冷えは万病の元、便通異常、腰痛、頭痛、免疫機能がうまく働かないなど体の不調の原因に。自覚のない隠れ冷え症もあり、治すのに要注意!3つの冷えタイプ別の漢方対策をお伝えします。
あなたの冷えはどのタイプ?タイプ別対策
冷えは西洋医学では、検査で異常値が出ない場合は病気の対象になりません*が、東洋医学では冷えの症状そのものを対象としているので、「冷え症」といい、色々と研究されています。
冷えが辛い場合は体質と諦めず、まず西洋医学的な検査を受けて病気が隠れていないかを確認しましょう。病気とはならない場合は漢方がおすすめです。
自分でできる冷え対策も習慣にして冷えを治すことを目指しましょう。
冷え症には主に以下の3つのタイプがあり、複数のタイプが混合している場合もあります。
冷え症の3つのタイプ
- 血行不良タイプ
- 胃腸虚弱タイプ
- 新陳代謝低下タイプ
隠れ冷え性(冷えの自覚がない)も要注意です。
どの冷えタイプかのチェックリストは後述しています。それぞれの治療と対策は次項でお伝えしています。
*冷えの症状が起こる主な病気
- 心不全などの心臓の病気
- 甲状腺機能低下症
- 貧血
- 膠原病
など
冷えのタイプ別治療と対策
血行不良タイプ | ||
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主な漢方薬 | 生薬 | 当帰(とうき) 紅花(こうか) 艾葉(がいよう) 川芎(せんきゅう) |
処方 | 当帰芍薬散(しゃくやくさん) 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) 四物湯(しもつとう) 芎帰膠艾湯 (きゅうききょうがいとう) など |
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冷え対策のポイント | 血行を良くする こまめに動く ストレッチや体操など もう一枚重ね着 きつい下着は避ける 素足をさけ、必ず靴下をはく |
胃腸虚弱タイプ | ||
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主な漢方薬 | 生薬 | 生姜(しょうきょう) 山椒(さんしょう) など |
処方 | 大建中湯(だいけんちゅうとう) 人参湯(にんじんとう) 六君子湯(りっくんしとう) など |
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冷え対策のポイント | のど八分目 (冷たい飲み物は少しずつ口に含ませる) 消化の良いものを食べる (脂肪の多いものは逆効果) 腹巻きをする |
新陳代謝低下タイプ | ||
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主な漢方薬 | 生薬 | 附子(ぶし) など |
処方 | 深部糖(しんぶとう) 麻黄附子細辛湯 (まおうぶしさいしんとう) 八味丸 など |
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冷え対策のポイント | 湯船に浸かり体全体を温める 筋肉を鍛える (日常生活でも工夫する) |
漢方治療の注意点~受診時と期間の目安
漢方治療では患者さんの訴える症状を重視します。自覚症状や生活習慣などについて細かな問診が行われ、顔色、脈拍、舌やお腹などの状態を確認して、ひとりひとりの症状や状態にあった漢方薬を処方します。漢方の治療を受ける時はあらかじめ、
- どのように冷えるのか
- 冷えの他にどのような症状があるのか
- 冷えが起こる時、よくなる時の状態
などを整理してまとめておきましょう。冷えとは無関係に見える症状が治療の重要な手がかりになることもあります。
効果が出る期間の目安
漢方薬は初めに2~3週間分の処方で胃もたれなどの副作用を見ます。問題がなければ1ヶ月ほど続け効果を見ます。
冷えや冷えから来る症状は比較的早く改善するのですが、根本的な治療である体質改善には、悩んでいた期間の約半分は必要だと考え、気長に取り組むことが大切です。
自分でできる冷え対策
自分でできる体の内側からと外側からの冷え対策を簡単にご紹介します。
冷え性の主な原因と対策については体の冷えは改善できる~あきらめないで!冷え性の原因と対策でも簡単にまとめていますので、併せてお読みください。
内側からの冷え対策
からだを温める食材や料理を食べる
- 体を温める性質を持つ食材*を積極的に摂りましょう。鍋料理などの温かい料理で胃腸を温めるのも良いです。
