健康と日々の徒然~Anのひとりごと

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尿意を抑える方法は?尿トラブル漏れる前に自分で行う尿漏れ対策

尿漏れや頻尿などの尿トラブルは女性だけでなく、男性にも少なくありません。尿トラブル対策には原因となる病気の治療と、自分で行う尿漏れ対策が大切。尿意を抑える方法などをご紹介します。

尿意を抑える方法は?尿トラブルに自分で行う尿漏れ対策

尿意が抑えられない!切迫性尿失禁とは

突然尿意を覚えてトイレに駆け込んでも間に合わない、など急な尿意を伴って起こる尿漏れを「切迫性尿失禁」と言います。多くの場合過活動膀胱と言う病気の症状として起こります。

膀胱の近くが過敏になり少量の尿や、ちょっとした刺激に膀胱が過敏に反応して収縮することで、急な尿意が起こるのです。

突然の尿意や切迫性尿失禁の心配から外出を控える、など日常生活に支障をきたすことも多くあり、仕事中では更に深刻な尿トラブルを起こしかねません。

尿意を抑える方法は、まず自分の尿トラブルの状態をきちんと把握することが大切です。尿トラブルの治療や自分で行う尿漏れ対策についてご紹介します。

 

突然の尿意を抑える方法

突然の尿意や頻尿があっても、これらの症状で困っていると感じることがなければ、治療の必要はないことも多いです。

しかし、尿漏れや尿意切迫感で安心して外出できない、仕事に差し障りがある、などの場合は一度泌尿器科を受診して相談しましょう。

深刻な尿漏れがある場合は、治療と同時に、尿漏れパッドや尿漏れ対策用の下着なども活用します。

突然の尿意を抑えるには自分で行う行動療法で、症状を起こしやすい行動を改善することが大切です。

行動療法の効果が現れるまで数カ月かかるので、その間は薬物療法で症状を押さえます。

行動療法

日常生活の行動を見直し、症状を起こしやすくする行動を改善することで、症状の軽減を測り突然の尿意を抑える、尿漏れを防ぐなどの尿漏れ対策を行います。行動療法には以下のものがあります。

  • 排尿日誌 
    水分の摂取量や排尿量などを日誌に記録して、頻尿や尿漏れの原因などを見極める
  • 膀胱訓練 
    排尿を我慢して膀胱を拡大するための訓練。外出先で尿意や排尿のことが気にならなくなるまで続ける
  • 骨盤底筋体操 
    腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱の治療法だが、男女ともに過活動膀胱の改善も効果が望める

*詳細は後述

薬物療法

行動療法の効果が現れるまでの間、以下のような治療薬を用いて症状を押さえますが、症状によっては継続して使うこともあります。

抗コリン薬 
膀胱を収縮させる物質の働きを抑える作用があり、急な尿意を軽減、切迫性尿失禁も押さえられます。

便秘、口のかわきなどの副作用、尿が出にくいなどの症状が現れることがあります。

β3アドレナリン受容体作動薬 
2011年9月から使われている薬で膀胱を緩める作用があります。膀胱の容量が増大するので排尿の回数が減ります。

抗コリン薬に比べ、副作用が少ないのが特徴です。ただし治療対象は中高年以降の女性*が中心です。

前立腺肥大症が原因で過活動膀胱の症状がある場合は、α1アドレナリン受容体阻害薬が用いられます。
前立腺や尿道の平滑筋を緩ませて、尿道の通りを良くすることで、症状が収まります。改善しない場合は抗コリン薬に切り替えます。

*動物実験(ラット)で精巣や子宮など生殖器への影響がみられた。

行動療法とは

行動療法とは、日常生活を見直して、症状を誘発しやすい行動を把握し、それを修正していく治療法です。

尿意を抑えるために我慢する膀胱訓練や、緩んだ骨盤底筋を鍛える体操など自分で行うことが大切です。

また、自分の尿トラブルの状態を知ることや肥満や便秘の解消、食べるものに注意すると言った症状を悪化させやすい生活習慣の改善も必要です。

尿トラブルの状態を把握する排尿日誌

排尿日誌やパッドテストで尿漏れのタイプや頻尿の原因、症状が現れやすい状況などを客観的に知ることができるので、的確な尿漏れ対策が行なえます。

排尿日誌Sample

排尿日誌のサンプル

出典:日本排尿機能学会

  • 排尿の時間や量
  • 尿意の強さ
  • 尿漏れの有無
  • 尿漏れが起きたときの状況
  • 水分摂取量
  • 起床・就寝時間

などを排尿日誌に記録します。

排尿日誌は医療機関で記録用紙を渡される場合もありますし、ウェブからダウンロードしたり、アプリもありますが、ノートに必要事項を記入しても大丈夫。

自分の症状にあった方法で記入します。上記のサンプルでは時間枠が決まっていますが、例えば一時間に何度も排尿がある場合は使いにくいので、排尿時間を書き込むタイプを使うと良いですね。

