肥満の予防、改善に多くの人がやっきになるのは、見た目を良くしてモテたいから?ダイエットのために運動をする人も多い。肥満、生活習慣病と運動は密接な関係にあり、運動の重要な目的は健康。今回は、スポーツをすることで起こる身体の変化、運動の効果や適度な運動についてお伝えします。理解を深め、効果的な運動を行いましょう。
生活習慣病のもと、肥満を予防・改善する運動
体には適度な刺激が必要で、運動する習慣は体の各機能を高め、体脂肪率が減り、肥満になりにくい体質を作っていくことが可能となります。
肥満が大きな原因である、生活習慣病の予防、改善にも役立つのです。
運動不足は、様々な生活習慣病を起こすもととなります。アラフォーの健康モテるにはどんな運動が良いのか、運動することで、からだにどのような変化があるのか見ていきましょう。
アラフォーの健康づくりのための適度な運動5選
技術と体力は別物!アラフォーのスポーツ障害は技術の過信からでもお伝えしましたが、いきなり運動をするのは、逆に健康を損なう危険性があります。
アラフォーが運動を始める場合には、内科医やスポーツドクター、指導員などの専門家に相談し、運動をしても体の安全に問題はないか、確認してから始めることが大切です。
運動を始める前におすすめしたい整形外科で行うメディカルチェック。こちらの記事も参考にされてください。
健康維持・増進のための適度な運動の目安
以下の例は、酸素を体に取り入れながら行う「有酸素運動」です。いずれも翌日まで疲労が残ることはありません。どれか一つ、自分にあったものを選んで毎日続けましょう。
速歩(100m/分程度の速さ) | 25分 |
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エアロビクス(軽く) | 25分 |
自転車(18km/1時間程度の速さで平地を走る) | 25分 |
水泳(浮いてゆっくり進む程度) | 25分 |
ジョギング(120m/分程度の速さ) | 20分 |
※30歳代の健康な人の場合です。運動の強さは脈拍数にして、180/分程度。
この程度の運動は、ケガなどをせず、安全に行え疲れもたまらないので、毎日続けることができます。
脂肪を効率よく消費するには最低10分継続
体の中の脂肪は、運動を10分以上続けないと、効率よく消費されません。最低10分間は続けましょう。
一度に運動をするのが無理な場合は、朝10分、夕方15分といったように分けても構いません。
結果にコミットするのは継続!
運動を始めたからといっても、すぐに体重が減るわけではありません。特に肥満の人は、運動をしても思ったほどエネルギーを消費していません。
運動をしているからと安心して、食事を摂り過ぎると逆効果になるので、注意が必要です。
【3ヵ月以上継続する!】
運動を継続すると、徐々にエネルギーを消費しやすい体質に変わっていきます。効果が現れてくる目安は3ヵ月以上。諦めずに続けることが大切です。
心臓が悪い人、ひざなどが痛むという場合は、負担のない運動種目を選び、ペースを落とす、時間を短めにするなどの工夫で続けるようにします。
心身をリラックスさせて、運動を楽しみながら続けることがコツです。
運動と食事
肥満の予防には、食事と運動の関係が非常に重視されるようになってきました。運動をしないと、体内に脂肪が蓄積されます。
高脂血症が進んで動脈硬化が起こると、心臓病になるリスクがあります。バランスのとれた食生活が大切なのは言うまでもありませんが、肥満の予防・改善には「いつ食べるか」も重要です。
肥満のある人は、食事の前に運動!
