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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

接着剤!?血管ボコボコ下肢静脈瘤が消える!スーパーグルー療法とは

血管がボコボコに浮き出る下肢静脈瘤でお悩みの方に、最先端の治療スーパーグルー療法をご紹介。接着剤を使います!足の血管のボコボコ、ふくらはぎの静脈瘤の改善に、術後も負担の少ない手術方法です。

接着剤?!血管ボコボコ下肢静脈瘤が消える!スーパーグルー療法とは

スーパーグルー療法とは

スーパーグルー療法とは、麻酔が原則不要で体への負担が少ない(低侵襲)の治療方法で、医療用の接着剤(グルー)を患部の血管に注入し、血管を塞ぐ最先端の治療方法です。

スーパーグルー療法は、下肢静脈瘤の医療先進国である欧米で開発され、身体に優しい治療として世界的にブームとなっています。

手術後は、グルーを注入した僅かな傷跡にばんそうこうをはるだけ。従来のレーザー手術のように術後の弾圧などの処置は必要ありません。手術にかかる時間も10分程度です。

手術後の比較
参考:東亰血管外科クリニックより改変

グルー、とは接着剤の意ですが、スーパーグルー療法で使用される接着剤は、安全性の高い特別なグルー(ポリマー)です。

シアノアクリレート(ヒスとアクリル)と呼ばれ、脳血管の手術、胃の静脈瘤の塞栓療法に使用されているものと同じ成分です。

日本での治療実績

平成28年6月~平成29年3月にスーパーグルー療法を行った30人(21~70歳、平均62.8歳、うち女性20人)全員下肢静脈瘤の瘤がきえ、安全性も担保された。と3月に日本循環器学会学術集会で初めて発表されました。

参考: 下肢静脈瘤手術「スーパーグルー療法」産経ニュース 4月29日

※注意:以下の動画では、血管内部のイメージがあります。苦手な方は再生せずに次へ。

スーパーグルー療法のイメージ

血管内レーザー治療からスーパーグルー治療へ

下肢静脈瘤手術は

  • ストリッピング手術 血管を外科手術で引き抜く
  • ↓レーザー療法 血管の内部を高温で焼く
  • ↓スーパーグルー療法

へと変遷しています。世界レベルではカテーテルを血管内へ挿入せず治療できる、HIFUという超音波技術を使った研究も進められています。

現在は世界各国でこの治療が受けられます。一方、日本の治療レベルは国際レベルに比べ遅れを取っており、大きなデバイスラグ(認可の遅れ)があるのが現状です。

安全なNBCA

Non tharmal(熱を使わない)な下肢静脈瘤治療法が急速に全世界へ普及しています、

この治療はNBCAと呼ばれ、従来のレーザーやRFに較べて「痛みや腫れが少ない。」ことが特長です。

手術時の局所麻酔薬(TLA)も必要とせず 術後の圧迫のための靴下も不要です。従来の手術で問題となっていた腫れや痛み 術後の血栓形成のリスクを軽減しました。

2011年欧州承認、2015年には米国のFDA承認を受けており、安全性や有効性が広く確認され、世界に普及し始めました。(日本では未承認)

この次世代治療は「身体にやさしい」治療として、世界的にブームなっています。

出典:東京血管外科クリニック

下肢静脈瘤の治療

血管がボコボコ、浮き出る下肢静脈瘤は自然にはなおらない病気で、放っておくと少しずつ悪化していきます。

しかし、基本的には良性の病気なので、治療しなくても健康を大きく損なうことはありません。

下肢静脈瘤と診断された場合に治療をするかどうかは、見た目や症状、生活習慣、年齢、職業、本人の希望などを考慮して決められるのが一般的です。

治療を決めるポイント

  • 見た目が気になる
  • むくみやだるいなどつらい症状がある
  • うっ滞性皮膚炎がおきている
  • 将来悪化が危惧される

治療を決める4つのポイント

外見が気になる

脚に血管が浮き出てボコボコになっていても、特に気にならず、合併する症状や皮膚炎がない場合は、治療せずに様子を見ていても大丈夫です。

しかし症状がなくても、静脈瘤が気になってスカートがはけない、外出ができないなど生活に支障が起きている場合は、治療を受けると良いでしょう。


症状がある

下肢静脈瘤によってむくみ、だるさなどのつらい症状がある場合は治療をおすすめします。

ただし他の病気から起きている場合もあるので、つらい症状が下肢静脈瘤によるものかどうかの見極めを、きちんと行うことが大切。


うっ滞性皮膚炎が起きている

うっ滞性皮膚炎の中でも、特に脂肪皮膚硬化症が起きている場合は、潰瘍に発展する危険性があります。治療が必要です。


将来悪化が危惧される

  • 長時間の立ち仕事をする予定がある
  • 年齢が比較的若い

など、将来的に症状が悪化する可能性が高いと考えられる場合は、積極的に治療を受けることをおすすめします。

 

下肢静脈瘤は何科で診断?

