歩きはじめに足の裏、特にかかとにズキンときたら…かかとが痛いのは足底筋膜炎かもしれません。足底筋膜炎の治療はストレッチが大切。発症の原因や痛みの特徴、かかとの痛みの治し方についてお伝えします。
足底筋膜炎とは
足底筋膜炎(足底腱膜炎とも言います)はアラフォー、アラフィフ以降の女性に多いとされますが、長時間歩く男性やスポーツ選手にも起こりやすい病気です。
足の裏、特にかかとに痛みが起こり、立ったり歩いたりするときに痛みを感じます。足底筋膜炎の最も大切な治療はストレッチです。
足底筋膜炎の発症の仕組みはまだよくわかっていません。歩行時の負荷がたまって炎症が起こりやすく、そこに更に負荷がかかると炎症が慢性化し、痛みが強くなると考えられます。
肥満も負担が大きいのですが、ダイエットのための運動で更に負荷が強くなることもあり、注意が必要です。生活習慣の改善も重要な対処法です。
足底筋膜(腱膜)はかかとの骨から指の付け根まで、脚のアーチ構造を支えている膜状の組織。足底筋膜は扇状に広がっており、かかとの骨への付け根の内側よりの部分が特に痛みが生じやすい場所です。
足底筋膜炎とは
足底筋膜炎(そくていきんまくえん)または足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは、足の指の付け根からかかとまで、足の裏に膜のように張っている腱組織・足底筋膜(足底腱膜とも。以降、足底筋膜に表記統一する)に炎症が起き、小さな断裂を起こして痛みをもたらす病気。多くはかかとの骨の前あたりに痛みが起こる。主に40~50歳代以上で発症するが、若い世代でもスポーツ選手などに多い[1]。出典:足底筋膜炎Wikipedia
足底筋膜炎の治療
足底筋膜炎をこじらせ、かかとの痛みを慢性化させないためには、まず炎症のきっかけとなった足への負荷を減らすことが大切です。
肥満も要因ですので減量も必要ですが、ダイエットのためにとウオーキングやランニングを張り切りすぎても、足への負担がましてしまいます。
最も大切なのは足底筋膜やふくらはぎのストレッチ。ふくらはぎが硬いと足底筋膜炎や他の足の痛みの要因となるので、痛みがなくてもふくらはぎのストレッチを習慣化しておくと良いです。
足底腱膜のストレッチは、起きた時、歩き出す前に少し行うだけでも、1歩目の痛みが軽減されます。足底腱膜のストレッチを行った患者さんの9割以上が、日常生活では気にならない程度まで痛みが改善する、という報告もあります。
わかりやすい足底腱膜のストレッチ動画がありましたのでご紹介しておきます。
かかとの痛み【治療方法】
足底腱膜のストレッチの他にも、アキレス腱のストレッチ、つま先をたてて足裏のストレッチ、を3セット、足首の筋トレを30回繰り返すことが紹介されています。
同じ投稿者の前の動画では、「かかとの痛み!足底筋膜炎の原因・治し方」というタイトルで足底筋膜炎についての解説もありましたので、興味のある方は続けて見ても役にたつと思います。
ストレッチの方法
足底筋膜とふくらはぎの筋肉のストレッチは、1日3回、例えば朝起きた時、歩き出す前、入浴時などに継続して行うことが効果的です。
ふくらはぎの硬さをチェック
- 椅子に座りひざを曲げた状態で足首を曲げる
- そのままひざを真っ直ぐ伸ばす
その状態で足首の角度を直角くらいに保てる場合は、ふくらはぎの柔軟性が保たれています。ふくらはぎの筋肉が硬くなると、ひざを伸ばした状態では、足首を曲げにくくなります。
足底筋膜のストレッチ
- 椅子に深く座り(床に安楽座などで座って行っても良い)痛みのある足を反対側の太ももに乗せる
- 片方の手で足首を曲げながら、もう片方の手でつま先をゆっくり甲のほうに反らす
- 足底筋膜を伸ばした状態で10秒間キープ
- 足首を持っていた手で痛くない程度にもみほぐす
もみほぐす動作は、伸ばした足底筋膜の緊張を指で確かめるように行います。2~4を10回繰り返す動作を1セットとして、一日3回行います。
※太ももに足を載せたときにいたい場合は、タオルなどの上に足を置くようにすると良い。
ふくらはぎの筋肉のストレッチ
- 3~5cmほどの高さの台を用意する
- 転ばないように、壁や椅子などで体を支える
- 足先を台の上に半分だけ乗せる
- ゆっくりひざを伸ばしまっすぐに立って10秒間キープ
- かかとに体重が乗るだけで痛みを感じる場合は、ひざを更にゆっくり伸ばして急激な負荷を避けます。
