肉好きにとって、脂身の美味しさはたまらないですが、エネルギーも高くダイエット中にはご法度。でもやっぱりお肉は食べたい!「太らない肉があればなあ…」はい、調理法で脂質の量を減らせるか豚肉で試してみました。
太らない肉とは
脂質は体を動かす主要なエネルギー源や、細胞膜やホルモンの材料になるなど、とても重要で、炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つです。しかし、脂質のとりすぎは肥満の一因、ダイエットの大敵です。
肉好きに取って、脂身はたまらない美味しさがあります。太らない肉があったらうれしいですよね。
そこで、太らない肉を作るべく、脂質を調理法でどのくらい減らすことができるか、量ってみました。
肉を食べないのではなく、結果を参考に調理方法を工夫して、太らない肉にチェンジ!ダイエット中でも上手に摂りましょう。
ダイエットで肉を控えたほうが良い理由
ダイエット中に肉を控えたほうが良いのは、脂質が1gあたり9kcalとエネルギーが高いため、とりすぎは肥満につながるからです。様々な生活習慣病を引き起こす原因ともなります。
また、肉などの動物由来の脂質には、コレステロ―値を上げる飽和脂肪酸が多く含まれているので、とりすぎは動脈硬化にもつながります。
脂質は大切な栄養素ですが、食べる量には十分注意が必要です。特にダイエット中は肉の脂身は避けるようにします。
太らない肉は焼く?茹でる?蒸す?
太らない肉、とはずばり脂質を減らしたお肉。調理法によりどのくらい脂質が溶けるのか、実験した例があります。一般的に肉を調理するときは、焼く、ゆでる、蒸すで調理することが多いので、豚のバラ肉とロース肉の薄切りで実験。
測定方法
- 豚バラ肉、豚ロース肉の薄切りを使用
- 調理法は、焼く、ゆでる、蒸す(電子レンジで加熱)
- 肉から出た肉汁や脂質をいったん乾燥させる
- 水を加えてメスシリンダーに移す
- 水溶性タンパク質など、その他の成分と分離させる
結果(脂質が溶け出た量が多い順)
- 焼く
- ゆでる
- 蒸す
焼肉!?焼くのが一番脂が溶け出す
調理法 | 肉の種類 | 元の肉の重量(g) | 加熱後の重量(g) | 溶け出した脂質の量(ml) |
---|---|---|---|---|
焼く | バラ肉 | 50.4 | 38.3 | 11.4 |
ロース肉 | 50.2 | 39.6 | 5.0 | |
ゆでる | バラ肉 | 50.3 | 39.8 | 8.7 |
ロース肉 | 50.2 | 40.7 | 2.4 | |
蒸す | バラ肉 | 50.2 | 41.9 | 2.4 |
ロース肉 | 50.3 | 37.7 | 1.7 |
かなり大量の脂が溶け出したのは、焼いたときです。バラ肉の場合はゆでたときのの約3倍、蒸したときの約5倍近くの脂質が溶け出しています。ロース肉の場合も、ゆでるの2倍強、蒸すの約3倍の脂質が溶け出しました。
焼く調理法は高温での加熱になるので、他の調理法よりも脂質、水分などの成分が多く溶け出すようです。
「やったあ~!焼肉が一番脂が抜ける!!!」と思ったあなた、太らない肉だからと食べすぎては意味がないし、ついつい他のものも食べ過ぎる恐れがあるので、ご注意を。
脂質の種類と働きの違い
脂質は肉だけでなく魚や植物由来の脂質があり、その種類によって様々な働きの違いがあります。
例えばさばなどの青背魚に多く含まれるDHA、EPAと言った不飽和脂肪酸は、動脈硬化、脂質異常症などの生活習慣病や、血栓などを予防する働きがあります。
日常の食事で脂質をバランス良く、肉、魚由来の脂質、植物性の脂質を取ることが大切です。
脂肪エネルギーの摂り過ぎ
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、総摂取エネルギーに占める脂質の割合を示す「脂肪エネルギー比率」の目標量を、20%以上30%未満としています。
一方「平成25年国民健康・栄養調査報告」によれば20歳以上の人のうち、脂肪エネルギー比率が20%未満の人が22.5%、30%以上の人が27.8%、およそ半分の人が、少なすぎたり摂り過ぎたりしています。
特に脂質をとりすぎの人が多いことがわかります。生活習慣病が増加している背景にもなっているようです。
参考:厚生労働省
日本人の食事摂取基準(2015年版)p67 第4表
平成25年国民健康・栄養調査報告p114
画像p111
まとめ~調理法を工夫して脂質を減らす
肉のおかず、脂質のとりすぎが気になる人、ダイエット中の人は、食べ過ぎを控えるのはもちろんですが、必要な栄養素をきちんと摂ることも大切。
調理法を工夫して脂質を減らした太らない肉、魚、野菜などをバランス良く食べましょう。
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