- 冷たいものが食べたい時は白、湯を飲むなどで体を冷やしすぎない工夫をします。このように「中庸(ちゅうよう)」を目指すことは漢方の基本の考え方です。
*にんにく、しょうが、ねぎ、にら、さんしょう、とうがらし、あおじそ、かぼちゃ、なつめ、あんず、くるみ、シナモン、黒砂糖など。
朝食をきちんと摂る
- 体の中の熱は食べ物から作られます。特に朝食べると熱産生が高まるのできちんと食べることが重要です。
- 果物や生野菜は体を冷やすので、体を温めるものも食べましょう。
毎食たんぱく質を摂る
- 熱を生み出す筋肉のもととなるたんぱく質を毎食摂りましょう。
- たんぱく質は牛や豚の赤身肉や鳥のささみなどに豊富です。
規則正しい生活リズム
- 自律神経の乱れは冷えにつながります。
- 仕事の都合などで食事や睡眠のリズムが乱れたら、こまめにリセットすることが大切です。
運動習慣
- ストレッチやウオーキングなどを習慣にしましょう。運動は血行を良くするのに役立ちます。
外側からの冷え対策
現代生活は昔に比べて冷えをもたらしやすい生活様式になっています。
体を冷やす性質がある夏が旬の野菜なども一年中食べられるようになってきましたし、シャワーだけで湯船に浸からない生活も広がっています。
入浴
- 入浴は体全体を温める効果があるので38~40℃程度のお湯に10~15分ほどゆっくり浸かりましょう。上がり湯に温めのお湯を足先にかけると熱が逃げません。
- 熱め、温めのお湯を交互に体にかけると自律神経が鍛えられます。
足湯
- 足の裏には内臓の臓器に対応するツボがあります。足を温めると熱が体の隅々まで行き渡るので血行が良くなります。
- 寝付きが悪い人は、寝る前に足湯をすると良いでしょう。
首周り、足元、お腹周りを温める
- 首や足首は皮下脂肪が少なく皮膚のすぐ下を動脈が通っているので、外から温めると効率よく血流を促せます。
- 胃腸の働きが悪いと消化・吸収で熱を生み出せなくなるので、お腹を冷やさないようにすることも大切です。
- 下着や靴下は体を締め付けないもので吸湿性の良いものを選びましょう。新素材のものは寝るときに着るとかゆみの原因になることがあるので、綿や綿混の物がおすすめです。
カイロの利用
冷えに効く代表的なツボにカイロをあてて温めます。低温やけどに注意してください。
中脘(ちゅうかん)胃腸虚弱タイプの人
中極(ちゅうきょく)頻尿がある人
風門(ふうもん)新陳代謝低下タイプの人
気海(きかい)元気を補うツボ
中院:みぞおちとへその真ん中
気海:へそから指2本分下
中極:へそから指5本分下
風門:首を前に倒した時飛び出る骨から、下に数えて2つ目と3つ目の骨の間から、左右それぞれ指2本分外側
カイロのエコな使い方
短時間使用したカイロは、密封できるポリ袋などに入れ、空気を遮断すると反応が止まり温度が下がる。
開封すると再発熱するので例えば、朝夕の通勤時にだけ使い時など、カイロをエコに利用できる。
ツボ押し
- 3段階くらいで徐々に力を強くして、「痛いけれど気持ち良い」程度の力で5秒間くらい押します。
- その後再び3段階くらいで力を抜いていき、離します。これを5回繰り返します。
腎兪(じんゆ):へその真裏から指2本分外側
足三里(あしさんり):ひざのお皿の下の外側のくぼみから指4本分下
三陰交(さんいんこう):内くるぶしの出っ張りから指4本分上のスネの骨の後ろ側
照海(しょうかい):内くるぶしから親指の幅文下
涌泉(ゆうせん):足裏の中央よりやや上、指を内側に曲げた時凹む場所
至陰(しいん):足の小指の詰めのはえぎわの外側
カイロによる低温やけどを防ぐ
カイロや湯たんぽを使う時は低温やけどに注意が必要です。
子供、高齢者、血行障害などの病気やケガのある人、体の不自由な人は使用を避けましょう。使用する場合は周りの人が十分注意する必要があります。
- 肌に直接ふれさせない
- サポーターやガードルなどで圧迫しない
- 就寝時は使わない
- こたつ、布団のナカ、暖房器具の近くで使わない(温度が高くなることがある)
- 熱いと感じたら使用をやめる
- 肌の状態を確認する(1時間に1回)
- 靴専用カイロを体に使わない
今更聞けない使い捨てカイロQ&A
使い捨てカイロの種類は?
今更ですが、貼るタイプと貼らないタイプ、それぞれレギュラーサイズとミニサイズがあります。
靴専用のものは中敷きタイプや靴下の足先に貼るタイプがあります。メーカーに寄っては首、肩、腰、ひざ用などもあります。
貼るタイプと貼らないタイプの使い分けは?
