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健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

ミトコンドリアの働きと活性~メタボリックドミノを防ぐ運動

メタボリックドミノを防ぐためには、食事と運動による対策が欠かせません。今回はちょっときつめの運動と、体を構成している細胞の中にある、ミトコンドリアの働きと活性との関係についてお伝えします。

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メタボリックドミノを防ぐ運動はちょっときつめがいい

内臓脂肪型肥満があると様々な生活習慣病が次々と、まるでドミノ倒しのように起こるメタボリックドミノ。ドミノの連鎖を防ぐためには、食事と運動が重要な対策です。食事については前回お伝えしました。

運動はちょっときつめを習慣にすると、細胞の中のミトコンドリアの働きを活性させ、細胞から元気になることができ、メタボリックドミノが倒れるのを防ぐのに役立ちます。

 

ミトコンドリアとは

ミトコンドリアとは、体を構成している一つ一つの細胞の中にある小さな器官です。体にとってエンジンの役割をし、体を動かすためのエネルギーを、燃料となる糖や脂肪を酸素を使って燃焼させ作り出しています。

ミトコンドリアは、健康や老化と深い関係があることがわかってきました。運動不足の状態は、ミトコンドリアの性能が低下し、高血圧や高血糖につながる有害な活性酸素を増やします。

ミトコンドリアの働きを活性させる運動との関係

ミトコンドリアは、食事で摂取した糖質・脂肪などの栄養素を、呼吸で取り入れた酸素を使って、ATP*という体を動かすエネルギーのもととなる物質を作り出します。

ミトコンドリアは30代以降減っていきますが、エネルギーが足りなくなってきたと感じると増える、という性質があるので、増やす、性能を良くすることは可能です。

きつめの運動をすると酸素不足の状態になるため、エネルギーが足りなくなってきます。するとミトコンドリアの性能が向上し、少ない酸素をうまく利用して効率よくエネルギーを作るようになります。

  • きつめの運動で酸素が不足し、ATPが細胞内になくなってくる
  • ミトコンドリアの働きを見守っている酵素がスイッチを入れ、ミトコンドリアが分裂を始める

*ATP(アデノシン三リン酸)

ATPは生体内に広く分布し、燐酸 1分子が離れたり結合したりすることで、エネルギーの放出・貯蔵、あるいは物質の代謝・合成の重要な役目を果たしているヌクレオチドである。すべての真核生物がこれを直接利用している。生物体内の存在量や物質代謝におけるその重要性から「生体のエネルギー通貨」と形容されている。

出典:アデノシン三リン酸 - Wikipedia

運動不足は性能が低下し活性酸素を増やす

運動不足の状態は、エネルギーをあまり使わなくなるので、ミトコンドリアの働きが低下し、糖や脂肪を燃焼させるときに、酸素をうまく利用することができなくなります。すると活性酸素という、高血圧や高血糖などの要因となる有害物質が出来てしまいます。

食べ過ぎなどにより、エネルギーが余った状態でも、ミトコンドリアの働きが低下するので、活性酸素が多く作られるようになります。

 

ミトコンドリアのスイッチを押す「エネルギー不足」

ミトコンドリアは、エネルギーが足りなくなってくるとスイッチが入り、増えたり性能が向上したりするので、エネルギーが足りない状態をつくることが、体を細胞から元気にし、メタボリックドミノを倒さないようにする一つの方法です。

スイッチを入れるためには、ちょっときつめの運動、カロリー制限などでエネルギー不足の状態を作り出せばよいのです。

きつめの運動とカロリー制限

ちょっときつめの運動でATPが不足すると、酵素の働きでミトコンドリアを増やすスイッチが入り、より多くのATPを作ろうとします。スイッチは1回入るとその効果はしばらく続くので、こまめにスイッチを入れることも大切。

カロリー制限や空腹感を感じることでもスイッチがはいり、ミトコンドリアの性能が向上します。

例えとしては違うかもしれませんが、トマトなどある種の野菜が、水も栄養も不足する過酷な状態で育てると、栄養がギュッと詰まって、とても甘くなる(生き延びようという本能が働く)のとにているのかも、と思いました。

過酷な状況では生命力は高まり、温室育ちは弱いです。人間も植物も(笑)。

ただし、人間の場合は程度も重要。きつすぎる運動で体を痛めたり、カロリーを制限しすぎて必要な栄養まで不足してしまうこともありますので、注意してください。

オススメの運動

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運動を行う前に、心臓や膝、腰などに病気や不調がある人は、どのくらいの強度の運動をおこなってもよいのか、担当医に必ず相談してください。また、継続することが重要ですので、苦行のようにならず、楽しみながら行うことも大切です。

息がはずみ汗ばむほどの少し早め(時速6km程度)のスピードで、毎日30分~1時間のウオーキングが目安ですが、いきなり始めるのは良くありません。まずは

  • 姿勢を正しく保つことを心がける
  • 階段を使う
  • 買い物などでは早歩き

など日常の生活で、ちょっとしんどいな、と思うくらいの負荷を体にかけるようにしてみましょう。「テレビ/ラジオ体操」も一つ一つの動きを大きく、しっかり行うと、汗ばむほどの強度がありますよ。

次にオススメなのが、インターバル速歩。

  • 早歩き3分
  • ゆっくり歩き3分
  • これを1セットとして5セット

合計30分を週に4日程度行うことです。筋力アップ、スタミナアップの方法としても勧められます。

インターバル速歩は、肥満解消の効果も報告されています。

スピードをあげて歩くためには、姿勢、腕の動き、足の動きがポイントとなります。

  • 体の中心に力を入れる
  • 腕と足をリラックスさせ、大きく動かす

ようにします。

姿勢やストレッチ、運動などについての過去エントリーです。共通する部分も多いので合わせてお読みください。女性の方もどうそ。

www.nurse-diaries.com

まとめ

エネルギー不足の状態をわざと作り出し、ミトコンドリアを活性させて性働きを向上させる。それにはちょっときつめの運動を行うことです。カロリー制限もミトコンドリアの性能アップにつながります。

メタボリックドミノの最初の1枚、内臓脂肪型肥満を倒さないようにする、高血圧や高血糖、脂質異常から進行しないために、ミトコンドリアの働きを活性、細胞から元気にしましょう。

「ナースのひとりごと」~今日も1ページ

スターウオーズとミトコンドリア

ミトコンドリア、というと真っ先に思い浮かぶのがフォースに関わる共生微生物、ミディ=クロリアン。アナキン(ダース・ヴェイダー)はこのミディ=クロリアンから生み出された存在だと考えられています。父親はいないのに妊娠し、生まれたことを、母シミが語っていました。

ミディクロリア(Candidatus Midichloria mitochondrii)はミトコンドリアに細胞内共生するリケッチアであり、マダニの卵巣に見出される。この名は映画スター・ウォーズ・シリーズに登場しフォースに寄与する共生微生物ミディ=クロリアンに因んでおり、監督ジョージ・ルーカスの公認を得て命名されている。

出典:ミディクロリア - Wikipedia