肥満でない人はもともと、食事をした時のエネルギーの消費が活発な体質です。運動をするとさらに活発になります。
安静時のエネルギー消費量を肥満のある人とない人と比べると、肥満のある人のほうが少ない。
さらに、肥満の人は食後に運動をしても、エネルギーの消費量の差は、安静時とほとんど変わりません。
- 肥満でない人: 食事の前でも後でも、運動をすればエネルギー消費量が増える
- 肥満の人: 食後の運動ではエネルギー消費量に変わりは殆どないが、食前に運動するとある程度の効果が期待できる
肥満の人は、運動をしたあとで食事をとると、ダイエットの効果を得やすいといえます。
運動で変わる体の3つの変化
太る体質の人は、少ないエネルギーで身体を維持できるので、エネルギー消費の効率がよい。
太らない体質の人は効率が悪い、といえますが、健康の面から見ると、効率が良いということは必ずしもプラスとは限りません。
- 運動による変化
- 運動の効果
- 運動の影響
について確認します。
運動による変化~代謝を上げる
エネルギーの使い方がうまくなり、代謝を上げることができます。肥満の原因は、基本的には
- エネルギーの取り過ぎ
- エネルギーの消費が少ないために、体内に余分なエネルギーが脂肪としてたまる
ことにあります。
運動を続けることで、直接的にエネルギーが消費されるだけでなく、エネルギーの消費が活発になる体質に変わっていきます。
酸素を体に取り入れる
いつも運動をしている人は、していない人に比べて、安静にしている時も、エネルギー消費量が高いということがわかっています。
特に持久的運動を良くしている場合は、血液の循環機能が高まり、体に酸素をたくさん取り入れられるようになるので、酸素を体の隅々まで行き渡らせることができます。
最大酸素摂取量(運動をしている時に、体内に最大どれくらいの酸素を取り込めるかを表す)が高くなります。
高い安静時のエネルギー消費量
余分なエネルギーが体内に蓄積されにくくなります。
例えばマラソン選手などが持久力を高めるトレーニングで、体の中の糖質(ブドウ糖)と脂肪の使われ方の違いを見ます。
始める前と3ヶ月ほどした後に同じペースで走った時のエネルギー源の違いです。
- トレーニング前: 肥満とは関係ない糖質(主にグリコーゲン)が使われる比率が多い
- トレーニング後: 脂肪が使われる割合が多くなる
このように、同じ運動をしても、脂肪が消費されやすい体質、太りにくい体質になっているといえます。
普通の人でも、トレーニングを続けていれば、程度の差はありますが、脂肪が消費されやすい体質になります。
運動の効果~身体の機能が向上
運動をすることで体内に酸素を取り入れる能力が上がり
⇒エネルギーの消費がうまくできる体質になる
⇒身体の機能が向上し、成人病の予防に役立つ
効果が得られます。運動による身体の機能の向上には以下の様なものがあります。
- 血液の循環機能の向上
心臓の機能が高まり、身体中へ酸素が行き渡り栄養補給が効果的に行われる - 呼吸機能の向上
無駄なく合理的に呼吸ができるようになる - 筋肉/脂肪比の上昇
体を構成している、筋肉と脂肪の割合が変化
脂肪が減り、筋肉の量が増えるとともに肥満になりにくい体になる - 血清脂質の変化
HDLコレステロール(善玉コレステロール-動脈硬化を防ぐ働きがある)が増え、動脈硬化の予防につながる - 糖分の代謝機能の向上
体の中の糖分(ブドウ糖-エネルギー源)を効率的にりようできるようになり、糖尿病の予防につながる - 体温調整機能の向上
必要があるときにすぐに汗がでるようになり、熱が体内にこもるのを防ぐ
エネルギーの消費が活発になり、寒い環境でも体温を維持しやすくなる - 食塩量の維持
骨から骨塩(カルシウムを中心とした成分)が抜けるために起こる骨粗しょう症の予防
適度な運動をすると骨に刺激が加わり、骨塩が骨の中にとどまるようになる - 免疫機能の向上が期待
免疫機能の向上に良い影響がある
免疫機能は外部から自分の体のに外のあるものが入って来ると、それを排除しようとする働き - がんの予防
乳がんや大腸がんなどの予防にも、役立つのではないかと言われている
運動の影響~臓器の能力UP
適度な運動による刺激を受け、その刺激に体が順応していくことで、体のいろいろな臓器の能力が高められます。
しかし、運動不足だと肥満に繋がり、体の適応力が弱まり心臓疾患や糖尿病など生活習慣病のリスクが高まります。
生活習慣病の増加は、機械文明の発達で生活が便利になった反面、身体活動の量が減っているのも背景にあります。
交通機関の発達で、通勤などで体力を使うことも、以前に比べ少なくなっているのも、原因といえるでしょう。
成人病予防のためにも、適度な運動を積極的に日常生活で行うことが大切です。
まとめ~モテボディは運動の継続で結果にコミット
お腹の脂肪を減っこましモテる体になりたいメタボなアラフォーに!肥満は生活習慣病の原因ともなります。
運動はダイエットばかりか、生活習慣病の予防や改善にも有効。
いきなり運動を始めるのではなく、適度な運動の必要性、どんな運動をどのようにしたら良いのかも考えて運動しましょう。
継続することが結果にコミット、健康でモテる体への近道です。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