貼るタイプ:粘着面は空気の流入がないため熱くならないので、肌側にむけ温めたい部位の下着やシャツなど衣類の上から貼ることで、適温になるように作られています。
貼らないタイプ:両面が暖かくなります。ポケットに入れ握って手指を温めるのに適しています。
注意:貼るタイプを肌着の内側に貼る、貼らないタイプをテープで肌着に貼り付けるなどは、肌に接する温度が高くなり、長時間続くと低温やけどのリスクが高まるので止めましょう。
靴専用カイロはどこが違う?
靴専用カイロは、少量の空気で反応が進み、暖かくなるように作られています。
靴の中は空気が少ないので、普通のカイロでは反応がなかなか進みません。
注意:靴専用回路を肌着などにつけると温度が上がりすぎて危険です。また、サンダル、スリッパなど空気の入りやすい履物にも使用しないようにします。
なぜ発熱する?
鉄が空気中の酸素と反応して、酸化鉄になるときに出る熱を利用しています。
発熱温度や発熱の持続時間は原料のブレンドや通気性によって異なります。各メーカーのパッケージを確認してください。
隠れ冷え性
冷えは女性だけのものという先入観から、冷えの自覚がなく放置している男性も少なくありません。高齢の男性では頻尿の原因になることもあります。
自分は冷え症ではないと思っている人でも、実は冷えている場合があり、後述のチェックリストで当てはまる場合は要注意です。
- 体を温めると症状が改善する
- 入浴後の尿意、薄い尿
がある場合は、冷えている可能性が高いです。
自分が冷えているのか自覚しにくい時に簡単に判断するには「体を温める」ことです。入浴やカイロの使用で症状が改善する場合は冷えの可能性大です。
また、冷えにより足などがむくんでいる場合に、入浴で温まることで血液の循環が良くなり、入浴後に薄い尿が出てむくみが改善する場合があります。
男性の隠れ冷え性についてはこちらの記事でもお伝えしています。
冷えタイプのチェックリスト
それぞれ5項目以上当てはまるものがある場合、冷え性の可能性が高くなります。最も該当項目が多いものがあなたの冷えタイプです。
血行不良タイプ
□手足や足先に冷えを感じる
□ 冷え、のぼせ両方ある
□ 便秘がち
□ 肌があれやすい
□ 肩がこりやすい
□ 腰痛が起こりやすい
□ 寝るときに靴下をはく
□ 唇が紫色
□ しもやけができやすい
□ 目の下のクマができやすい
血行不良のため、体の中心部で作られた熱が末端まで行き渡らずに手足が冷えます。ストレスによって、血管の働きを調整する自律神経が乱れていることが原因の場合も少なくありません。
胃腸虚弱タイプ
□ お腹周りが冷える
□ 下痢をしやすい
□ 腹巻きをすると調子が良い
□ トイレが近い
□ お腹が張ったり痛くなりやすい
□ 胃がもたれやすい
□ 食後に眠くなりやすい
□ 甘いものが欲しくなる
□ 冷たいものを取ると調子が悪くなる
□ 肌が黄色っぽい
□ 肌にハリがない
胃腸が弱かったり、暴飲暴食やストレスで胃腸が弱っていたりするため、食べ物が消化できずに体のエネルギーとなる栄養を取り込めない状態です。むくみが生じることも少なくありません。
新陳代謝機能低下タイプ
□ 寒気がする
□ 風邪をひきやすい
□ いつも体がだるい
□ 便秘も下痢もある
□ 平熱が低い(36℃以下)
□ 背中や全身に冷えを感じる
□ 肌が青白い
□ 肌にツヤがない
□ 良く寝汗をかく
□ 電気毛布を愛用
体全体の機能が低下してエネルギーを生み出しにくいために冷えます。背中や全身に冷えを感じやすく、疲労困憊のときにも見られます。低体温はこのタイプに含まれます。
隠れ冷え性
□ 入浴すると気になる症状が改善する
□ 使い捨てカイロの使用で調子がよくなる
□ 下着を重ね着している
□ 寒くなると寝付きが悪くなる
□ 寒くなると体が重くなる、ヤル気がなくなる
□ 風邪を引きやすくなった
□ 入浴後、トイレが近いことが多い
□ 尿が薄いことが多い
→冷えのタイプ別治療と対策に戻る
万病の元、冷えの対策
体の冷えは辛いだけでなく、東洋医学では慢性化すると老化や病気の危険性を高めると考えます。冷えによって起こる症状は、肩こり、腰痛、偏頭痛、倦怠感、便通異常等様々です。
- お腹が冷えると腸の動きが悪くなってガスがたまりやすく、便秘に繋がる。
- ヤル気がない、抑うつ、イライラ、不眠などの精神症状にも関係する。
- 肌のくすみやかさつき、鮫肌など、美容面への影響。
