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漢方の診断と漢方薬の使い方~薬にも相性があります

漢方の概念は、「陰陽」、「虚実」の他にも、「気・血・水」があります。今回は「気・血・水」の概念と、「四診」という診察について、また漢方薬の使い方の注意点などをお伝えします。

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漢方の診断

漢方の診断は独特の概念で行われます。「陰陽」、「虚実」については前回のエントリ―「高齢者のかぜに漢方~漢方医学、診断と治療と漢方薬のお話」をお読みください。

「気・血・水」は体の中を循環して生命活動を行っている要素のうち、この3つがそれぞれ関わり合いながらバランス良く体内をめぐることで、健康が保たれると考えます。

めぐりが悪くなる、どれかの要素が不足したり過剰になったりすると、バンランスが崩れ不調が起こります。

 

「気・血・水」と「四診」

漢方医学は患者さん一人ひとりの「陰陽」や「気・血・水」など体全体のバランスを見て、「証」を決定し、証に合った治療を行います。状態の変化に応じて証に合った薬に変えていくこともあります。

 元気の気で目に見えないエネルギーのようなもの

 赤い液体で血液とその働きの子と

 血以外の体内を循環する液体のことで、リンパ液などを表します。

四診 漢方独特の診察方法

「気・血・水」

◆気(エネルギー) 
西洋医学で言えば、自律神経系やホルモンの働きが気と関わりが深いと考えられます。

  • 気虚(ききょ) 気の量が不足する。食欲が無くなり疲れやすくなる。消化器の機能低下などが起こる。
  • 気逆(きぎゃく) 気の働きに動悸、のぼせなど異常が生ずる。
  • 気うつ お腹の張り、胸や喉のつかえ、抑うつなど気の流れが悪くなる

◆血(血液 赤い液体) 
血液とその働きのこと

  • 瘀血(おけつ)血の巡りが滞る 動脈硬化、血栓症、肥満など
  • 血虚(けっきょ)血の働きが弱くなる 貧血、皮膚の乾燥、抜け毛など

◆水 
血液以外の体内を循環する液体のこと リンパ液などを表す

  • 水滞(すいたい) 水のめぐりが滞る むくみ、腫れ、めまいなど

 

漢方の診察

一般的な診察や検査のほかにおこなう、漢方独特の診察が四診です。四診の方法は以下の4つがあり、これらを経て患者さんにあった漢方薬が処方されます。

四診

望診 
目で見て行います。顔色、皮膚の色、舌(舌診)などを観察します。医師は患者さんが診察室に入ってくる動作から診察を始めています。

聞診 
聴覚と嗅覚による診察です。患者さんの話し方、声のハリ、呼吸の音、咳などを聞いたり、時には排泄物のにおいをかいだりすることもあります。

問診 
自覚症状や病歴など全身の状態を細かく聞き取ります。問診票の項目が250以上ある医療機関もあります。 

切診 
いわゆる触診です。漢方独特のものとして、脈を診る脈診と、おなかを診る腹診がります。

 

漢方薬の使い方

漢方薬は効果が現れるまで時間が罹ると思われがちですが、即効性が発揮される場合もあります。初期の風邪などの場合には、1,2回飲むと症状はある程度緩和されます。患者さんにエキス剤をお湯で溶いて飲んでもらい、15分後に再診したところ、喉の痛みも鼻水も止まったという話もあります。

処方された漢方薬が効かない場合は、以下のような原因が考えられます。使い方を確認してください。

漢方薬の効果が見られない原因

  • 証(診断名)と薬が合っていない
  • 養生が悪い
  • 飲み方が違う

と言ったことが原因として考えられます。

証と薬が合っていない 
証は病気の進行とともに変化するので、初めは有効だった漢方薬でも、効果が無くなる場合もあります。また、最初に診断した証と実際の証が異なっている場合もあります。

証を診断し直し薬を切り替えます。病気の種類にもよるのですが、一般的に慢性の病でも1週間飲んで症状の改善が見られない場合は、薬が効かないと考えられるので、証を見直したほうが良いとされています。

養生が悪い 
養生とは、体をいたわること。例えば、咳や痰が出ているのにたばこを辞めない、体が冷えているのに冷たい飲み物や食べ物をたくさん摂る、冷房の効いた部屋に長時間いるなどです。このような場合、薬が効いていても症状が改善されない場合もあります。

飲み方が違う 
漢方薬は原則として温かい状態で飲みます。顆粒状のエキス剤もお湯で溶いてから飲むのが望ましい飲み方です。

漢方薬の注意点

証に合わない漢方薬を飲み続けると、健康に悪影響を与えるリスクもあります。一概に咳や痰と言ってもその種類は様々です。証に合った治療を受けるためには、漢方の専門医を受診することをお勧めします。

漢方専門医検索 日本東洋医学会(://www.jsom.or.jp/jsom_splist/listTop.do)

漢方薬の副作用

漢方薬も薬なので副作用には注意が必要です。麻黄湯については前回お伝えしましたが、例えば甘草と言う生薬で、むくみ、高血圧、低カリウム血症などが起こることもあります。甘草が多く含まれている漢方薬を長期間飲む場合は、定期的な通院や観察が必要です。

医療機関で処方される漢方薬は通常、健康保険の適用となりますが、自由診療の医療機関もあるので事前に確認するとよいですね。

こちらの過去エントリーでも漢方について取り上げています。

www.nurse-diaries.com

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まとめ

漢方治療は、西洋医学では解決できない症状がある時などの、治療の一つの選択肢として考えられます。漢方独特の概念や診断を知ることも大切です。

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