むくみ、冷えなどの不調や肌荒れ、肥満の原因は、余分な水分が体にたまって本来の役割を果たせない、水毒かもしれません。水毒デトックスでむくみを改善、冷えや水太りを解消するツボをご紹介します。
水毒とは
私たちの体の成分のうち、約60~70%は水分です。全身の細胞に栄養を送り代謝をスムーズにする、老廃物を回収し排泄する働きをしています。
しかし、水分の摂りすぎや便秘などで排出機能が低下すると、余分な水分が体にたまり、流れが悪い川のようによどんで本来の役割を果たすことができなくなります。
この状態を中医学では「水毒」と呼びます。
水毒は、むくみや冷えなどの不調、肌荒れ、白髪、肥満を招くといわれています。デスクワークが多く運動不足の人、もともと冷えやすい女性は特に水毒になりやすいです。
膀胱の経絡
経絡とは体名を流れる気の通り道のことです。肺や胃などの内臓と結びついた経路が主に14本あると考えられており、水の流れと深くかかわっているのが膀胱の経絡です。
経絡を幹線道路とすると、体内の水が滞るのは、道路が老廃物で渋滞を起こした状態。
車が止まりやすい交差点である経絡のツボを押すことで、効率よく渋滞を解消、水の流れがスムーズになります。
特に効果が高い3つのツボを刺激して、全身の水の循環をスムーズにするのが水毒のデトックス、水毒の解消に役立ちます。
水毒を解消する3つのツボ
水毒のデトックスに効果のある3つのツボは、湧泉(ゆうせん)、腎愈(じんゆ)、委中(いちゅう)です。この3つのツボをほぐします。
ツボを押すのは日中のどのタイミングでもOK。押す時間は1分程度で、痛気持ち良いくらいの強さを目安にします。
湧泉~全身のむくみを改善
涌泉は体内の老廃物を排出する、腎臓につながるツボです。むくみ改善のほかこのツボを押すと元気が泉のように湧き出るといわれています。
- 右手を握り、人差し指の第二関節を使い、左足の涌泉をぐりぐり強めに押します。右足も同様に。
- ゴルフボールのような硬めのボールを床に置き、左右の足の涌泉にあてて踏み、体重をかけて踏むのもよいでしょう。
- 両手の親指を交差させ、3秒かけてゆっくり押す、3秒かけてゆっくり力を抜く、と言う押し方もあります。
腎愈~腎を活性化し、代謝アップ
腎愈は水の流れを司る腎を活性化するツボです。背中を通る膀胱の経絡のつまりを取り、水分の代謝を高めます。内臓の働きを良くする、腰のコリを取る効果も期待できます。
腎愈の見つけ方
ウェストの一番くびれた部分に親指を背中側にして両手をあてます。そのままウェストラインに沿って背骨の方へずらし、背骨から左右に指2本分外側です。
- あおむけになり、両手を握って指の付け根を腎愈に当てます
- 体の重みを使っておします
- 強くおしたい場合は、手首を返すように動かします
手の代わりにボールの使用も。100均のトレーニング用ゴムボールなどを腎愈の位置に置き、体重をかけます。
委中~下半身太りの解消
委中は体内の細菌や異物をろ過するリンパ節にあるツボです。リンパ液の流れをスムーズにして、余分な水分を回収します。
特に下半身のむくみ改善に効果が大きいツボです。ひざ裏の中心のすぐ下にあります。
- 両手の親指を左足の委中に当て、脚をぶらぶらさせます。右足も同様に
または、
- 椅子に姿勢をただし、浅めに座ります
- 左脚が上に来るように脚を組みます
- 左ひざの裏が右膝に当たるように、左足を上下にリズミカルに動かし、委中を刺激します
- 左右の足を入れ替え、同様に
保湿と水毒のデトックス
入浴中にぜひ行ってほしいリンパマッサージ。半身浴をしながら体をなでるだけです。リンパに沿って優しくなでることで、水毒も流します。寝る前などいつでも行ってOKです。
- 右手で左耳の後ろから鎖骨に向かって流す
- 左手で右耳の後ろから鎖骨に向かって流す
- 足の甲を指の間の骨に沿ってくるぶしに向かって流す
- 人差し指をUの字にしてくるぶしを回すようになでる
- ふくらはぎを下からひざ裏に向かって撫で上げる
お風呂上りには保湿もかねて、オイルやボディクリームを使ってさっとなでましょう。
- 体についた水分をさっと手で払います
- 両手にオイルやクリームをのばし、鎖骨の上に置いたらそのままバスト、脚の付け根に向かってさっと塗ります
