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ナースダイアリー・超忙しい看護師のひとりごと

睡眠の質が低下する生活習慣~辞めたい寝酒、光の浴び方の工夫

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日本では、不眠の対策として寝る前にお酒、いわゆる寝酒に頼る人が多いようです。寝酒は確かに最初は寝付きは良くなりますが、続けると睡眠の質に深刻な影響を及ぼし、

体への悪影響も無視できません。

 

自然な眠気を導く秘訣は、体内時計を調節する生活習慣、光の浴び方の工夫にもあります。睡眠の質を高める快眠方法を、生活習慣、寝酒の影響と合わせて考えます。

 

 

快眠方法は生活習慣から

快眠のための生活習慣には、

  • 運動、入浴と言った直接的なもので、習慣そのものが快眠をもたらす場合
  • 規則正しい習慣で体内時計をきっちり調整する場合

があります。

 

脳の温度を下げる工夫で自然な眠気

  • 疲労が程よく蓄積され、身体が休息を求めるようにすること
  • 最適な時間帯に眠くなるように、体内時計を整えること

が心地よい眠りを導きます。そこに深く関係してくるのが体温の変化です。体温(深部体温)は一日の中で変動しています。

 

活動して代謝が上がる日中から夕方にかけて上昇し、その後は休息に向かってだんだん下がる。それに伴い脳の温度も活動時は上がり、脳の温度を下げようと現れるのが睡眠。

 

スムーズに脳の温度を下げる、生活の工夫をすることが、自然な眠気を得られるコツです。しかし不眠に悩む人の中には、脳の温度が下がりにくい生活を送っていることが少なくありません。

 

生活の工夫

不眠を解消するには、まず生活を見なおして工夫することが必要です。ただし、生活の工夫を1~2ヶ月続けても不眠が改善されない場合は、医療機関を受診することが大切。

 

病気がある場合は、治療が遅れると不眠が悪化したり、がんや認知症などを誘発する危険もあるからです。

 

快眠の基本は体内時計(サーカディアンリズム)を整える

起きる時間や寝る時間、食事の時間などが不規則だと体全体のリズムが乱れ、睡眠の質を低下させます。体内時計の24時間のリズムに合わせた規則正しい生活、よく食べ、よく働くことが快眠の基本です。

 

快眠のための生活7つの工夫、ココがポイント

  • 食事
  • 運動
  • 入浴
  • カフェイン
  • 喫煙
  • 飲酒

年齢や環境等によって、心地良い睡眠を誘う生活のリズムは異なります。例えば入浴の時間を、「寝る1時間前」から「2~3時間前」に変え、温めのお湯にゆったり浸かるようにして不眠が解消した方も居ます。

 

今日は寝酒と光について、ちょっと詳しく。

 

 

寝酒は辞めたい。睡眠の質が低下し、体にも害

ヨーロッパでは、不眠が有れば医療機関を受診する人は約半数いるのに、日本の場合は1割程度と低い。不眠、が病気という意識が低いからでしょうか。不眠対策として、寝酒を習慣とする人も少なくありません。

 

しかし、寝酒は、睡眠の質を落とすばかりか、脳の萎縮やアルコール性肝炎などを招く危険性もあります。快眠のためにも、健康のためにも、寝酒は辞めたい習慣です。

 

ノンレム睡眠が減り、睡眠が浅くなる

お酒を飲むと眠たくなるように、眠れない時にも、寝酒を飲むと寝付きは良くなります。しかし、寝酒を続けていると、だんだん慣れてきて、量を増やさないと眠れなくなる。

 

問題はそれだけではありません。飲酒後に眠るとノンレム睡眠が減るので、睡眠が浅くなります。熟睡感が得られないだけでなく、悪夢を見ることも。さらに睡眠中にトイレにいきたくなり、中途覚醒も増える。

 

アルコールがもたらす病気のリスク

もっと深刻なのは、寝酒が習慣になってしまうと、お酒がないと眠れなくなってしまうことです。アルコール自体が体に悪影響を与えることも忘れてはいけません。

 

アルコールは脳細胞を障害し、脳を萎縮させます。肝臓やすい臓の細胞も傷害するので、「アルコール性肝炎」や「アルコール性膵(すい)炎」を誘発することもあります。

 

また、筋肉を弛緩させる作用があり、脳に対しては呼吸を抑えこむように作用するので、「睡眠時無呼吸症候群」がある人は症状が悪化します。

 

寝酒は避ける

ストレスの発散やリラックスするために、適度な飲酒をすることは良いのですが、眠るための飲酒、寝酒は避けましょう。

 

