夏バテ予防に最適なスタミナ源が豚肉です。と言ってもカロリーが気になるメタボさんにそっと秘密を暴露しちゃいます。同じ豚肉でも部位によって脂質の量は違いますが、実は調理法でも多きく変わってくるのです。脂質が一番落ちる調理法は?
調理法で脂質の量は減らせるか
牛肉や鶏肉に比べて約10倍もあるビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変える栄養素で、豚肉は良質なたんぱく質も多く含まれ疲労回復に最適な栄養源。
しかし気になるのは、高カロリーであること。摂り過ぎは生活習慣病や動脈硬化を引き起こす原因ともなります。
少しでも脂質の量を減らすには、焼く、茹でる、蒸すのうちどれか効果的か、実験した報告があります。
調理法による脂質の落ち方
家庭で一般的に豚肉を調理する場合、良く登場するメニューは生姜焼き、ゆで豚、蒸し豚でしょうか。
では、焼く、茹でる、蒸す(電子レンジ利用)の調理法で、どのくらい脂質が落ちるのか実験した結果を見てみます。
薄切りにしたバラ肉とロース肉それぞれ50gで実験しています。数値は3回測った平均です。
計測方法
- 肉から出た肉汁や脂質をいったん乾燥させる
- 水を加えてメスシリンダーに移し、水溶性たんぱく質など、その他の成分と分離させる
脂質は焼いた時が一番落ちる
重量 | 焼く | 茹でる | 蒸す | |||
---|---|---|---|---|---|---|
バラ肉 | ロース肉 | バラ肉 | ロース肉 | バラ肉 | ロース肉 | |
元(g) | 50.4 | 50.2 | 50.3 | 50.2 | 50.2 | 50.3 |
加熱後(g) | 39.3 | 39.8 | 39.8 | 40.7 | 41.9 | 37.7 |
溶け出した 脂質の量(mg) |
11.4 | 5.0 | 8.7 | 2.4 | 2.4 | 1.7 |
一番脂質が溶け出たのは焼いた時でした。次いで茹でた時、最も少なかったのは蒸した時です。
焼いた時が一番脂肪が溶け出したのは、茹でる、蒸すよりも高温での加熱になるので、他の調理法よりも脂質、水分などの成分がより多く溶け出るようです。
*ただし、味を重視して肉汁をかけて食べると、せっかく落ちた脂質も一緒に食べてしまいます。
部位別のカロリー、含まれる栄養素の量
同じ豚肉でも部位によって、カロリーや含まれる栄養素の量は異なります。例えばバラ肉とヒレ肉のカロリーは3倍以上、脂質は約10倍の差があります。
部位別カロリー(100g中) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
部位名 | カロリーkcal | たんぱく質g | 脂質g | 炭水化物g | ビタミンB1 mg | ビタミンB6 |
肩肉 | 216 | 18.5 | 14.6 | 0.2 | 0.66 | 0.32 |
肩ロース | 253 | 17.1 | 19.2 | 0.1 | 0.63 | 0.28 |
ロース | 253 | 19.3 | 19.2 | 0.2 | 0.69 | 0.32 |
バラ肉 | 386 | 14.2 | 34.6 | 0.1 | 0.54 | 0.21 |
もも肉 | 183 | 20.5 | 10.2 | 0.2 | 0.9 | 0.31 |
ヒレ肉 | 115 | 22.8 | 1.9 | 0.2 | 0.98 | 0.42 |
美味しいものは程々に
肉好きに取って脂身の美味しさはたまりません。
脂質は三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)の一つで、身体を動かす主要なエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料になるなど、とても重要な栄養素です。
栄養もあるけれど脂質の摂り過ぎも心配
一方で1gあたり9kcalと三大栄養素の中でも、最もエネルギーが高く、摂り過ぎは肥満の一因。様々な生活習慣病を引き起こす原因ともなります。
動物由来の脂質には飽和脂肪酸が多く含まれ、コレステロール値を挙げて動脈硬化にもつながります。
メタボの人にとっては、脂質の摂りすぎに注意しなければいけない食材です。
日本人の食事摂取基準
2015年版によると、総摂取エネルギーに締める脂質の割合を示す「脂肪エネルギー比率」の目標値は20%以上30%未満です。
しかし、「平成25年国民健康:栄養調査報告(厚生労働省)」では、20歳以上の人の打ち、20%未満の人22.5%、30%以上の人が27.8%となっています。
およそ半分の人が多すぎるか少なすぎ、特に脂質を摂り過ぎの人が多い。
脂質の働きの違い
脂質は、その種類によって、様々な働きの違いがあります。
青魚などに多く含まれるDHA、EPAといった不飽和脂肪酸は、動脈硬化、脂質異常症などの生活習慣病や血栓などの予防の働きがあります。
日常の食事で、肉、魚由来の脂質、植物性の脂質をバランス良く摂ることが大切です。
まとめ~脂質の落ち方は調理法で違う
夏バテの予防にオススメの豚肉。調理法で脂質の落ちかたが違います。
肉のおかずが多く、脂質の摂り過ぎが気になる人、メタボの人は食べ過ぎを控えるのはもちろんですが、調理法にも気をつけるようにしてみてください。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