- 脚の付け根の外側から足首、続いて足首から脚のつけ根に向かって塗ります
- 左の手のひら全体を使い、右肩から腕の内側を通り右手のひらまで、右手の甲から腕の外側を通り右肩まで。右手も同様に。
- 両手のひらを背骨の両側にあて、なるべく上の方からお尻に向かって塗ります。
- 最後はオイルやクリームがとれないよう、タオルで軽く抑えるようにふき取ります。
気(き)・血(けつ)・水(すい)のバランス
中医学では、気(エネルギー)、血(血液)、水(体液)、がバランスよく体内を循環していることが健康で美しい体を保つのに重要であるとされています。
この3つは互いに影響しあい連動して動くので、どれか一つでも滞ると他の2つも働きが悪くなります。
水は改善しやすい
悪循環を断ち切るには、水毒のデトックスで体内の水の流れを良くするのがポイントとなります。
水はすぐにたまってしまいますが、一方で動かしやすい性質があります。食事や生活環境など、多くの要因に左右される気や血とくらべて改善しやすいのです。
前述した水毒を解消する3つのツボを刺激して、水の流れを改善します。すると気や血も連動して動き出し、気、血、水の3つのバランスが整い、からだに様々な良い影響を及ぼします。
水毒の3つのタイプ
水毒は水の摂り過ぎ、冷えから、疲労から、と3つのタイプがあります。
それぞれの特徴を簡単にまとめましたので、当てはまることがある場合は、改善するようにしましょう。
水のとりすぎ
必要以上の水分をとり、体内に余分な水が滞っているタイプです。一度に大量に飲んだり、胃腸が弱い人は、十分に吸収できず、顔や体がむくむ原因になります。
水分は1日2㍑以上、とよく言われますが、体質やライフスタイル、運動量などにより必要な量は異なります。あまり体を動かさない人は2㍑も必要ないでしょう。
また、一度に吸収できる量は100mlほどです。がぶ飲みは余分な水分をためこんでしまいます。水分補給は1時間お気を目安に、少しずつ、こまめに摂ることが大切です。
水をたっぷり含んだご飯や汁物等、食事からも自然に水分を摂ることができます。食事以外の水分補給は常温がベスト。
コーヒーなど色のついたものは、ろ過する際に腎臓に負担がかかるので、1日1~2杯にしましょう。
冷えからくる水毒
体が冷え代謝が悪くなり、皮下に水分がたまっているタイプです。同じ場所に水がとどまり悪循環に陥っています。
代謝が低いので痩せにくく、血行も悪化して生理痛などの不調も出やすい。エアコンの効いた部屋に長時間いる、冷たいものを飲食するなど、冷えやすい環境もよくありません。
体を温める食材を食事に取り入れましょう。(納豆、キムチ、味噌、などの発酵食品、人参、かぼちゃなどの根菜類、生姜など)しょうがを料理に加える、味噌汁の具を根菜にするなど、工夫します。白砂糖や冷たい飲み物は体を冷やすので避けたほうが良いです。
温めデトックス
体を暖めると代謝が活発になり、水毒が素早く排出されます。塩アロマ風呂がオススメ。塩には強力なデトックス作用があるので、お湯に加えると約4倍の速さで汗が出始め、冷めにくくなります。
塩アロマ風呂
- 食用の天然塩大さじ山盛り1杯
- エッセンシャルオイル3~6適
をよく混ぜあわせます。
オススメのエッセンシャルオイル
- 水とりすぎ ラベンダー、ローズマリー、ゼラニウム
- 冷え サイプレス、マージョラム
- 疲労 パチュリー、ジュニパーベリー
疲労からくる水毒
水分のろ過や排泄を司る腎の機能が低下しているタイプです。トイレの回数が少ない(一般的に1日7~8回)場合には水毒が悪化している可能性が大きい。
人は活力を生み出す源です。働きが悪くなると疲れやすくなり、内臓の働きも退化して老化を促進します。
腎と関連する経絡が通っている頭や腰、足にトラブルが起こることもあります。経絡の3つのツボを刺激して人を活性化させましょう。
まとめ~水毒デトックス始めましょう
人間の体に大切な水分。摂り過ぎは逆にむくみや冷え、肌荒れ、水太りなどにつながります。
余分な水を排出する水毒デトックスでむくみ改善、冷えや肌荒れ、水太りを解消しましょう。水の経絡を刺激するツボ押し、毎日の習慣にすると良いですね。
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