寝酒がないと眠れないほど不眠に悩んでいるときは、医師に相談することが大切です。

 

 

体内時計と光

人減の体内時計は、24時間より少し長めの周期でリズムを刻んでいます(概日リズム/サーカディアンリズム)。

 

このズレを24時間に調整するのが「同調因子」と呼ばれる刺激で、食事、運動、仕事などいろいろあり、最も大きな影響を与えるのが光です。

 

光を浴びる時間と眠気の関係

  • 早朝に強い光を浴びる → 体内時計が進み、眠気が早く起こる
  • 夜に強い光を浴びる  → 体内時計が遅れ、眠気が遅く起こる
  • 昼間に強い光を浴びる → 体内時計に影響はない

光の浴び方を工夫することで、不眠の症状に対処することが可能です。

 

※調整がうまくいかずに起こる睡眠障害は、概日(がいじつ)リズム睡眠障害/

サーカディアンリズム睡眠障害です。次のような物があります。

  • 時差症候群(時差ぼけ)
    人為的・社会的な理由により体内時計を短期間にずらさなければならない場合に起こる
  • 内因性概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒症候群、交代勤務睡眠障害、および不規則型睡眠覚醒パターン)
    体内時計が外界の周期に同調する機能に問題がある場合に起こる

 

光は体内時計をリセットする

規則正しい生活をしていると、朝起きた時に光が眼に入ることで体内時計がリセットされ、活動に適した状態に切り替わるのですが…

 

光の浴び方によっては、リズムにズレが生じ、早まったり遅れたりすることで、「朝型」「夜型」が生じます。「時計遺伝子」によってもズレが生じます。

 

体内時計は時計のように時を刻んでいるわけではなく、時計遺伝子が「時計たんぱく」と呼ばれるたんぱく質を作り、その増減によって概日リズムを作り出しています。

 

朝起きられない若者 は

朝起きたらまず光を浴び体内時計のリズムを整えます。通勤時も積極的に陽があたっている場所などを見るようにします。

 

朝の光を浴びてから14~16時間後に眠気が訪れるので、その頃に光を浴びると体内時計が遅れ、眠くなる時間も遅れてしまいます。

 

寝室の光の工夫

照明が明るいところにいない、テレビやパソコンの画面は離れてみる。など、夜の光を極力避ける工夫が必要です。

 

カーテンを明けて眠ると、自然な光で目覚めやすくなります。夜が明けてだんだん明るくなっていくことも、体内時計の調整に良い影響があります。

 

 

加齢による「中途覚醒」「早期覚醒」に悩む人 は

体内時計が進んでしまうので、朝はできるだけ光を避け、午前中に外出するときは濃い色のサングラスをかけたりして、光が極力目に入らないように工夫します。

 

早い時間に眠くなる高齢者は、夕方から夜に光を浴び、体内時計の針を遅らせます。夕方まだ明るいうちの散歩などは、運動の面からも光の面からも、質の良い睡眠を得ることができます。

 

眠るときはカーテンをキチンと閉め、部屋を暗くします。暗くて不安で眠れない時は、間接照明などを付けておくと良いでしょう。起床後も朝の光はなるべく避けます。

 

看護師など、交代勤務の場合

看護師など、交代勤務がある場合は、通常の生活習慣とは異なるので、一般的な光の浴び方の工夫などがそのまま当てはまるわけではなく、難しい物があります。

 

それぞれのライフスタイルに合わせ、いろいろな方法を試して自分にあった生活習慣を見つけます。

 

体内時計の針を遅らせると体に馴染みやすい。また、超短時間作用型*の睡眠薬を使ったりします。

 

いずれにせよ、不眠が続く場合は早めに専門医に相談することが大切です。

 ※超短時間作用型: 睡眠障害の薬物療法で主に使われる、ベンゾジアン受容体作動薬は、薬の血中濃度が最高値から半分に減るまでの時間の長さ(半減期)、で4つのタイプにに分類されます。

超短時間作用型は、半減期が2~4時間と短く、主に「入眠障害」に処方されます。

 

 

まとめ

加齢により睡眠の質や量は変化しますが、通常日中を活動的に過ごせれば問題はありません。寝る前にリラックスすることができれば、自然な眠りにつくことができます。

 

体内時計を24時間に調節する生活習慣の工夫で、快眠を手に入れましょう。不眠が続く時は、生活に支障が出る前に、医療機関を受診することをおすすめします。

 

 

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