排尿量を量るには からのペットボトルに50mlずつ水をいれて、油性ペンでメモリを付けたものを使用すると良いでしょう。

排尿日誌を見るポイント

まず朝起きて最初の排尿量に注目。一般的に起床後最初の排尿量が最大排尿量になるので、その量を見ることで膀胱の容量に以上があるかどうかを判断する目安となります。

また、一般的な目安と比較することで自分の状態が見えてきます。

一般的な目安

昼間の排尿回数 5~6回ほど
夜間の排尿回数 1回以下
1回の排尿量 200~500ml
1日の排尿量 1500ml前後
一日の水分摂取量 排尿量が1500ml前後になるように摂取する
水分摂取状況 カフェインを多く含んだり、刺激の強い飲み物を摂りすぎない など

水分摂取量や排尿量が標準より多い場合は水分のとりすぎが原因、水分を調整することで頻尿を改善できます。

また、尿漏れがあったときの状況を知ることで、尿漏れのタイプも知ることができます。

パッドテスト

60分間のテストで尿漏れの量が正確にわかります。適切な尿漏れ対策グッズを選ぶ目安にもなります。

予め重さを量った尿漏れパッドをあて、飲料水500mlを飲んでから決められた動作を行います。尿漏れパッドを外して重さをはかり、最初の重さを差し引くと尿漏れの量がわかります。

※詳しい方法は後述

膀胱訓練

尿意を我慢する訓練です。尿意を押さえ膀胱を拡大します。少しずつ我慢する時間を長くしていきます。

  • まず5分間尿意を我慢しましょう
  • 慣れてきたら10分間、20分間と我慢する時間を伸ばしていきます
  • 自信がついてきたら、外出先でも我慢してみます
  • 外出先でも気にならなくなれば訓練は終了です

尿意を抑える訓練終了までは、数カ月かかることが一般的です。

骨盤底筋体操

骨盤底は筋肉や人体などでできたハンモックのような組織で、女性の骨盤内の膀胱や子宮、直腸などは骨盤底で支えられています。

これが緩んで尿漏れが起こるのが腹圧性尿失禁ですが、過活動膀胱の改善にも効果が期待できます。

緩んだ骨盤底を改善して排尿をコントロールできるようにします。どのような姿勢でも、時間や場所を選ばずに行うことができ、軽症の場合は完治が望めます。

瞬発力を鍛える体操 尿を我慢するようなイメージで膣と尿道を締める

腹圧がかかったときに、瞬間的に尿道を閉められるようにする体操です。

  • 椅子に座って背筋を伸ばし、足を肩幅に開く
  • 瞬間的に肛門、膣、尿道を締める
  • 2秒間閉め、4秒間休む
  • これを5回繰り返す

持久力を鍛える体操

膀胱をリラックスさせ、尿意を抑えるようにする体操。おならを我慢するようなイメージで肛門を締める

  • 椅子に座って背筋を伸ばし、脚を肩幅に開く
  • 肛門と膣、尿道を閉め胃の方へ持ち上げるように筋肉を動かす
  • 5秒間しめ、10秒間休める
  • これを5回繰り返す

 

生活習慣の改善4つのポイント

尿トラブルを悪化させる要因となる食生活の見直し、肥満や便秘などの改善で尿トラブルを防ぎます。主なポイントは以下の4つです。

生活習慣改善4つのポイント
  • 便秘改善
  • 肥満改善
  • 摂取する飲食物に注意
  • 体を冷やさない

心がけること

便秘改善 

  • 食物繊維を多く含む食品を摂る
  • 腸内の善玉菌を増やす食品を摂る
  • 適度に水分を摂る
  • 朝食後の排便習慣をつける
  • 適度な運動を行う

便が直腸にとどまっていると膀胱を圧迫して頻尿の原因になります。又、排便の際にいきむことで骨盤底がゆるみやすくなり、腹圧性尿失禁の原因にもなります。便秘は改善しましょう。

食物繊維を多く含む食品には、野菜や海草類、腸内の善玉菌を増やす食品にはヨーグルトなどがあります。(便秘改善については他のエントリで解説しています。)

