女性の5人に1人は経験すると言われる膣カンジダ。おりものやかゆみなど、不快な症状を起こす病気です。部位が部位なので病院にいくのもためらいがちですが、適切な治療ですぐに治ります。膣カンジダの症状、原因、予防や治療を確認しましょう。
膣カンジダはポピュラーな感染症
カンジダ真菌と呼ばれる菌が膣内で異常繁殖し、おりものに以異常を起こす病気のなかで、最もポピュラーな感染症です。
感染症と言ってもパートナーから伝染る性感染症ではなく、自分が相手にうつしてしまう心配もほとんどありません。
カンジダは誤解の多い病気
カンジダ真菌はカビの一種です。健康な女性でも、皮膚、口の中、膣に誰でも持っている常在菌です。
カンジダは伝染る?
か、かゆい!モーレツにあそこがかゆい! 絶対良くない病気をうつされたんだわ!
変なところに行ったでしょ!病気をもらってきたでしょ!
え~?行ってないよ。仕事も忙しかったし
ウソばっかり!正直に白状しなさい!
彼氏を問い詰めたけれど、行ってないの一点張り。とりあえず病院に行きました。
ほぼカンジダで間違いないでしょう。
念のため培養して調べましょう。
そして1週間後
やっぱりカンジダでしたよ。
カンジダは性病ではありません。カビの一種。
体の抵抗力が落ちるとかかりやすいんです。
え、性交で伝染るモノじゃないんだ…
恥ずかしがらずにまず病院で診てもらうのが大切。
- 疲れやストレスがたまっている
- 抗生物質を飲んだ
- 生理前
- 湿ったりきつい下着を着ている
- 妊娠中
こういった時は子供でもかかることがあります。
男性器が赤く炎症したり、痒くなったりするインキンタムシもカンジダ真菌の感染によるものです。
その夜…
疑って悪かったけどさ… 変なところにいくのはどっちにしても禁止!
ハイハイ
膣カンジダの予防
カンジダ菌が繁殖しやすい状態を作らないことが、一番の予防です。カンジダ真菌はカビの一種ですから、湿気の多い場所を好みます。通気の良い状態を心がけて、繁殖を防ぎましょう。
- 下着は綿100%で通気性の良い物
- ナプキンやタンポンはまめに取り替える
- 通気性の悪いおりものシートの使用はできるだけ避ける
- 湿った下着や濡れた衣類はすぐに着替える
- シャワーや入浴の後は、デリケートゾーンをよく乾燥する
- きついガードルやデニムを避け、ゆったりした服を着用する
- 生理中以外はビデの使用は控える(善玉菌も流してしまう)
このような日常の予防法に加えて、悪玉菌の繁殖を抑える体つくりを目指しましょう。
規則正しい生活を心がけ、体を冷やさないことが大切。体温が1度下がると抵抗力が60%まで下がると言われています。
膣カンジダの原因と症状
健康な膣には自浄作用があり、善玉菌がカンジダ真菌などの雑菌の繁殖を抑え、自然に洗い流されます。
しかし、体調不良などで免疫力が低下すると、膣内のカンジダ真菌が増えすぎて発症します。
体調が変化しやすい時は要注意
ストレス過多や過度の疲労、季節の変わり目やホルモンバランスの不調など、体調が変化しやすい時は、免疫力が下がり気味になるので注意が必要です。
また、他の病気の治療のために抗生物質を服用していると、膣内の善玉菌も除菌されてしまうため、カンジダ真菌が異常に繁殖してしまうこともあります。
膣カンジダの症状
主な症状はおりものの異常と外陰部と膣内のかゆみ。おりものはヨーグルト状や酒粕状の少しぼそぼそした状態。
白から黄緑色できついニオイなどはありません。特徴がはっきりしたおりものなので、以前に膣カンジダにかかったことが有れば、再発した時にすぐ分かります。
ナプキンやおりものシートのかぶれでは、性器の表面全体が炎症を起こし、外側がかゆくなります。膣の中までかゆみがある場合は、膣カンジダの可能性が高いです。
膣カンジダがあるときは非常にデリケート
軽い膣カンジダなら自然と治ることもあります。多量のおりものや強いかゆみがある状態では、すみやかに治療を受けましょう。
外陰部の炎症がひどくなると、痒みだけでなくヒリヒリした痛みを伴うこともあります。
膣カンジダの時は、外陰部も膣内もただれていて非常にデリケートになっています。完治するまで行為は控えたほうが無難です。
極まれにですが、行為をするたびに膣カンジダを発症する人がいます。この場合はパートナーが抗真菌薬の塗り薬を使うと、改善することがあります。
検査と治療
膣カンジダの検査は簡単です。綿棒で膣内のおりものを少量採取し、カンジダ真菌の存在を顕微鏡で確認し、培養検査を行います。
セルフ検査キットも販売されていますが、精度が疑わしい場合もあるので、酒粕状の膣カンジダ特有のおりものが出ている場合は、婦人科を受診します。
膣カンジダの治療
膣内をよく洗浄し、抗真菌薬の膣剤を膣内に入れます。一度入れると一週間効果が持続するタイプ、毎日1個ずつ入れるタイプがあります。
多くの場合は病院で洗ってもらった後に持続タイプを入れてもらえば、自分で使わなくても大丈夫。
かなり症状がひどい場合や、何度も繰り返し再発しやすい場合は、自宅で毎日膣剤を入れたほうが、確実な治療に繋がります。
症状は数日で収まることが多いですが、カンジダ真菌は膣内に残っています。きちんと殺菌されるまで薬の継続使用が必要です。
外陰部のかゆみの治療
外陰部のかゆみには、抗真菌薬の塗り薬を使用します。ステロイド剤や市販のデリケートゾーン用のかゆみ止めを使うと、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
膣カンジダの疑いがある場合は、病院できちんと検査をし、適切な治療を受けることが大切。
市販薬の選び方
市販のカンジダ治療薬は再発治療用です。初めて症状が出た人は、医師の診断を受けてください。
膣カンジダの場合、抗真菌薬の成分が含まれていない、デリケートゾーンのかゆみ止め軟膏では症状は治まりません。
今までは膣カンジダの治療薬は医師の処方のみでしたが、再発に限り市販薬の購入が可能になりました。
市販薬には膣の中にれる膣剤と、外陰部に塗るクリームの2種類があります。
症状が膣のみ、外陰部のみにしか無い時でも、両方でカンジダ真菌が繁殖している可能性があります。併用することをおすすめします。薬剤師と相談して購入します。
まとめ~膣カンジダは適切な治療を
誤解も多い膣カンジダは、適切な治療ですぐに治ります。恥ずかしがらずに婦人科を受診しましょう。湿気が繁殖を活発にするので膣や外陰部の湿気を避ける工夫を。
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