血管がボコボコ、血管が浮き出る、スパイダースキンなど気になる場合は、

  • 血管外科
  • 心臓血管外科

などを受診しましょう。以下のような診察や検査を行い、下肢静脈瘤の診断を行います。

問診 

  • 脚のどこに、いつ、どんな症状が現れるのか
  • 患者さんの職業や生活習慣

などを詳しく尋ねる


視診・触診 立った状態で脚を観察し、

  • 静脈瘤の位置や皮膚の状態などを調べる
  • むくみの有無や皮膚の硬さ、ざらつきなどを触診する

超音波検査 超音波による画像で静脈瘤の状態や血流の様子を調べる

  • 静脈弁の以上の有無
  • 逆流の程度や範囲

などが正確にわかります。

超音波検査は、静脈の形態と血流を同時に評価できるので、下肢静脈瘤の診断の標準的な検査になっています。

 

静脈瘤が脚にできるわけ

「どんどん流す!リンパを流すマッサージ~静脈還流とビーナスリターン」でお伝えしたように静脈瘤が脚に起こりやすいのは、

  • 人間は立って生活をしている
  • 脚の静脈の中の血液が心臓に戻るには、静脈弁とふくらはぎの筋ポンプ作用が必要

なためです。

静脈弁の機能や筋ポンプ作用が低下すると血液がたまり、静脈の壁にかかる圧力(静脈圧)が高くなっていき、静脈の壁が伸びたり曲がったり腫れたりして静脈瘤がおこります。

 

治療法

下肢静脈瘤の主な治療法には以下のようなものがあります。

  • 保存療法(圧迫療法)
  • 硬化療法
  • ストリッピング手術
  • 血管内レーザー治療
  • スーパーグルー療法

この他、日常生活では、できるだけこまめに動くことを心がけます。「立ちっぱなし」「座りっぱなし」で脚に血液が溜まることが、下肢静脈瘤の発症や悪化の大きな原因となります。

立ち仕事やデスクワークが多い場合は、1時間おきに5~10分程度、足踏みや屈伸などを行うようにしましょう。

リンパを流すマッサージでお伝えした、ふくらはぎの筋ポンプ作用を高めるエクササイズも効果的です。夜寝る時は、脚を高くして休むと良いでしょう。

また、肥満や高血圧のある人は、下肢静脈瘤の悪化要因でもあるので生活習慣を見直して改善することも大切です。

 

保存療法(圧迫療法)

脚を強く圧迫する「弾性ストッキング」をはき、血液が静脈に溜まるのを防ぎます。静脈瘤は治りませんが、症状の改善に効果が期待できます。

市販されているものは医療用よりも圧力が弱く、圧力の強いものは医療機関を受診して処方してもらいます。

着用が必要なのは

  • 重い症状があるがすぐに手術などの治療を受けられない
  • 硬化療法やストリッピング手術後の一定期間(通常は1か月前後)
  • 術後も長時間の立ち仕事をする

場合などです。

症状のない人が悪化予防に日常的に使用する必要は、基本的にはありません。

 

硬化療法

硬化剤を注射で静脈に注入し、血液を固める治療法です。固められた血管は次第に周囲の組織に吸収されて無くなります。

軽症の下肢静脈瘤、再発した場合などに行われ、現在は泡状のフォーム硬化剤を使う方法が主流で、治療時間は5分~10分程度です。

治療後ほとんどの場合、固めた静脈に沿ってしこりと色素沈着が現れ、無くなるまでしこりは約6ヵ月、色素沈着は1年以上かかります。

 

ストリッピング手術

弁不全のある太ももの静脈に細い針金(ワイヤー)を入れ、ワイヤーごと静脈を引き抜く手術です。全身麻酔か局所麻酔で行われ、一部の医療機関では日帰り手術も行われていますが、通常は3日~1週間の入院が必要です。

静脈は皮下を網目状に通っているので、一部の血管を取り除いても血流には問題は起きません。

再発が少ない治療法ですが、手術後に皮下出血や神経障害などの後遺症が起こることもあります。

 

血管内レーザー治療とスーパーグルー療法

laser_for_varicose_veins

弁不全のある太ももの静脈にレーザーファイバーを挿入し、静脈の内側からレーザーを照射して静脈を焼いて塞ぎます。

治療時間は30分ほど、前後の処置と併せて2時間ほどです。治療後すぐに歩いて帰れます。痛みは皮下出血が起こる場合もありますが、通常2週間ほどで軽減します。

2002年に始まり、2011年1月より保険適用となりました。ストリッピング手術に比べ傷跡が小さく、出血や手術後の痛みも少ないので、現在は主流となっています。

スーパーグルー療法

下肢静脈瘤の最先端の治療法がスーパーグルー療法です。世界では主流となっていますが、日本ではまだ認可されていません。

患者さんの負担が非常に少ない治療法ですので、保険適用となり治療が受けやすくなる日が近いことを望みます。

参考

 

まとめ

下肢静脈瘤の治療はどんどん進化しています。接着剤を使った最新のスーパーグルー治療は、身体に優しい治療です。

従来のレーザー治療に比べ、術後の腫れもなく、術後の圧迫、痛み止めの服用も必要ありません。早期の保険治療適用が待たれます。

血管にも静脈瘤のような「こぶ」、と血栓、「詰まる」という病気があります。血管の病気についてもきちんと知り、注意をすることも大切です。

血管の機能と血液の流れを正常に維持することで、防げる病気は少なくありません。

特に循環器病の危険因子、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足などを避ける生活習慣をしっかり身につけることが重要です。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