肥満改善 

  • 体感の深部の筋肉を鍛える

肥満でポッコリお腹の場合には、ひざをできるだけ高く上げて足踏みする運動、息を掃きながらお腹を引っ込める運動などで、体感の深部の筋肉を鍛えることが効果的です。

肥満は生活習慣病のスタート地点ですが、骨盤底に掛かる負担が大きくなり、骨盤底が緩みやすくなるので、尿トラブルの原因にもなります。肥満がある人は改善しましょう。

摂取する飲食物に注意 

  • カフェインを含む飲料を控える
  • アルコール飲料を控える
  • 辛い食品や冷たい食品を控える

カフェインの多く含まれた飲料やアルコール飲料は、利尿作用があるので頻尿の原因になる可能性があります。緑茶にもカフェインは含まれています。麦茶やほうじ茶などがカフェインが少ないです。

また、辛い食べ物やつめたい食べ物など膀胱を刺激する食品も控えるようにしましょう。

体を冷やさない 

  • 暖かく脱ぎ着しやすい肌着を着用する
  • 半身浴を行う
  • ウオーキングなどの軽い運動をする

体が冷えるとトイレが近くなります。体を冷やさないようにします。特に下腹部を冷やさないことが大切。

寒い季節は保温性のある肌着を着用すると良いです。半身浴やウオーキングなどを行うことも体を温める効果があります。

過活動膀胱の原因と症状

突然の尿意を感じる原因となる過活動膀胱は、前立腺肥大症、骨盤底の緩みなどで起こりますが、最も多いのが原因がはっきりしない特発性のもの。

加齢で起こりやすくなりますが、動脈硬化やメタボなどで、膀胱の血流が悪化することも関連していると言われています。

過活動膀胱の症状には

  • 尿意切迫感 突然強い尿意を感じ、我慢すると尿漏れを起こしそうな感じがする
  • 昼間頻尿 起きている間に8回以上トイレに行く(一般的には5~6回程度)
  • 夜間頻尿 夜間眠っている間に2回以上トイレに起きる
  • 切迫性尿失禁 尿意切迫感を伴う尿漏れがおこる。トイレのドアノブに手をかけたときや水仕事などのときに起こるのが典型的

があります。

尿漏れ対策

治療の効果が現れるまでの間や、尿漏れが解消されない場合は、尿漏れ対策グッズの利用でケアを行うことも大切です。尿漏れパッド、吸収パッドのついた下着などがあります。

漏れた尿を吸収するパッドを利用する場合の注意点

  • 尿漏れ専用のパッドを使う
  • 尿漏れの量を知る

ことです。

女性では生理パッドを尿漏れに代用する人も多いのですが、月経血と尿では成分も濃度も異なります。それぞれ専用に開発された別のものです。

尿漏れパッドは生理用品の約6倍のスピードで尿を吸収し、臭いを抑える工夫もされています。

また、尿漏れパッドには吸収量も様々で、自分の尿漏れの量を知り、適切なパッドを利用しましょう。

男性用の商品も多く販売されており、男性器にかぶせて使う尿漏れ対策グッズもあります。使いやすいものを選んで利用すると良いですね。

尿漏れ量の目安

下着にしみる 2~5ml
洋服にしみる 5~15ml
足に伝う 15~50ml
床にもれる 50ml以上

60分間パッドテストの方法

  • 用意するもの: 
    尿漏れパッド、はかり、腕時計、飲料水(500ml)、ビニール袋、紙、筆記用具
  • テストの手順:
    60分間で行います。尿漏れパッドを当てて飲料水を飲み、以下の手順に沿っていろいろな動作を行います。終了後、バッドを外して重さを量り、尿漏れの量を算出します。
時間経過 動作
0~15分
  • 尿漏れパッドをあて、紙に開始時間を記入する
  • 飲料水500mlを15分間以内に飲む
  • 余った時間は安静にする
15分~45分
  • 30分間外を歩く
  • その間に階段を1回分上がって降りる
45分~60分 15分間で5つの動作を行う
  1. 椅子に座って、立ち上がる(10回)
  2. 脚を肩幅に開き、少し腰を落として股を緩めた姿勢で強く咳き込む(10回)
  3. 1箇所を走り回る(1分間)
  4. 床に置いたものを腰をかがめて拾う動作(5回)
  5. 水道の水を流しながら手を洗う(1分間)
終了
  • パッドを外してビニール袋に入れる
  • 重さを量り、使用前のバッドとにニール袋の重さを差し引く
→2g以上の場合は尿漏れがあると判断される

 

まとめ

突然の尿意をすぐに抑える方法は…残念ながら治療薬や尿漏れ対策グッズに頼るのが一番の解決策です。

しかし、時間はかかりますが、行動療法を自分で行うことで尿トラブルの改善は期待できます。

まず、自分の尿漏れの程度を把握し、排尿日誌などから尿トラブルの原因を探り適切な対策を行いましょう。

切迫性尿失禁など、生活や仕事に支障がある尿トラブルは、泌尿器科で相談してください。

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