高血圧の治療はメタボリックドミノを防ぎ、将来の重大な病気を予防するために必要な健康管理の一つ。薬物療法を行っていても高血圧の薬が効果なしの人も少なくありません。薬の十分な効果を得るための3つのポイントをお伝えします。
高血圧の薬の効果を得るための3つのポイント
高血圧の治療で薬を飲んでいても、血圧が十分に下がっていない人は少なくありません。
家庭で測っても医療機関で測ってもいつも血圧が高い人が、十分な効果を得るために見直す必要があるのは以下の3つのポイントです。
- 薬の種類は高血圧のタイプにあっているか
- 生活習慣の乱れはないか
- 他の病気はないか
高血圧のタイプによって効果的な薬は異なります。薬を飲んでいるのに十分血圧が下がらない場合や、血圧を高めやすい生活習慣がある、高血圧を招く他の病気がある場合もなかなか治療の効果は得られません。
これら3つのポイントを見直すことで、高血圧の薬の効果を得ることが可能で薬物療法を続けることが、メタボリックドミノを予防することにもつながります。
薬が高血圧のタイプにあっているか
高血圧は、血管収縮型と血液量過剰型の2つのタイプに分けられます。高血圧のタイプについてはこちらのエントリーで確認してください。
高血圧の薬にはいくつかの種類がありますが、高血圧のタイプにより効果的な薬は異なるので、血液検査などでタイプを調べることが大切です。
タイプに合っていない薬の効果なしの場合、タイプに合っていない可能性もあります。高血圧の薬についてはこちらのエントリーを御覧ください。
生活習慣の乱れはないか
高血圧の治療で需要なのが生活習慣の改善です。薬の効果が十分になし、のばあいは血圧を上げるような生活習慣がないか、見直す必要があります。確認のポイントは
- 塩分の摂り過ぎ
- ストレスはないか
- 肥満
- 運動不足
などです。
その他にも、カリウム不足、多量の飲酒、喫煙も血圧を上げる習慣です。これらを見直し、生活習慣の改善を行うことで、薬の効果が十分得やすくなります。
生活習慣改善のポイント
塩分
1日6g未満にする(g表示のものは、2.5倍すると食塩量に換算できる)
肥満
減量すると血圧が下がることが実証されている
運動
体内のホルモンや血液量、交感神経系の働きなどが血圧を下げやすく変化する
節酒
多量の飲酒の習慣がある人は高血圧が多く、血圧が下がりにくい。ビールなら中瓶1本、焼酎なら半合弱が適量。
禁煙
たばこを吸うと交感神経系を興奮させるので、一過性に血圧が上がる。たばこは様々な病気の原因となる
カリウム摂取
カリウムは体内の余分な塩分を排泄し、血圧を下げる働きがある(牛乳、魚、納豆、りんご・バナナ、ほうれん草などに多く含まれる)腎臓の悪い人はとりすぎに注意。
他の病気はないか
原因となる病気がある場合は、病気の治療が必要です。高血圧は原因がわからない本態性高血圧が約90%で、残りの10%は原因となる病気がある二次性高血圧です。
原因となる病気には腎臓の病気(糸球体腎炎、糖尿病性腎症)や内分泌の異常(原発性アルドステロン症)があります。
▶原発性アルドステロン症
特に多いのが原発性アルドステロン症で、腎臓の上部にある副腎に腫瘍ができ、アルドステロンと言うホルモンが過剰に分泌されます。
高血圧の薬を使っても効果なしの場合、まず疑われる病気です。
アルドステロンは体内に塩分を溜め込む働きがあるので、血液量過剰タイプの高血圧を招きます。
診断はまず血液検査でアルドステロンの値を調べます。疑いがある場合は負荷試験をおこない診断を確定します。
原発性アルドステロン症がある場合は、腫瘍のある副腎を取り除く手術やアルドステロン拮抗薬等による治療が行われます。
薬を飲むときの注意点
血圧は変動していて、朝から日中にかけて高くなる人が多く、高血圧の薬は、多くの場合1日1回朝食後に服用するのが合理的です。
しかし、血圧の変動には個人差があるので、血液量過剰タイプの高血圧では、夜も血圧が下がらないことがよくあります。
このような場合は夜に飲んだり、朝と夜の2回に分けて飲んだりします。
朝の血圧が非常に高い場合には、朝食後ではなく起床直後や、前日寝る前に飲む方法もあります。
薬の効果なしの場合、服用のタイミングについても医師と相談してみましょう。自分の血圧の変動を知るためには、家で朝や夜の血圧を測ってみることです。
まとめ~高血圧の薬の飲み方の注意点
薬の効果なし、で十分血圧が下がらない場合、3つのポイントを見直してみましょう。
高血圧は自覚症状がないため、なかなか薬の効果は実感できませんが、高血圧の薬は飲み続けることが非常に大切です。
血圧を適正な状態にコントロールしておくことで、将来の重大な病気のリスクは確実に低下します。
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