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ナースほど誇れる仕事はありません

ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

ライフスタイルで病気を防ぐ~認知症予防のコツ

認知機能は一般に加齢に伴い衰えるものです。長生きをすれば認知症を起こす確率は上がります。残念ながら認知症にならないための予防法はありません。しかし発症を遅らせることは可能です。発症を遅らせ、健康的に過ごせる期間を伸ばす方法とは。

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認知症の予防のコツは

認知症の原因となる主な病気アルツハイマー病と脳血管障害で、認知症の約9割を占めて今す。アルツハイマー病が約7割、脳血管障害が約2割です。認知症を予防するためには、主にこの2つの病気を起こさないようにすることです。

アルツハイマー病と脳血管障害の予防法は、重複することが多いので、アルツハイマー病を促進する要因と、予防法についてお伝えします。

 

アルツハイマー病のキーワード2つのたんぱく

アルツハイマー病は、脳の中にたまったアミロイドβたんぱくとタウたんぱくという2種類のたんぱく質が、認知機能に重要な役割を果す、脳の神経細胞を破壊していく病気です。

アミロイドβたんぱくやタウたんぱくが、たまりやすいライフスタイルを改め、たまりにくくするライフスタイルにすることが、アルツハイマーの予防に重要です。

*脳血管障害は動脈硬化が進み、脳の血管が詰まったリ破れたりして、認知機能が障がいされます。

アルツハイマー病の促進と抑制の要因

アミロイドβたんぱくとタウたんぱくがたまるのに関わる要因

  • アミロイドβたんぱく 生活習慣病と寝不足
  • アミロイドβたんぱくとタウたんぱく ストレス
  • 脳の神経細胞自体を弱らせる 歯周病、視力・聴力の低下

たまりにくくする要因

  • アミロイドβたんぱく 運動
  • アミロイドβたんぱくとタウたんぱく 食物
  • 脳の神経細胞自体を強化する 社会的接触

 

アルツハイマー病の抑制要因

アミロイドβたんぱくやタウたんぱくをたまりにくくする要因もいくつかわかってきています。運動や食物、社会的接触・コミュニケーションです。

運動

最も効果が高いとされている予防法が運動です。特にウオーキングなどの有酸素運動は、アミロイドβたんぱくを分解する力を増やし、脳にたまりにくくする効果があるとされています。掃除をする、雑巾がけをするなど、日常生活でもこまめに体を動かすことが大切です。

脳の神経細胞を育てる物質も作られ、体を動かすことで心臓や脳の血管の状態を良好にし、神経細胞の健康が保てます。

食物

認知証の予防に、野菜や果物の摂取が有効であることがわかっています。野菜や果物に含まれているポリフェノールには、アミロイドβたんぱくやタウたんぱくをたまりにくくする作用があるものがあります。赤ワインに含まれるミリセチン、ナスの色素に含まれるデルフィニジンなどです。

また、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種、DHA(ドコサヘキサエン酸)には、アミロイドβたんぱくをたまりにくくする作用、神経細胞を保護する作用があることもわかっています。

社会的接触・コミュニケーション

家に閉じ困らず、家族や近所の人と会話をしたり大勢の人と話したり、一緒に活動したりして、コミュニケーションを取るようにします。積極的に他者と関わりを持つことが大切です。楽しく会話をすることが、脳に良い刺激を与え、脳の神経細胞が活性化されます。

 

アルツハイマー病の促進要因

脳の神経細胞は、何十年も使っているうちに老朽化が進みます。認知症発症の30年ほど前から、脳の神経細胞の周りに、アミロイドβたんぱくが塊となって溜まり始め、10年ほどたつと細胞の中に、タウたんぱくが溜まり始め、細胞が障がいされ認知機能が低下して、生活に支障が出ると認知症が起こります。

生活習慣病

糖尿病や脂質異常症などがあり、これらの病気のコントロールがきちんとできていないと、アミロイドβたんぱくが分解されにくく、脳にたまりやすくなります。糖尿病や脂質異常症の持病がある人は、きちんと治療を受けて、血糖値や結集し室の値をコントロールしてください。

寝不足・ストレス

アミロイドβたんぱくは、寝ている間に分解が促進されるので、寝不足になるとアミロイドβたんぱくの分解が滞り、排出されにくくなることが、色々な研究でわかっています。

ストレスを受けると、副腎皮質からコルチゾールという、ストレスに反応するホルモンが分泌されます。コルチゾールにより、アミロイドβたんぱくもタウたんぱくもたまりやすくなります。

歯周病

歯周病は高齢者の歯の本数が減る最大の原因。記憶に関する脳の神経細胞は、良く噛むことで刺激を受けています。残っている歯の本数が減るほど噛む回数が減り、脳の神経細胞への刺激が減って認知症のリスクが高くなります。

歯が20本以上ある人に比べると、歯が1本もない人は5倍も認知症を発症しやすくなる、という報告があります。ただし、義姉を入れればリスクは下がります。歯のケアをしっかりして歯周病を予防するほか、歯が無くなった場合は義歯を活用するなど、いくつになってもしっかり噛めるようにすることが大切。

視力・聴力の低下

眼や耳がしっかり働いていれば、視界や他者との会話などを通し、様々な情報が脳に入り、脳の神経細胞の活性化に役立ちます。白内障などで視力が落ちたら手術を受ける、聴力が衰えたら補聴器をつけるなどの対策を取り、視力・聴力を保つことが認知症の予防に有効です。

 

アミロイドβたんぱくとタウたんぱく

アミロイドβたんぱくとタウたんぱくは、健康な脳でも毎日少しずつ作られています。加齢とともに溜まり始めますが、早い人では40歳代から、人によっては50歳代、90歳代からということもあり、たまり方の個人差がとても大きいという特徴があります。

アミロイドβたんぱく

アミロイドβたんぱくは、本来脳の中で作られては分解され、消えてしまうたんぱく質です。しかし、高齢になると分解機能が衰え、徐々に脳の神経細胞の周りに溜まり始めます。一般に認知症を発症する20~30年前から溜まり始め、だんだん広がっていくと考えられています。

タウたんぱく

タウたんぱくは本来、脳の神経細胞の中で栄養などを運ぶ巻(微小管)を安定させるために必要なたんぱく質。しかし、アミロイドβたんぱくが以上に多くたまると、それに反応し、神経細胞の中にたまっていきます。

それにより微小管が障がいされ、栄養などを運べなくなるので神経細胞が破壊されます。一般にアミロイドβたんぱくが溜まり始めて10年ぐらいすると、タウたんぱくもたまり始めると考えられています。

アミロイドβたんぱくがたまっている間は、認知症の症状は現れません。タウたんぱくがたまり始めると、認知機能が徐々に障がいされ、日超生活に支障が出るようになり、発症します。

 

まとめ

認知症はアミロイドβたんぱくが溜まり始めてから発症まで、何十年もかかります。その間のライフスタイルで発症を遅らせることは、十分可能です。運動や食物、社会的接触などは以前から健康に良いと言われていることですが、日頃から実践して認知症の予防だけでなく、健康で長生きすることも期待できます。

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