膝の痛みの原因は変形性膝関節症の可能性があります。痛みの悪循環に陥らないため、まずは歩き始めの膝関節痛を見逃さず、運動や日常生活の改善が大切です。積極的に歩けるよう膝への負担を減らす工夫をお伝えします。
膝関節痛の悪循環を断つ
膝に痛みがあると、動きすぎが原因と思い体を動かさなくなりがちです。しかし、体を動かさないでいると肥満を招き体重が増えたり、筋力が低下したりして痛みは慢性化してしまいます。
するとさらに体を動かさなくなり、さらに体重が増え、筋力が落ち痛みが強くなる、と言う悪循環に陥り、その先には寝たきり生活が待っている可能性もあります。
痛みの悪循環は、立ったり歩いたりする動作が困難になるリスクが高い、ロコモティブシンドロームにつながることもあります。
悪循環になる前に膝関節痛を改善するには、早期の段階、あるいは手術後のリハビリテーションの段階で、積極的に体を動かすことが大切です。
おすすめの運動と膝への負担を減らす3つの工夫
痛みの悪循環に陥るのを防ぐ運動は、ウオーキングがお勧めです。膝の痛みが強く、歩くのが困難な場合は、専門医の指導を受ける必要があります。
痛みが軽い場合は、症状を軽減したり、ロコモティブシンドロームの予防のためにも、積極的にウオーキングを行いましょう。運動を行う際には、膝関節への負担を減らし、痛みを和らげる工夫をすることが大切です。負担を減らす工夫を3つご紹介します。
- 膝関節への負担の少ない靴を選ぶ
- 正しい歩き方を心がける
- 杖を使う
それぞれの工夫について、詳しくご紹介しましょう。
膝関節への負担の少ない靴を選ぶ
靴は、靴底、かかと、幅、中敷きの4つのポイントを押さえて選びましょう。
靴底は適度なクッション性のあるもの
やわらかすぎたり硬すぎたりする靴底は、膝に余計な負担をかける。着地の衝撃を吸収する適度なクッション性のある靴底は、膝にかかる負担を軽減することができる。革靴などのビジネスシューズでもクッション性のある靴底のものが多くある。
かかとは低いもの
かかとが低く安定したものを選ぶ。かかとが高いと着地時にかかとで体重を受け止められないので、膝に負担がかかる。
脚の指を動かせる程度の幅
歩くときにかかとからつま先に移動する体重を受け止め、蹴りだすためにはある程度余裕のある靴幅が必要。
足のアーチにあった中敷き
アーチを保てる中敷きを選ぶ。足のアーチには、着地時の衝撃を受け止めるクッションと、脚を蹴りだすばねのような役割がある。
正しい歩き方を心がける
適切な体重移動ができ、正しく歩いているかどうかは、靴のすり減り方で確認します。
正しい歩き方とは
- かかとから着地
- 脚の外側からつま先に向かって体重を移動
- 親指を中心に地面を蹴りだす
と言う体重移動をスムーズに行う歩き方です。膝に負担がかからず、痛みを軽減させることができます。
靴底の減り方
▶正しい歩き方をしている場合
親指部分と脚の外側、かかとがすり減る(革靴など靴底が硬い場合)
ウオーキングシューズなどクッション性のある靴底の場合は、中央部分もすり減る
▶つま先やかかとだけがすり減る
体重移動がスムーズに行われていない。つま先やかかとのどちらかに負担がかかっていると考えられる
▶中央とかかとだけがすり減る
つま先で蹴り上げる力が弱く、足を引きずって歩いていると考えられる
▶内側や外側だけがすり減る
内側だけの場合はX脚、もしくは内またで歩いていると考えられる。
外側だけの場合はO脚が有ったり、がに股で歩いていると考えられる
こういったすり減り方がある場合、体重移動を意識して正しい歩き方を心がけることが大切です。
O脚がある場合
靴底の外側だけがすり減るO脚の人には、足底版と言う中敷きタイプの装具を使うことをお勧めします。O脚用の足底版は外側に厚みがあり、靴の中に入れると外側が少し高くなるので、O脚が矯正され、歩くときの膝への負担が軽減されます。
O脚があり、膝の痛みがある場合は、整形外科を受診し、自分に合った足底版を処方してもらいましょう。
痛みなどの症状はないけれど、O脚があるという場合は、足底版の作成、販売をしている専門店などで相談してみるとよいでしょう。
杖を使う
歩くと膝に痛みが出る場合、杖を使うと痛みを軽減することが出来ます。膝を手術した後は、転倒防止にもやくだちますので、正しい持ち方、使い方を知り、ウオーキングに活用すると良いですよ。
杖の正しい持ち方
- 痛みのある側の脚とは反対側の手で持ちます。
- 持ち手の部分の長い方を小指側にして、人差し指と中指の間に杖の首の部分を挟んで握ります。
杖の長さ
- 地面にまっすぐついたときに、持ち手が股関節の高さにくるもの
- 肘が軽く曲がる状態になる
杖の使い方
- まず杖を前に出す
- 痛みのある側の脚を前に出す
- 痛みのない側の脚を前に出す
慣れてくると、杖と痛みのある側の脚をほぼ同時に出して、歩けるようになります。
痛みが強い場合は、歩幅を小さくします。痛みのない側の脚を出すときに、前に出さず痛みのある側の脚に揃える程度の歩幅にすると、楽になります。
まとめ~痛みの悪循環を防ぐ
膝の関節痛は痛いからと動かさないでいると、更に痛みが強くなってしまいます。
痛みの悪循環に陥るのを防ぐため、膝の負担を減らす3つの工夫をして積極的にウオーキングをしましょう。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