3と4を10回繰り返す動作を1セットとして、一日3回行います。
*柔軟性がある人の場合は、台を高くしても良い
*座布団のような柔らかいものを使用してもOK
アキレス腱伸ばしのストレッチでもよいのですが、正しくアキレス腱を伸ばすのは意外と難しいので、この方法がおすすめです。
生活習慣の見直し
足底筋膜炎をこじらせて痛みが慢性化しないようにするには、まず炎症のきっかけとなった足への負担を減らすことが重要です。
歩く、立つ、スポーツなどで足の使いすぎをしていないか見直してみましょう。クッション性の良い靴や、中敷きを敷いたりして炎症部分にかかる直接の刺激を和らげ、痛みを軽減する工夫をします。
痛みのある状態で運動をすると、傷を悪化させてしまいます。痛みがあるうちは足をしっかり休めることが大切です。
ウオーキングやジョギングなどの後に痛みが出る場合は、運動をしばらく控えるようにします。水泳や自転車といった、かかとへの負担が少ない運動に切り替えることも良いでしょう。
肥満も大敵!減量することも大切です。
肥満と運動とかかとの痛み
肥満はかかとにより負担をかける要因です。肥満がある場合は、かかとの痛みがなくても予防のためにも減量を心がけましょう。
運動のしすぎもかかとに負担をかけます。特に競技としてスポーツをしている人は注意が必要です。
かかとの痛みがあっては運動はままならず、かと言ってそのままでは肥満が改善できないと言うジレンマに陥ってしまいます。
肥満があるからかかとの痛みが出るのか、かかとが痛いから運動ができず肥満になるのか。ニワトリとたまご論争です。
ストレッチや筋肉トレーニングが重要なのは、肥満と運動の間にワンクッション入れて、負担を低減すること、と捉えることもできそうですね。
かかとの痛みの治し方はまず、ストレッチを続けることにありです。
同時に生活習慣を見直して、足の使いすぎを防いだり足への負担を減らす工夫です。もちろん肥満がある場合は減量!
薬物療法
痛みを和らげるために炎症を止める薬(非ステロイド性抗炎症薬の内服薬や外用薬)を用いることもありますが、この薬は炎症を和らげるだけで、根本の原因を解決するわけではありません。
足底筋膜炎の主な症状は、歩くときのかかとの痛みです。歩いていないのにズキズキ傷んだり、表面に腫れや赤みがある場合、また、かかとだけでなく、つま先など広い範囲に痛みがある場合は、他の病気の可能性もあります。
すぐ整形外科を受診してください。足への負担を軽減したり、ストレッチを続けても、足底筋膜炎の痛みが改善しない場合は、足の外科を専門とする医師の受診をお勧めします。
発症の要因
加齢による足底筋膜の柔軟性の低下、足の使いすぎ、ふくらはぎの筋肉の硬さ、肥満などの要因が絡み合って炎症が起きていると考えられます。炎症が治らないうちに更に負荷がかかると、炎症や痛みは慢性化してしまいます。
- 加齢
徐々に足底筋膜の柔軟性が失われて、硬く傷つきやすくなります。古くなったゴムが引き伸ばされるとひび割れが起きやすくなるように、硬くなった足底筋膜は引き伸ばされて傷つきやすい状態になります。 - 繰り返しの負荷
あるき過ぎやスポーツで足を使いすぎるなど、足に負荷が繰り返しかかると、足底筋膜に小さな傷ができます。傷が治らないうちに次の負荷がかかると慢性化します。 - 肥満
肥満で体重が重いと、それだけで足底筋膜に繰り返し不可がかかり炎症を起こしやすいと考えられます。 - ふくらはぎの筋肉が硬い
ふくらはぎの筋肉が硬いと、普通に歩くだけでも足底筋膜に大きな負荷がかかっていると考えられます。
痛みの特徴
足を使わない状態が続いたあとの1歩目で、かかとにズキンと言う強い痛みが現れます。
寝ていたり長く座っていると、足底筋膜は引き伸ばされずに縮んで硬い状態になり、その状態であるき始めると、急に筋膜に負荷がかかるため痛みが生じるのです。
この強い痛みは歩くにしたがって徐々に和らぎます。
まとめ
肥満はメタボリックドミノのスタート地点、健康のためには肥満の解消、生活習慣病予防が重要、そのために必要なのは食事、運動、生活習慣。と事あるごとにお伝えしていますが…
かかとの痛みの治し方はストレッチが重要です。足に負担がかかる肥満、過度の運動など生活習慣の改善も大切。
普段から足底筋膜やふくらはぎのストレッチを習慣にして、かかとの痛みの改善、予防を。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