膚の病気が影響するとは思わなかったからだと言う。

 

関係ないように思えても、飲んでいる薬は必ず医師に伝えることが大切です。

 

同じような作用をする薬が処方されれば、効き目が強くなりすぎるし、飲み合わせで他の副作用を起こしたりすることもあります。

 

1冊のお薬手帳で、薬の管理をしていると、どの科を受診する際でもおくすり手帳を医師に見せることで、飲み合わせなどを医師が把握しやすく、治療方針も決めやすくなります。

 

熱中症とダビガトラン

それまでの検査では腎機能は正常だったが、熱中症になり、ダビガトランが効き過ぎに。熱中症になったときに、軽症だろうと様子を見ているうちに、尿があまりでなくなった。

 

ダビガトランは腎機能の影響をうけやすいので、使い始める前には、必ず腎機能のチェックが行われます。

 

しかし、使い始めの時点で問題がなくても、ずっと腎機能が変わらないとは限りません。

 

脱水を起こすと腎機能が急激に低下することがあります。ダビガトランを飲んでいる人は、特に水分不足に注意が必要です。

 

薬の情報はお薬手帳で管理して、共用する

薬には何らかの副作用があるものです。薬を飲んでも改善が見られなかったり、別の症状が現れたりすることも少なくありません。

他の薬に変更したり、容量や飲み方が変わったときなど、飲み忘れ、飲み間違いが起こりやすくなります。

また、持病がある人が他の病気で受診した場合、飲んでいる薬を医師に伝えないと飲み合わせによっては新たな問題が起こることもあります。

 

まとめ

薬とうまく付き合っていくためには、どんな薬を飲んでいるのか、薬の作用や副作用、飲み方などを正しく理解して管理し、共有することが重要です。

お薬手帳は1冊のノートにまとめて記録、管理できます。医師や薬剤師に見せることで飲み合わせを確認したり、処方する薬をより適切に選べますので、有効に利用していきましょう。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