- 体温が低いと免疫機能がうまく働いていない可能性がある。(体の免疫機能は深部体温が37℃前後で働くようにできているため、がんの発症や風邪などの感染症にかかりやすくなる)
などなど。冷えは万病のもと、軽く見ないことが大切です。また、自覚のない隠れ冷え症にも注意が必要です。
女性、中高年に多い冷え
東洋医学では加齢により体の臓器そのものの機能の衰えや、それぞれの調整力が低下したりすることで体が陽(熱を発することができる状態)から 陰(冷えて寒さに弱くなる状態)へと変化すると考えます。
中高年になると陽から陰へと変化するために、誰でも冷えを感じやすくなるのです。
体の約60%の熱は筋肉で作られているので、一般に男性に比べ筋肉量が少ない女性は、男性よりも冷える傾向にあります。
しかし、男性も加齢により若い頃よりも筋肉量の低下が見られるので、冷えを感じやすくなります。冷えは女性の悩みというイメージから、自覚のない隠れ冷え症の男性もすくなくありません。
更年期にも見られやすい冷えのぼせ
冷えのぼせとは
- 上半身(顔や首など)はほてって熱く、汗が出る
- 下半身は冷える
と言った状態のことです。自律神経の乱れが原因の場合、動機や息切れ、めまい、吐気などを伴うこともあります。
対処法は、まず顔は冷たいタオルで冷やし、足を温めます。下半身の冷えが改善するとのぼせも治まってきます。
ストレスによる冷え
ストレスで血管の働きを調整する自律神経が乱れると、暖かい部屋に入ったり手袋やレッグウォーマーなどで手足を温めても、なかなか体が温まらないということが起こります。
また、自分では冷えを感じていても、他の人が触っても冷えていないという場合もあります。
- ストレスの発散をこまめにする
- 食事、排便、睡眠のリズムを整え、自律神経の働きを整える
- 不規則な食事、夜更かしなどの生活習慣を見直す
などの対処をしましょう。
体にはもともと体温を一定に保とうとする機能が備わっていて、脳の視床下部が司令塔です。
体温が低下してくると、視床下部は皮膚の血管を収縮させて熱が出ていくのを抑え、熱産生を高めることで体温を通常の状態に上げ、一定に保つように働きます。
しかし、ストレスは自律神経の乱れを引き起こす要因となり、体温調整が乱れて冷えを起こすのです。
胃腸虚弱に体の機能を整える「幸健生彩」
疲れがぬけない、お腹を壊しやすいなど不調の原因は、ストレス、肉体疲労、加齢などによりデリケートな胃や腸の運動機能の低下による悪循環かも。
胃腸障害、肉体疲労などの栄養補給、虚弱体質、滋養強壮には「養命酒」が良く薦められますが、幸健生彩は養命酒の研究、漢方・生薬の知識を生かして開発された指定医薬部外品です。
「養命酒はアルコールがダメなので飲めない」「生薬の香りが苦手」と言った声からうまれた飲みやすく使いやすい錠剤タイプです。
養命酒に使われている生薬に加え、幸健生彩独自の生薬も配合。
ノンアルコール、ノンカフェイン、コーティングで生薬の苦味や香りが気になりません。お酒が苦手な方、授乳中でもOK。
体の機能が低下して言えるときに、生薬の力を生かしてからだ本来の健康な状態へと導くための、指定医薬部外品です。養命酒製造の長年の研究実績・生薬配合技術が生かされています。
効果・効能 |
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容量(1個) 用法(成人) |
80錠(20日分) 1回2錠、1日2回(朝、夕) |
成分 | 芍薬(シャクヤク) 桂皮(ケイヒ) 甘草(カンゾウ) 大棗(タイソウ) 生姜(ショウキョウ) 人参(ニンジン) タウリン ニコチン酸アミド ビタミン(E、B6、B2) その他カゼインNaなどの添加物 |
定期コース |
初回半額 4,410円(税込) 2回目以降15%オフ 7,497円(税込) 送料無料 |
通常(1個) | 2,940円(税込) 送料無料 |
*ビタミンなどを含有する製品を同時に使用する場合は、過剰摂取などに注意
*初回半額は初めて購入される方限定、1世帯1回1セット限り
まとめ~冷え症は体質と諦めず日常の対策と治療で治す
体質と諦めている場合も多い冷え。西洋医学的な検査で隠れた病気がない場合は、冷え症はタイプ別の漢方治療で治しましょう。
自分でできる内側からと外側からの対策も行うことで、冷えの改善を目指します。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